イオン、ビッグ・エーとアコレを2021年3月1日経営統合-2025年度に500店舗体制めざす

大手流通グループ「イオン」(千葉県千葉市)完全子会社のディスカウントストア「ビッグ・エー」(東京都板橋区)は、同じくイオン系のディスカウントストア「アコレ」(千葉県千葉市)と2020年10月21日に吸収分割契約を締結、2021年3月1日に経営統合する方針を2020年10月22日に発表した。

イオン系と旧・ダイエー系の小型ディスカウントを統合

ビッグ・エーは、1979年8月にダイエーグループのディスカウントストアとして設立。同年11月に1号店「ビッグ・エー宮原店」を開業した。
ビッグ・エーは、日本における「ハードディスカウントストア(HDS)」の先駆けとして、生活必需品特化型の商品構成や店舗設備の簡素化による徹底的なローコストオペレーションを特徴としており、親会社とは一線を画す経営を行っていた。
2011年8月には子会社「ビッグ・エー関西」を設立する形で西日本に初進出したが、2017年8月をもって撤退。2019年2月にはダイエーの持株譲渡によりイオンの完全子会社となったが、イオングループ共通PB「トップバリュ」や電子マネー「WAON」の導入は行われていない。
ビッグ・エーの店舗は、2000年代以降年間10店舗ほどのペースで増加傾向にあり、2020年2月時点では首都圏に230店舗を展開している。

ビッグエーの店舗。

アコレは、2008年9月にイオンリテールのディスカウントストア実験店舗「アコレ平和台駅前店」(東京都練馬区) として開業。2013年1月にイオン傘下となったテスコジャパン(当時)からの店舗譲受により店舗網を拡大、2015年3月には「アコレ株式会社」(2014年9月設立、出資比率イオン80%:リテール20%)として分社化することとなった。
同社は分社化当初、「2018年度末に400店舗体制を目指す」という方針を打ち出していたが、2016年をピークに店舗数が減少。2020年4月時点では東京都・千葉県・埼玉県に114店舗を展開している。なお、かつてはマックスバリュ中部が同屋号の店舗を展開していたが2020年時点では全て閉店しており、アコレは全てアコレの運営となっている。

アコレの店舗。

両社は、2018年4月にダイエー出身の三浦弘ビッグ・エー社長がアコレ社長を兼任する体制に移行するなど、経営統合決定以前より積極的な人的交流が行われていた。
また、両社ともに首都圏において売場面積1,000㎡以下の小型ディスカウントストアを展開するなど、店舗規模や出店地域が共通していた。

両社ブランドは当面存続、2025年目処500店舗体制に

今回の経営統合は、ビッグ・エーがアコレを吸収分割により継承する形で行うもの。統合後の店舗数は344店舗、従業員数は2,771名。(2020年8月時点での合算値)
経営統合により、本部機能や商品の仕入調達、物流の統合集約を図るとしているが、店舗ブランドとしての「ビッグ・エー」「アコレ」については当面存続する見込み。サービス内容や商品の統合などについては10月時点では発表されていない。
イオングループは、小型ディスカウントのドミナンス加速により、2025年度を目処に同業態の店舗の500店舗体制を目指すとしている。

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