イオン甲子園店、2017年5月閉店-旧プランタン百貨店・ダイエー甲子園店、競合増加で経営不振に

西宮市甲子園のショッピングセンター「イオン甲子園店」が2017年5月31日に閉店する。
追記:商品売場のみ6月以降も営業継続する。詳しくはこちら。
イオン甲子園店。

元・プランタン百貨店→ダイエー甲子園店

イオン甲子園店は1993年6月にダイエー系百貨店「プランタン甲子園」として開業。1995年にはダイエー直営の総合スーパー「ダイエー甲子園店」に業態転換し、ダイエーがイオンに買収されたのちの2016年3月からは「イオン甲子園店」として営業している。

スーパーらしからぬ造りの店舗だった。

建物は地下2階、地上6階建てで、商業施設面積は約29,000㎡。
プロ野球・阪神タイガースの本拠地で春夏には高校野球も行われる「阪神甲子園球場」の最寄り店舗ということもあり、試合開催日には多くの観戦客で売場が混雑することで知られていた。

タイガース協賛セールが行われる館内。

ダイエー時代末期からの業績不振抜け出せず閉店へ

イオン甲子園店の閉店の一番の要因は、ダイエー時代からの業績不振を脱せなかったことだという。
もともと同店はかつてはダイエーのなかでも全国屈指の売上を誇る旗艦店として知られており、現在も甲子園で試合が開催される際は混雑することで知られているが、2004年には甲子園球場南東側に三井不動産の大型商業施設「ららぽーと甲子園」(売場面積53,000㎡、核店舗:イトーヨーカドー)が、2008年には西宮スタジアム跡地に「阪急西宮ガーデンズ」(売場面積107,000㎡、核店舗:西宮阪急)が開業するなど、周辺では大型店同士での競争が激化。
さらに、近隣の食品スーパーとの競争においても、高級路線の「いかり」や低価格路線の「業務スーパー」(神戸物産)といった店舗と比べると特徴に乏しく、普段使いのスーパーとしての訴求力に課題を抱えていた印象は否めなかった。

施設の今後は三菱地所の手に-マークイズなど運営

イオン甲子園店の閉店に伴い、不動産大手の三菱地所が同施設の信託受益権を取得しており、同社が閉店後の施設の活用方法を決めていくと見られる。
なお、三菱地所は国内各地でショッピングセンター「マークイズ」を運営し、直近ではプロ野球・福岡ソフトバンクホークスの本拠地「福岡ヤフオク!ドーム」に隣接していた商業施設「ホークスタウンモール」跡地での出店を予定している。福岡ドーム隣接地に建設予定のマークイズ。(三菱地所公式サイトより)

福岡ドームと甲子園、奇しくもどちらもプロ野球本拠地球場の隣接地の開発を手がけることになった三菱地所は、「虎党の聖地」をどう作り変えていくのであろうか。

追記:商品売場のみ6月以降も営業継続する。詳しくはこちら。

外部リンク:イオン甲子園店
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