群馬県太田市の東武鉄道太田駅前にあるパン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)系ディスカウントストア「ドン・キホーテ太田店」が2024年3月31日をもって閉店した。
ユニー核の複合商業施設として開業
ドン・キホーテ太田店の前身となる複合商業施設「ベルタウン」は1977年10月に開業。建物は地上7階建で地元企業「大同」が所有する。
ベルタウンは開業以来長らく、大手総合スーパー「ユニー太田店」を核とする市内随一の大型店であったが、2007年1月に核店舗のユニーが撤退したため、同年7月に中堅不動産会社による運営支援のもと「太田ジェイプラザ」として新装開業した。
新装開業後の太田ジェイプラザはディスカウントストア「ドン・キホーテ」と地場食品スーパー「駅前横丁」を核とする施設として集客向上を図ったが、運営会社の経営悪化にともないドン・キホーテグループに運営移行。ドンキ系ならではの飲食・サービス系テナントを導入するなど若年層の取込みを図った。
太田駅前唯一の大型スーパー、老朽化が顕著だった
ドン・キホーテ太田店は2007年7月に開店。
開店以来、生鮮4品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)を含めたフルラインの衣食住に加え、ベルタウン時代からの専門店フロアを展開。直営フロアでは複数回の営業時間変更を経たもの、一貫して深夜営業を続けるなど、太田駅前唯一の大型店として地域の生活に不可欠といえる存在となった。一方、太田駅周辺は大型店の相次ぐ撤退により求心力が低下しており、ドンキ太田店自身も建物の老朽化が顕著となっていた。
ドン・キホーテ太田店。(同社公式より)
ドンキ、再開発で太田駅前から撤退
太田市は駅前活性化を目的として、2023年4月に地場学校法人「桐丘学園」(本部:群馬県みどり市)と系列大学「桐生大学」の新キャンパス誘致に関する協定を締結。同年9月1日に都市計画を決定し、同年12月より関東建設工業HD(本社:群馬県太田市)による「太田駅南口第三地区第一種市街地再開発事業」を施行した。
再開発の一環として、ドン・キホーテ太田店跡地には2027年4月を目処に桐生大学の新キャンパスが開校する見込みであるが、ドンキは太田市郊外への移転準備を進めているため、太田駅前から大型スーパーが消滅することとなった。
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