大阪府大阪市中央区難波の難波駅近く、丸井(なんばマルイ)向かいにあった新歌舞伎座跡地に、「ホテルロイヤルクラシック大阪」が2019年12月1日に開業する。
ホテルロイヤルクラシック大阪。
旧・新歌舞伎座跡、大型ホテルに
もともとこの場所にあった「新歌舞伎座ビル」は建築家・村野藤吾の設計により1958年に建設されたもの。1988年から2005年まではダイエーグループが運営していた。
桃山風の唐破風が幾重にも重なる独特な外観は他に類を見ないものであり、同じ御堂筋にある村野建築として知られていた旧「そごう大阪店」(解体済み、落ち着いた外装とアールデコの内装が特徴)と対照的なものであった。しかし、2010年に新歌舞伎座が「上本町YUFURA」(大阪市天王寺区)の6階に移転したことに伴い空き店舗となり、のちに解体された。
なお、当地に移転する前の新歌舞伎座ビルは改装され、ニチイが核店舗の「千日デパート」となったが、火災により解体された。
新歌舞伎座の移転などについて詳しくはこちらを参照
かつての新歌舞伎座。
隈健吾氏が設計-1泊10万円以上の部屋も
「ホテルロイヤルクラシック」は冠婚葬祭業大手の「ベルコ」が運営するホテルチェーンで「ホテルロイヤルクラシック大阪」の一番の特徴は旧・新歌舞伎座ビルの外観を再現していること。
設計は建築家の隈研吾氏。同氏は東京歌舞伎座の高層化・復元工事にも携わっている。
高層化・復元された「東京歌舞伎座」。
ホテルロイヤルクラシック大阪の建物は地上19階地下1階建てで、建物の低層部の御堂筋側には新歌舞伎座の継承が復元されたほか、高層部はアルミフィンを複数重ねた外観が特徴となる。また、最上階御堂筋側にも山型の意匠が見える。
ホテルのコンセプトは「時を、つなぐ。」。御堂筋側の1階カフェが出店するほか、館内には複数のレストラン、宴会場が設けられる。客室は全150室(スイート9室、ツイン111室、ダブル30室)で、宿泊料金はスタンダードダブルで3万1000円から、1泊10万円を超える高級なものも設けられるという。
関空からのアクセスが良いミナミの中心部にあり、和テイストの外観と相まって、外国人富裕層にとっての「定宿」となることが期待されよう。
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