埼玉県川越市の西武新宿線本川越駅前にあるセブン&アイHDの食品スーパー「イトーヨーカドー食品館川越店」が2024年7月29日をもって閉店する。
ヨーカドーの「東京都外本格進出1号店」が前身
イトーヨーカドー食品館川越店の前身となる総合スーパー「イトーヨーカドー川越店」は1967年11月開店。建物は地上4階建で売場面積は4,230㎡、自社所有物件だった。
同社の総合スーパーとしては初の東京都外進出店舗であり、本川越駅前の中心施設として約50年間営業したが、建物の老朽化にともない2016年10月30日をもって閉店。跡地は同社と三井不動産グループによる共同で再開発することとなった。
イトーヨーカドー川越店。
2019年に「食品館」として建替新装開店したが
現在のイトーヨーカドー食品館川越店は2019年11月に開店。建物は地上15階建で営業フロアは1~2階、売場面積は約1,292㎡、延床面積は12,705 ㎡(マンション部分含む)。
同店は「スーパーストア構造改革」の一環として、旧店舗の跡地に建設された三井不動産系新築分譲マンション「パークホームズ川越新富町アドーア」のうち、土地の一部と低層商業フロアを「土地の売却代金と新規建物の持ち分を交換する等価交換方式」により再取得するスキームで建替え再生を試みた店舗であった。
再開発中のイトーヨーカドー食品館川越店。
イトーヨーカドー食品館川越店は建替えにともない売場面積を従来比1/3に縮小した一方、1階を「惣菜やグロサリー商品を中心とした「おかずデリカゾーン」のフロア」、2階を「生鮮品や調味料等を中心とした「小江戸マルシェゾーン」のフロア」として、同店10km圏にある老舗製パン「木村屋總本店」を始めとする地場商品の拡充を打ち出すなど、駅前居住者や観光客の食のニーズに対応可能な店舗として再構築を図った。
イトーヨーカドー食品館川越店。
しかしながら、食品館川越店周辺は「いなげやbloomingbloomy(西武本川越ペペ)」「明治屋ストアー(丸広百貨店)」「YASUNO Foodest(アトレまるひろ)」「ヤオコー(ウニクス川越)」「ベルク」「ロヂャース」といった同業が立ち並ぶ激戦区であり、立地や店舗規模で明確な優位性を示すことが難しい側面があった。
イトーヨーカドーは2024年2月に北海道・北陸・甲信越からの撤退を発表するなど、店舗整理による合理化を進めている最中であり、食品館川越店も建替からわずか4年で閉店することとなった。
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