ローソン、2024年7月24日上場廃止-三菱商事・KDDIの共同経営に移行

三菱商事系コンビニ大手「ローソン」は、株式非公開化/上場廃止を目的とした臨時株主総会を2024年7月3日に開催した。

ローソン道の駅きなんせ岩美店。(鳥取県岩美郡)

臨時株主総会により「株式併合」「定款一部変更」が可決となったことで、同社は2024年7月24日をもって上場廃止となる。

ダイエー系コンビニとして創業

ローソンは、1975年4月に「ダイエーローソン」として設立。同年6月に大阪府豊中市に1号店「ローソン桜塚店」を開店した。
設立当初は流通大手「ダイエー」と米国食品大手「コンソリデーテッド・フーズ」との提携による新事業として、関西圏を中心に店舗網を拡大。1980年9月にコンビニ大手「サンチェーン」と業務提携し、1989年3月に「ダイエーコンビニエンスシステムズ」として経営統合した。

ローソン流科大実習店。(兵庫県神戸市)

1990年代初頭からは「マチのほっとステーション」を掲げ、ATMや収納代行サービス、チケット販売(ローソンチケット/Loppi)に業容を拡大。1996年6月に現社名に変更し、1997年7月に業界初となる47都道府県出店を達成した。

ローソンなんば千日前通店。(大阪市中央区)

ローソンは業界大手として好調な業績だった一方、ダイエーの経営悪化にともない、2000年2月に三菱商事傘下に移行。三菱商事傘下入りを機に、同社出身の新浪剛史代表取締役社長兼CEO(2014年7月退任)主導のもと、郵便事業庁(現日本郵便)や鉄道事業者との提携といった取組みを相次ぎ打ち出した。
2017年2月には三菱商事による株式公開買付(TOB)により出資比率を50.1%まで高めるなど、三菱商事系の小売中核事業会社としての役割を一層強めていた。

ローソン日本橋三丁目交差点東店。(大阪市中央区)

三菱商事・KDDIと共同経営に移行

ローソンの上場廃止は、2024年2月の「ローソン」「三菱商事」「KDDI」3社による資本業務提携によるもの。KDDIは同年4月の株式公開買付(TOB)により、ローソンへの出資比率を41.07%に高め、三菱商事に次ぐ第2位株主となっていた。
三菱商事とKDDIは、同年7月3日のローソン臨時株主総会で、株式非公開化/上場廃止を目的とした「株式併合」「定款一部変更」を可決。TOBに応じなかった少数株主から強制的に株式を買取り、2024年9月を目処に三菱商事とKDDIがローソン株式の50%を出資する共同経営体制に移行する。
KDDIは自社系携帯電話キャリアショップ「au Style」でのローソン商品/サービス導入(PB商品・Loppi・ローソン銀行ATMなど)、ローソンでのKDDI系商品/サービス導入(通信関連商材・銀行保険エンタメサービスなど)といった商品/サービスの相互融通やDX事業を推進するとしている。

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