西日本フィナンシャルホールディングス(西日本FH)傘下の「西日本シティ銀行」(西銀、福岡市博多区)は、博多駅前の本店本館ビルを2020年6月から再開発のため解体することを2019年12月19日に発表した。
西日本シティ銀行本店(旧・福岡相互銀行、1972年)。
磯崎新氏が手掛けた博多駅前の顔、建替えへ
西日本シティ銀行本店ビルは福岡相互銀行の本店として1971年に竣工。建物は12階建。
世界的建築家の磯崎新氏が設計を手掛けたインド砂岩を使った赤い建物は永年にわたって「博多駅前の顔」として親しまれてきた。なお、福岡シティ銀行には磯崎新氏が設計した店舗が数多くあったものの、殆どが店舗統合などで姿を消している。
「博多コネクティッド」の目玉に
今回の再開発は福岡市によるJR博多駅周辺の容積率緩和にともなう大型再開発推進政策「博多コネクティッド」の一翼を担うもの。再開発事業は西日本シティ銀行と旧・福岡シティ銀行系の地場大手不動産ディベロッパー「福岡地所」が行うもので、2020年6月ごろに本館本店ビル(旧福岡相互銀行→福岡シティ銀行本店(第二地銀に転換)、築48年)の解体に着手、2025年2月ごろに新たな大型ビルとして生まれ変わる。
新ビルのイメージ。地下街と直結される。
その後、2025年5月ごろより博多駅北西にある別館ビル(旧西日本相互銀行→西日本銀行本店(地銀に転換)、築51年)、事務本部ビル(築40年)の解体に着手し、2028年9月ごろにこちらも新ビルへと生まれ変わることになる。
別館ビル周辺(右側中央の黒い建物)。
本店本館ビル跡地に建設される建物は現ビルの2倍の規模(延床面積)になる予定であり、また現ビルの意匠が一部保存される計画だというが、詳しい概要などについては12月時点では発表されていない。
3ビルの位置関係。
福岡市中心部の天神地区では容積率緩和にともなう再開発事業「天神ビッグバン」による建物の建替え事業が各地でおこなわれているが、今後は博多駅地区の「博多コネクティッド」による再開発がさらに活発化することも予想され、数年後には市内各地の見慣れた景色が一変するであろう。
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