アパレル大手「ストライプインターナショナル」(本社:岡山県岡山市、以下「ストライプ」)は、子会社のネット通販サイト「ストライプデパートメント」による百貨店向けネット通販「DaaS」(Department EC as a Service)を発表した。
第一段として百貨店「トキハ」(大分県大分市)、「大和」(石川県金沢市)と提携、1号店としてトキハ別府店(大分県別府市)にポップアップショップを2019年9月12日から期間限定で開設した。
トキハ別府店。
「コストがかかる」「商品が入らない」を解決
ストライプインターナショナルは「earth music&ecology」や「アメリカンホリック」などを展開するアパレル大手。
ストライプデパートメントはストライプインターナショナルとソフトバンクが2018年2月に設立した合弁会社で、同名のネット通販サイトを運営する。
地方百貨店はネット通販サイトに対するノウハウがないところも少なくなく、さらに独自のネット通販サイトを運営している場合でも大手と比較して見劣りがすることも多い。
また、近年は百貨店不況により「百貨店向け人気ブランド」自体が地方百貨店に商品を卸さず、より売上が見込める首都圏などの店舗のみに商品を卸しているという現状がある。
そのため、ストライプデパートメントは「DaaS」のシステムを用いて各百貨店ごとにカスタマイズされたネット通販サイトを運営する。
百貨店側のイニシャルコスト、ランニングコストともに0円で、約1000ブランドを取り扱うことが可能。百貨店には登録者数と売り上げに応じた手数料が入る。
ストライプデパートメント・DaaSのシステム。
(ニュースリリースより)
さらに、百貨店の実店舗では通販サイトで販売される一部商品を展示したポップアップショップを開設する。
このポップアップショップでは、サイズやカラーバリエーションなどを豊富に取り揃えている訳ではなく、ネット通販を通じて自分にあった商品を選ぶかたちを採る。
トキハ別府店にポップアップショップ1号店
ストライプデパートメントのポップアップショップ全国1号店は2019年9月12日より「トキハ別府店」の2階連絡通路に開設された。
2階連絡通路には普段は同店で販売されていないクロエやマルニのバッグなどが陳列され、興味深そうに眺める買い物客の姿も見かけられた。今回の開催予定は9月25日までだが、今後も商品を入れ替えた上で展開される予定。
トキハでは期間中に会員登録をすると1000円分のクーポンがプレゼントされるキャンペーンもおこなわれている。
ストライプデパートメント・ポップアップショップ。
また、9月13日から15日までは、ストライプが運営する「hotel koe tokyo」(東京都渋谷区・パルコ隣)においてもストライプデパートメントのポップアップショップが開設されている。
ストライプでは、今後トキハや大和以外の百貨店とも提携をおこなっていく方針を示しており、商品数が限られる地方百貨店においてこうした「実店舗+ネット」の融合が実現するのかどうかが注目される。