四国地方地場流通大手「フジ」(愛媛県松山市)は、広島県備後地方地盤の中堅食品スーパー「ニチエー」(広島県福山市)を会社分割により、2020年3月2日をもって完全子会社化する。
ニチエーの店舗(松永店)。
ニチエー、2017年には広島市内進出を果たしていた
ニチエーは1959年3月に広島県福山市今津町で「松永主婦の店」として創業。1962年5月に現法人を設立、1970年2月に現在の社名に改称した。2020年1月現在は「ニチエー」「フードガーデンニチエー」「フードグランニチエー」の屋号で11店舗を展開。直近事業年度の売上高は90億1900万円。
同社は2002年以降、既存店の新ブランド(フードガーデン)化を開始。2016年3月には高級路線の新業態1号店「フードグランニチエー三成店」を出店、2017年4月には広島駅南口の「広島エディオン蔦屋書店」に広島市内初となる「フードグランニチエーEKICITY広島店」を出店するなど、店舗の近代化を推し進めていた。
フードグランの店舗(エキシティ広島店)。
フジ傘下入り後も屋号・店名は変わらず
フジは従来、広島地盤の地場食品スーパー「ピュアークック」を引き継ぐ形で2012年11月に設立した「フジマート」(フジ100%出資)を通して、2019年3月に廃業した三和ストアーの一部店舗を取得、フジ運営の小型店舗(フジ洋光台店、ZY東雲店)を運営移管し、小商圏対応地域密着型スーパー13店舗を展開していた。
しかし、今回フジはニチエーと同名の新会社(フジ100%出資)を設立し、ニチエー全11店舗及び関連施設に関わる資産・負債と各種契約及び従業員を承継するスキームで事業一式を取得、ニチエーの社名及び屋号を存続させることを発表した。
ニチエーの社是。
フジは「今後も、地域に根差した営業活動を通じ、お客さまの支持を得られるよう努めてまいります。」とコメントしており、今後も当面、従来と同様の屋号、店舗形態が維持されるものとみられる。
(撮影:だいにちさん・廣丸さん)
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