三重県津市大門の複合商業施設「津センターパレス」ホテル棟に、リオ・ホテルズの「ホテル津センターパレス」が2022年4月25日に開業する。
改装中の津センターパレス。
県内随一のシティホテル「津都ホテル」として開業
津センターパレスホテル棟は1985年4月に開業、建物は地上9階地下1階建で延床面積は6,487㎡。
開業当初は近鉄系直営のシティホテル「津都ホテル」として営業していたが、2003年2月に近鉄グループやビル運営会社など数社が出資の津センターが経営、近鉄グループが運営受託する運営形態に移行した。2019年4月には近鉄・都ホテルズの宿泊施設ブランド再編にともない「都シティ津」にリニューアルしたが、コロナ禍の拡大を受けて2020年9月に全館の営業を休止、2021年2月28日に運営受託契約を終了し35年の歴史に幕をおろした。
津センターパレス(都シティ津時代)。
津市と津センターパレスは、2021年3月1日からホテル部分(客室・レストラン・宴会場)と商業テナント部分(スーパー・ドラッグストア)の入居者募集を開始。4月1日からは市内飲食店応援事業「津がんばる事業者応援プロジェクト」を拡大するかたちで出店料無料のチャレンジショップ「津がんばるマルシェ」(センターパレス8ブース/まん中広場4ブース)を開始するなど、市とセンターパレスが一体となって再生をめざすこととなった。その後、6月26日にリオ・ホールディングス系の「リオ・ホテルズ」が津センターパレスと出店契約を締結。
新ホテルの開業に先駆け、宴会場の予約受付を2022年1月20日に開始した。
リオHDによる運営で再生めざす
ホテル津センターパレスを運営に携わるリオHDは1991年2月に創業、2007年9月に設立。グループ会社を通じて不動産賃貸やコンサルティング事業(フラッグクルメ・リベールなど)、商業施設運営事業(八王子オクトーレなど)を手掛けている。
百貨店跡の再生も手掛けたリオHD。
リオHDは2015年3月の北海道地場大手ホテル「ホテルパコチェーン」再建参画を機に宿泊施設運営事業を本格化。同社ホテルのグループ名称を「ホテルパコグループ」に変更するなど、道内を中心に高い知名度を有する「パコ」ブランドを活かし、フィオーレ志摩(三重県志摩市/2018年12月)やホテルロイヤル郡山(福島県郡山市/2019年1月)などチェーン網の拡大を進めた。2020年2月には事業統括会社「リオ・ホテルズ」を設立、同年8月の運営会社再編にあわせてグループ名称を「リオホテルズ」に変更、2022年3月現在は北海道から九州まで24施設を展開している。(パコは同社北海道ブランドとして存続)
MUJI HOTELの梶原氏起用、ホテル棟は全面再開に
ホテル津センターパレスでは、デザイン設計に「MUJI HOTEL GINZA」を手掛けた梶原文生を起用。客室数を都ホテル時代の83室から90室程度に拡大するほか、従来同様にホテル客室とレストラン・宴会場を一体運営とする。津市はコロナ禍を背景にホテル客室と付帯施設の“分割を含めた活用”を視野に入れていたが、シティホテルとしての早期再開が実現できたことは大きい。
一方、コロナ禍は依然として収束しておらず、かつてダイエーやマルヤスが出店していた商業フロアは未だ空床が目立つなど課題が山積している。津市中心部有数の大型施設としての役割に期待したい。
ホテル津センターパレス
住所:三重県津市大門7-15
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