大阪府堺市西区のJR阪和線鳳駅近くにあるコーナン系複合商業施設「おおとりウイングス」の核を担うイオン系総合スーパー「ダイエーおおとり店」が、2025年1月31日午後6時をもって閉店する。
紡績工場跡地を再開発し生まれた堺市内有数の大型店
おおとりウイングスは、1980年10月に「第一紡績堺工場」跡地再開発施設として開業。建物は地上3階建で店舗面積は18,693㎡。
同施設は開業当初、第一紡績(本社:熊本県荒尾市)傘下のイチボウ商事による運営であったが、バブル期の多角化失敗が災いとなり、1992年7月に運営会社が特別清算、同年10月に第一紡績本体が会社更生法を申請したため、コーナングループ傘下のわたらせ温泉(本社:和歌山県田辺市)完全子会社による運営となった。
ダイエー近畿最大規模の中食や文具売場が強みだった
ダイエーおおとり店は、1980年10月におおとりウイングスの核店舗として開店。建物は地上3階建で直営売場面積は10,021㎡。
同店は堺市内有数の規模を誇るフルライン型総合スーパーとして営業しつつ、1995年には系列パチンコ店「パンドラ」(旧忠実屋/旧萩原商事シヅオカヤ系)を導入するなど、流通業界内でも異例な取組みを打ち出した。
2014年4月には「近畿地区最大規模の中食強化型食品売場」を目玉とする約12年ぶりの大規模リニューアルを実施し、イオン系ディスカウント文具店「ぶんぐのまち」を導入するなど、同社の実験の場としての役割を引続き担い続けた。
ダイエーおおとり店。
イオンリテールへの運営移行で45年の歴史に一旦幕
一方、ダイエーおおとり店は同社内上位の売場面積を有しており、国内シェアNo.1の総合食品小売業をめざすべく、主力業態の食品スーパー化を図る同社の事業戦略との乖離が生じていた。
そのため、2024年11月にイオン系総合スーパー中核会社「イオンリテール」が同店を2025年3月1日付で承継する方針を発表し、2025年春を目途に「(仮称)イオンスタイルおおとり」として新装開店することとなった。これにより、ダイエーおおとり店は45年の歴史に幕をおろすこととなる。
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