中三百貨店、2024年8月29日倒産・破産手続開始決定で閉店-128年の歴史に幕

青森県弘前市土手町に本店を置く百貨店「中三」が、2024年8月29日に倒産・青森地裁弘前支部から破産手続き開始決定を受けた。
これにより「中三弘前店」は閉店した。
p1040572中三弘前店。

2018年5月からリニューアルを進めていた中三弘前店

中三は1896年に現在の五所川原市で創業。かつては岩手県や秋田県など北東北各地に展開していたが、2019年の青森店閉店以降は弘前店のみを運営している。

中三青森店。

中三弘前店は1962年11月に開業。現在の建物は1968年4月に新築、1995年4月に建築家・毛綱毅曠氏が手掛けた建物を増築して増床リニューアルを実施したもので、地上8階地下1階建、売場面積は20,434㎡だった。
運営会社である中三は2011年に東日本大震災の影響を受けて民事再生手続を開始、日本百貨店協会から退会したが、2012年5月の弘前店への大型書店「丸善ジュンク堂書店」導入を始めとするリニューアルを行い、2015年2月に再建手続を終了した。

ジュンク堂書店(淳久堂書店)弘前店。

2016年10月からは東北地方を中心に飲食業・医療関連事業を手掛ける「MiK」(青森県青森市)の完全子会社となり、2019年8月にはアウトレットフロア「マチナカラック(MACHINAKA RACK)」が開業した。
一方で、2024年4月にはジュンク堂書店が閉店、今夏からはアウトレットフロアを改装リニューアルのため休業していた。

マチナカラック。

中三弘前店、8月28日の営業を以て閉店

地元メディアによると、中三の負債額は約9億円、2023年8月期の売上高は約17億2300万円。8月29日は棚卸のため営業していなかったため、8月28日が最終営業日となった。
跡地の活用方法などは未定となっている。

地階・中みそ。各テナントの移転先などは未定。

関連記事:ジュンク堂書店弘前中三店、2024年4月30日閉店-売上低迷と中三のFC事業終了で
関連記事:中三青森サテライト店、2024年4月21日閉店-旧本店跡再開発ビル「THREE」に移転、贈答品・学生服中心の品揃えに
関連記事:さとちょう(佐藤長)、2023年10月20日全店閉店-青森地場大手、トライアルが大半に出店も「むつ松木屋」など未定

関連記事:イトーヨーカドー弘前店、2020年11月18日リニューアル開業-弘前初「ロフト」「アカチャンホンポ」出店
関連記事:ヒロロ、2020年3月20日リニューアル開業-TSUTAYA BOOKSTOREを新たな核に、スタバも導入
関連記事:中三弘前店マチナカラック、2019年8月30日開業-百貨店初「高層階アウトレットモール」化
関連記事:紀伊國屋書店弘前店、2019年5月6日閉店-東北初の紀伊國屋、35年の歴史に幕
関連記事:中三青森本店、2019年4月30日閉店-再開発ビル下層階に再出店を検討

このエントリーをはてなブックマークに追加