山口県防府市にあるマックスバリュ西日本(MV西日本/本社:広島市南区)の大型食品スーパー「マックスバリュ新田店」が2022年3月31日午後6時をもって閉店した。
防府市有数の激戦区にあったイオン系商業施設
マックスバリュ新田店は2002年4月に開店。建物は平屋建で売場面積は1,989㎡、駐車場台数は169台。 MV業態としては山口県内3店舗目であった。
MV新田店では近隣に防府市スポーツセンター(キリンレモンスタジアム)など大規模公共施設がある立地特性を活かし、弁当・オードブルの予約サービスや即食商品を訴求。2002年開店のマックスバリュとしては店舗面積が比較的大きく、専門店として周南市に本社を置く第二地方銀行「西京銀行」の中関支店や防府市に本社を置くドラッグストア「ヘイワ薬局」、クリーニング「洗濯館」を併設するなど、地域の商業核としての役割を担った。
マックスバリュ新田店。
その一方、MV新田店の1km圏内には、開店当初から競合関係にあった丸久アルク三田尻店に加えて、山口県道58号防府環状線沿いにスーパーセンタートライアル防府店(2009年3月)と大黒天物産ディオ防府南店(2010年12月)が相次ぎ開店するなど、ディスカウント業態との競争が本格化。MV新田店では競合店との対抗の一環として、直営食品売場リニューアルや2013年9月の100円ショップ「meets.」導入、2018年12月の女性向けフィットネス「カーブス」導入といった策を打ち出したが、2019年4月6日にアルク三田尻店が全面リニューアルを実施、同年4月23日にイズミゆめマート三田尻が開店したこともあり、抜本的な集客力向上には結びつかなかったとみられる。
なお、2020年3月には施設内の西京銀行中関支店が防府市中心部への移転(ブランチインブランチ店舗化)のため閉鎖、支店の後継となる出張所・ATMの設置をせずに更地となった。
跡地活用は未定
マックスバリュ新田店は山口県道58号線と183号線を結ぶ道路沿いという立地にあるが、閉店時点での跡地活用に関しては未定となっている。同店はMV西日本運営店舗としては古く、同店を上回る規模の同業地場大手やディスカウント食品スーパーが近隣に多数あること、専門店棟の解体を行っていることもあり、従来同様の業態での後継店再出店は低いとみられる。