ジョイフル、フレンドリーを2026年4月完全子会社化-大分式セルフ讃岐うどん「香の川製麺」業態転換や店舗拡大も視野に

大手ファミリーレストラン「ジョイフル」(本社:大分県大分市)は、同社連結子会社の関西地場うどんチェーン運営会社「フレンドリー」(本社:大阪府大東市)を株式併合により完全子会社化する方針を2026年1月19日に発表した。
ジョイフルによるフレンドリー完全子会社化にともない、フレンドリーは東京証券取引所スタンダード市場を2026年4月27日付で上場廃止となる。

関西を代表する大手ファミレス運営会社だった

フレンドリーは1954年8月に寿司店「すし半」として大阪市浪速区(新世界)で創業。1971年10月にファミリーレストラン「フレンドリー」の前身店舗を大阪府大東市に開店し、1985年4月に現社名に変更、1986年11月に大阪証券取引所第二部に株式上場した。

同社の主力業態だった「フレンドリー守口大日店」。
(大阪府守口市/現在は香の川製麺守口大日店)

同社は株式上場後、2005年春に和食海鮮居酒屋「源べい」「土筆んぼう」を展開するなど最盛期に直営店100店舗体制を構築した。一方、2006年3月期以降9期連続の純損失を計上するなど経営不振から脱却できず、2014年8月に政府系ファンド「地域経済活性化支援機構(REVIC)」傘下から約10億円の出資を受け入れ2016年4月には低価格海鮮居酒屋「マルヤス水軍」を、2017年10月には低価格カフェレストラン「ゴッツ」を立ち上げるなど既存店のブランドイメージ刷新を図った。

カフェレストランを意識した「ゴッツあびこ店」。
(大阪市住吉区/2020年のファミレス廃業に伴い閉店)

2018年からジョイフル傘下で再建図るも難航

フレンドリーは政府系ファンドによる出資受け入れに加え、2018年5月には同社が創業期に支援をおこなった縁のある同業「ジョイフル」(本社:大分市)による出資を受け、2009年9月に大阪府寝屋川市に1号店を開店したセルフ式讃岐うどん専門店「香の川製麺」への業態転換を加速。2019年3月の大分式「3玉まで増量無料サービス」、同年7月のうどん1品につきサイドメニューが無料になる「学割定期券」(500円)導入といった取組みもあり、同社新業態のなかで唯一大きな成長を遂げていた。

大分式讃岐うどん専門店となった「香の川製麺瓢箪山店」。
(大阪府東大阪市/2023年1月閉店)

しかしながら、2020年4月には感染症拡大を背景にジョイフルから5億円の資金借入を実施、同年6月には直営店70店舗中41店舗の閉店(全体の半数超)と従業員約130名中110名程度(全体の8割)の希望退職者募集を決定。同年9月末(第二四半期末)までにファミレスや居酒屋業態を全店閉店したため、直営店全27店舗が香の川製麺となった。
また、同社がジョイフル系うどんチェーン運営会社となる過程で約21億円の特別損失計上が生じ、2022年3月期には2期連続の債務超過となったため、ジョイフルが貸付金債権を現物出資財産とする「デット・エクイティ・スワップ(債権株式化)」を実施し上場廃止回避を実現したもの、経営基盤の立て直しが困難な状態が続くこととなった。

2024年にはひさびさの新店舗、新商品やSNS強化で攻勢

フレンドリーは構造改革後、原材料内製化や営業時間変更による経営効率化による事業継続に取組んだが、2024年7月に「うどん・丼に次ぐ第3の柱」として中華そばを新規導入、同年11月には同社初となる三井不動産系商業施設「三井アウトレットパークマリンピア神戸」へのフードコート型店舗開店を打ち出すなど、店舗数と商品カテゴリが増加に転じた。
このほか、2025年9月には同業他社に比べ出遅れていたQRコード決済導入の検証を開始、自社アプリ会員向け優待やSNSプロモーションの拡充を進めるなど、ジョイフル傘下のうどんチェーン運営会社として生きのこりを図っている。

香の川製麺の業態転換や店舗拡大も視野に

ジョイフルによるフレンドリー完全子会社化は、フレンドリーが2022年5月期に発表した「中期経営計画(2023年3月期~2026年3月期)」の下方修正、2025年3月期の債務超過にともなう上場維持基準を下回る流通株式時価総額と株価低迷、上場企業である両社間の利益相反回避を目的としたもの。
ジョイフルは2026年1月19日時点においてフレンドリー株式の52.46%を取得しているが、完全子会社化により「グループ内で蓄積された出店候補地情報やノウハウを最大限に活用」「当社(フレンドリー)の強みを活かした新規出店を戦略的に推進できる体制」「グループ全体でのマーケティングや業態転換」「調達コストの削減と安定調達の両立」を図るとしており、親会社の経営資源を活かしたフレンドリーのファミレス再参入(香の川製麺のジョイフル転換)や香の川製麺の他地域への店舗網拡大といったさらなる攻勢が見込まれる。

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