愛知県名古屋市千種区のナゴヤドーム横に、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)のディスカウント食品スーパー新業態「食の殿堂ユーストア萱場店」が2020年12月4日午前9時に開店する。
食の殿堂ユーストア萱場店。
東海地方を中心に一大勢力を築いた食品DS「ユーストア」
ユーストアは、1977年に大手流通グループ「ユニー」の小型食品ディスカウント(食品DS)運営会社として設立。設立当初は大規模小売店舗法対策の一環として、法規制対象外の小型店舗(売場面積1,500㎡未満)を特徴としていたが、1980年代には大店法の規制強化もあり方針転換。1990年代からはローコスト経営を維持しつつ店舗規模の拡大(売場面積5,000㎡程度)や非食品部門取扱いの拡大を本格化。アピタ妙興寺店(現・PIAGOプラス)やユニー半田店(現・アピタ)といった系列総合スーパー跡への居抜き出店を行うなど、グループを代表する企業のひとつとなった。
しかし、2008年8月にはユニーに吸収合併される形で経営統合。業績低迷などもあったといい、2009年2月の店舗ブランド再編に伴ってユーストアの屋号は消滅することとなった。
ユニーの高級食品スーパー実験店だった萱場店
食の殿堂ユーストア萱場店の前身となるユニーの高級食品スーパー「ラ・フーズコア萱場店」は2006年12月に開店。建物は地上2階建、売場面積は1,238㎡。開店当初はユニー系不動産会社が所有していたが、2020年現在は自社所有物件となっている。
萱場店は2009年2月の店舗ブランド再編にあわせて「ピアゴ・ラ・フーズコア萱場店」に改称、2018年10月には“食品スーパーとドラッグの融合店舗”をめざした新業態1号店「ピアゴ・ラ・フーズドラッグ萱場店」として業態転換したが、改装のため2020年11月23日午後6時をもって一時閉店していた。
「驚安の殿堂」称するドンキのノウハウ活かす
食の殿堂ユーストア萱場店の直営営業フロアは1階、直営売場面積は1,236㎡。業態転換前と同様にユニーが運営を担う。
「食の殿堂ユーストア」のロゴマーク。
萱場店はコンセプトに「「何でもある」は当たり前。「何かありそう」な期待感のある店舗」を掲げ、食料品の売場面積を従来比1.6倍、アイテム数を従来比約2倍(3万アイテム)に拡大。ユニーが強みとする生鮮4品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)とドンキが強みとするグロサリーを徹底的な競合調査に基づいたディスカウント価格で提供、従来の顧客層(シニア層・主婦層)に加えて幅広い顧客層(ニューファミリー・ビジネスパーソン・単身者など)の取込みをめざすとしている。
なお同店には、最近は店舗看板としては殆ど使われていなかったユニーの「仮名ロゴ」も掲げられる。
新生ユーストアはユニー小型スーパー再生の要となるか?
PPIHグループは2018年2月以降、ユニーの総合スーパー再生の要として約40店舗をダブルネーム店舗「ドン・キホーテUNY」へ順次転換しているが、そのうち約20店舗は旧・ユーストアの大型店が前身であった。
その一方、ダブルネーム店舗転換対象外の小型食品スーパーについては、抜本的改革は行われていなかった。
設立当初の店舗規模で突如復活したユーストアが、PPIHグループとなったユニーを牽引する存在として店舗網を広げることになるのかどうか、今後に注目したい。
食の殿堂ユーストア萱場店
住所:愛知県名古屋市千種区萱場二丁目16番13号
営業時間:午前9時~午後9時
店舗近隣には「イオンモールナゴヤドーム前」も立地する。
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