ロフト名古屋、2023年6月30日閉店-名鉄生活創研ロフト1号店、ナディアパーク大半が空き店舗に

愛知県名古屋市中区栄にある複合商業施設「ナディアパーク」の大型雑貨店「ロフト名古屋」が、2023年6月30日午後8時をもって閉店した。

世界デザイン博を契機に誕生した複合施設

ナディアパークは、1989年の世界デザイン博覧会を発端とする「国際デザインセンター事業」の一環として、1996年11月に「名古屋市立中央高校」跡地を再開発し開業した。建物は地上23階地下4階建・地上12階地下4階建の2棟で延床面積は約91,668㎡。
商業フロア「クレアーレ」を始め、イノベーション拠点や多目的ホール、オフィスなど幅広い分野のテナントが入居する複合施設となっている。

ロフト名古屋。

先行き不透明だったロフト名古屋旗艦店

ロフト名古屋は1996年11月のナディアパーク開業にあわせて開店。営業フロアは1〜6階で売場面積は約7,378㎡。
ロフト名古屋は、名鉄グループ系小売事業会社「名鉄生活創研」(1995年7月設立)と大手百貨店「西武百貨店」(当時/ロフトは1996年8月分社化)の提携によるロフトFC1号店・名古屋1号店であり、名鉄生活創研によるロフト多店舗化の試金石となる大型店であった。
ロフト名古屋は、名古屋最大の売場面積を誇るロフト大型店として、文具雑貨をフルラインで展開するほか、催事イベント(POP-UP)を常時開催。テナントとして、サブカル系雑貨店「ヴィレッジヴァンガード」や100円ショップ「セリア」、たこ焼店「築地銀だこ」など物販・サービス系店舗を導入していた。
一方、2020年2月29日までに主力テナントであった大型書店「ジュンク堂書店」が閉店。書店跡が3年近く空きフロアとなるなど先行き不透明な状態にあった。
名鉄生活創研は、ロフト名古屋を「長きにわたり名古屋最大商圏である栄地区において、多くの地元のお客様と他県からの広域のお客さまに支えられた店舗」と位置づけていたが、2023年4月の閉店正式発表後は売場規模の縮小を段階的に進めていた。

ロフト大型店ならではの豊富なイベントが強みだった。

近隣では雑貨大手の店舗統廃合相次いでいた

ロフト名古屋の周辺では、2021年11月26日に名鉄生活創研の新店舗「栄ロフト」(SAKAENOVA内)が開店。2022年11月3日には競合関係にある大型雑貨店「東急ハンズANNEX店」(セントラルパークアネックス内)が「ハンズ名古屋松坂屋店」(松坂屋名古屋店南館内)として移転新装開店するなど、よりアクセス面に優れた店舗の開店や移転統廃合が相次いでいた。
また、名鉄生活創研は、2022年12月1日に新業態「名鉄商店」を開店するなど、事業多角化を進めており、経営資源を好立地な新店舗や新業態に再配分する狙いがあるとみられる。

ロフト栄が出店するSAKAE NOVA。

ロフト名古屋はナディアパークの6フロアを占める核店舗であり、ロフト閉店後は商業フロアの大半が空きフロアになる予定である。一方、ナディアパークは築年数が比較的浅いため、2021年10月に閉店となった東急ハンズANNEX店跡と同様に、後継テナントの動向が注目される。

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