三重県鈴鹿市の近鉄名古屋線白子駅近くにあったイオングループ系ショッピングセンター「白子ショッピングセンターサンズ」跡地に、同じくイオングループ系の都市型ショッピングセンター「そよら鈴鹿白子(イオンスタイル鈴鹿白子)」が2024年3月28日に開業する。
鈴鹿の大型店の先駆的存在だったサンズ
そよら鈴鹿白子の前身となる「白子ショッピングセンターサンズ」は、1975年3月に総合スーパー「ジャスコ白子店」として開店。1989年4月にサンズとして増床新装開業した。
閉店当日のイオン白子店。
サンズ時代の建物は地上3階建で店舗面積は14,065㎡。
サンズは開業当初、鈴鹿市内随一の大型店としてコンセプトに「生活話題館」を掲げ、紳士服店「TAKA-Q」や呉服店「きもの錦」、スポーツクラブ映画館複合店「ザ・スペース」、マツダフォード・スバル車販売店「オートラマ」(いずれも閉店済み)といったイオン系を含む専門店70店舗超を導入。”日本初”を称するデジタルからくり時計や立体駐車場を備えるなど当時としては最先端のショッピングセンターだった。
サンズのシンボルだった「サンちゃん&ズン太くん」。
しかし、鈴鹿市内では1996年11月に「イオン鈴鹿ショッピングセンターベルシティ(現イオンモール鈴鹿)」が開業、1998年10月にワーナーマイカルシネマズを併設した「マイカル鈴鹿サティ(アピタを経て現MEGAドン・キホーテUNY鈴鹿店)」が開業するなど競争が激化することとなる。
サンズは1997年にザ・スペースを閉館し直営主体の施設としてリニューアルを実施。2018年3月には大手総合ホビーショップ「タムタム」を導入するなど新規顧客開拓と差別化を図ったが、イオン屈指の古参店舗として老朽化も著しかったため、新施設(現そよら鈴鹿白子)への建替えを理由に2021年2月をもって閉店。サンズ専門店街の管理運営会社であった「白子商業開発」も同年中に解散していた。
三重県内初「そよら」、専門店街にはスガキヤの新業態も
そよら鈴鹿白子の建物は地上2階建で敷地面積は約21,672㎡、延床面積は約11,379㎡。「そよら」とは「そら、寄って、楽しんでって!」との呼びかけが由来となっている。
そよら鈴鹿白子。(写真:HEY エレ鉄!!さん)
イオンリテールの小商圏フォーマット都市型ショッピングセンター「そよら」業態としては三重県内初であり、同社直営総合スーパー「イオンスタイル鈴鹿白子」を核に、ハンバーガーショップ「バーガーキング」(3月25日現在開店時期未定)や名駅発の焼菓子専門店「バタリー」といった三重県内初となる飲食店、ラーメン甘味処店「スガキヤ」、ドーナツ店「ミスタードーナツ」、イオン系100円ショップ「キャンドゥ」、カーゾックのファミリー向けアミューズメント施設「NICOPA」など10店舗超を展開する。
そよら鈴鹿白子の専門店数はサンズ時代に比べ減少するもの、スガキヤでは同社たこ焼新業態「たこ寿」1号店を併設、バタリーでは県内初の店舗として限定商品(ソフトクッキー・ミルフィーユなど)を取扱うなど「生活によりそい毎日通いたくなる専門店」「コンパクトでありながらも、多彩な機能をもつ専門店」をめざすとしている。
イオンスタイルは「生活密着」掲げた最新の売場に
イオンスタイル鈴鹿白子は、建替前同様に総合スーパー業態を維持するもの、鈴鹿市内外に自社グループの大型総合スーパーがあるため「食・ヘルス&ビューティに加え、カジュアル衣料とキッズ、ベビーといった購入頻度の高いカテゴリーに特化し、日々の生活に密着した店舗」として刷新する。
イオンスタイル鈴鹿白子。(写真:HEY エレ鉄!!さん)
なかでも、直営食品フロアではテーマに「鮮度」「地場産」「簡便」を掲げ、青果では鈴鹿市近郊農産業者「鈴鹿みどりの大地」「雨ニモマケズ」「JA鈴鹿果菜彩」直送による地場野菜コーナー、鮮魚では県内漁港「尾鷲漁港」「奈屋浦漁港」「和具漁港」漁獲品、精肉では地元銘柄肉「さくらポーク」「伊勢赤鶏」、惣菜では亀山B級グルメ「みそ焼きうどん」や「とんてき」、グロサリーでは地元鈴鹿銘菓「大徳屋長久」「久住屋菓舗」や地元三重県内佃煮メーカー「共栄食品」「かね万」商品の取扱いを実施。
加えて、対面量り売り惣菜店「リワードキッチン」(取扱商品約30品目)や店内焼き上げピザ店「ピッツァソリデラ」、生花店「ルポゼ・フルール」、イオンネットスーパー受取拠点「ドライブピックアップ!」「カウンターピックアップ!」「ロッカーピックアップ!」を導入するなど、地域生活に密着した最新の売場を訴求する。
このほか、2階「ヘルス&ウエルネス・日用品・カジュアル衣料のフロア」では、自社開発アパレルブランド「ESSEME」「SELF+SERVICE」「TVC(TOPVALU COLLECTION)」や生活シーンに応じた提案型コーナーを展開する。
開業にあわせて「サンちゃん」「ズン太くん」展示も
そよら鈴鹿白子ではサンズからの建替新装開業にあわせ、地元コミュニティバス「C-BUS」の乗り入れ再開(2024年4月1日運行開始予定)やサンズのシンボル「サンちゃん&ズン太くん」の展示再開(2024年2月までイオン津に仮設展示/新店舗での展示期間は未定)を行う。
再び白子に帰ってきた「サンちゃん&ズン太くん」。
(写真:HEY エレ鉄!!さん)
施設正面の芝生広場「つどいの広場」では、ラジオ体操や地元団体・事業者との協業によるイベントの開催も予定しており、サンズ跡地に建設中のマンションとともに地域の新たな核となりそうだ。
そよら鈴鹿白子(旧白子ショッピングセンターサンズ)
住所:三重県鈴鹿市白子駅前3番1号
営業時間:8時~22時(イオンスタイル鈴鹿白子1階)
営業時間:10時~21時(そよら鈴鹿白子専門店街)
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