札幌駅パセオ、2022年9月30日閉店-「北海道新幹線」関連工事で33年の歴史に幕

北海道札幌市中央区の札幌駅高架下商業施設「パセオ」が、2022年9月30日をもって閉店する。

札幌駅高架下商業施設「パセオ」

サツエキ北口の“散歩道”、33年の歴史に幕

パセオは1989年7月に第一次開業、1990年11月に全面開業。営業フロアは地上1階~地下1階で売場面積は18,404㎡、専門店数は193店舗。(2020年3月時点)
同施設はJR北海道グループが「札幌駅付近高架化工事」の一環として整備した「国鉄民営化後第一号の大型ショッピングセンター」(JR北海道による)であり、1990年の全面開業当初は同社グループ「札幌ステーション開発」運営のもと、209の専門店(物販160店舗/飲食33店舗/サービス16店舗)が入居していた。なお、施設名はスペイン語で「散歩道」に由来する。
同施設では全面開業後も積極的な専門店の入替や地下通路接続により集客力を向上。2003年開業の札幌駅南口開発ビル「JRタワー(札幌ステラプレイス)」とも地下通路で直接接続し、一体的な複合商業施設となった。
その後、2005年には札幌駅各施設の運営会社と経営統合し「札幌駅総合開発」運営に移行した。

増床工事中のパセオ
過渡期のため新旧ロゴが並んでいる。

パセオは2010年6月から2011年9月にかけて増床を実施し、施設のロゴやフロア構成を全面刷新。
2022年9月現在は、北海道地場大手コンビニ「セイコーマート」やドラッグストア「アインズ&トルペ」、レディスファッション「AS KNOW AS PINKY」「MAJESTIC LEGON」「mikoa LOWRYS FARM」「PAGEBOY」「RETRO GIRL」「SM2 olohuone」、エスニックファッション「チャイハネ」、古着屋として創業したストリートファッション 「WEGO」、WEGOの低価格ライフスタイルショップ「WEGO1.3.5…」、390円ショップ「390 THANKYOU MART」、インテリア雑貨「Francfranc」「Salut!」、書店「札幌弘栄堂書店」、CD・DVD・BDショップ「玉光堂」、キャラクターショップ「リラックマストア」「クレヨンしんちゃんオフィシャルショップアクションデパート札幌店」といった道内外の有名専門店が入居するなど、高い集客力を維持している。

パセオのフロアマップ
札幌駅北口の広大な高架下空間を活かした施設だった。

北海道新幹線工事後の復活も検討

パセオの閉館は新幹線高架橋建設工事や耐震補強工事によるもの。JR北海道は、パセオの閉館(休館)に関して2021年3月に「各工事の施工範囲が広範に亘り、支障するパセオの主要設備(空調・電 気・冷暖房・防災など)も撤去することとなるため、商業施設としての営業を継続することは困難と判断」したと発表している。
同社は現パセオエリアに関して「なるべく早期の営業再開」をめざす方針を示しており、新幹線工事の進捗次第では3~6年後目処の営業再開も検討段階にあるとしている。その一方、営業再開後の施設名称や規模などは決まっていない。
JRタワー(パセオを含む)は、JR北海道グループの経営基盤安定化に大きな役割を担っており、後継施設の早期開業が期待される。

パセオ閉店のキービジュアル(Final Walk)

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