「ファミリーマート」(東京都豊島区)の傘下となっている九州大手のコンビニンスストア「エブリワン」と「RICマート」、九州内の「ココストア」(旧・ココストアウエスト運営)が、2016年10月1日にエネルギー事業大手の「ミツウロコグループホールディングス」(東京都中央区)に経営譲渡され、2016年末までに店名を「RICストア」(リックストア)、「RICマート」(リックマート)に改称することが都商研の取材で分かった。
エブリワンの店舗。
エブリワン・ココ九州、譲渡で改称-人気のベーカリーも存続
「エブリワン」は1994年に九州最大手スーパーであった「寿屋(ラララグループ)」(熊本市)のコンビニ事業部として創業した。
エブリワンの最大の特徴は店内に本格的なベーカリーと厨房を備えていることで、「出来立て弁当」や「手作りパン」が24時間いつでも買えることにより絶大な支持を集め、1999年にはリョーユーパングループ(大野城市)の「RICマート」(「RICストア」屋号の起源)などと経営統合して規模を拡大するも(RICの屋号は存続)、 寿屋の経営悪化に伴い、2001年にはココストアグループと経営統合していた。
RICマートの店舗。「RICストア」屋号の起源となった。
現存するRICマートは屋号を変えずに営業継続すると考えられる。
ココストアグループとの経営統合後は、ココストアの一部店舗でもインストアベーカリーを導入するなどして、一時期はグループ全体で九州一の店舗数となっていたが、近年は大手コンビニエンスストアの出店攻勢により劣勢となっていた。
2015年12月には、ココストアグループがファミリーマートに買収されたことに伴いファミリーマートの傘下となり、ファミリーマートへの業態転換が進んでいた一方で、一部の店舗はエネルギー事業大手の「ミツウロコグループホールディングス」へと経営譲渡されることが発表されていた。
ココストア九州の店舗。
エブリワンの商品を導入している店舗も多い。
ミツウロコは、これまでエブリワンが特徴としていた「出来立て弁当」や「手作りパン」をブランドの中核の1つに定め、新規加盟店の募集や新業態の開発を進めていく方針で、エブリワンファンにも安堵が広がりそうだ。
「エブリワン」年内に屋号変更-改称のみ、業態など変わらず
都商研の取材によれば、8月26日現在「エブリワン」の屋号で営業する26店舗のうち、熊本県の殆ど・鹿児島県の一部を除いた店舗が2016年10月1日よりミツウロコの運営による新体制に移行、順次「RICストア」に屋号が変更される予定。佐賀県、大分県の一部店舗では、8月末より新屋号の「RICストア」の看板を掲げている。
これらの店舗では、これまでの「エブリワン」とほぼ同様の品揃え・サービスが提供される。
なお、大手新聞社により「エブリワンが8月中に全店閉店する」との報道がなされたが、これは完全な誤報である。
屋号を「RICストア」に改称したエブリワン店舗(大分市)。
(画像提供:つなしまあすかさん)
追記:ポプラと提携へ
追記:10月よりポプラグループの「生活彩家」との提携により、ポプラ・ローソンなどのPB商品導入が開始されている。
ミツウロコに経営譲渡されるエブリワン店舗
(当面「エブリワン」として営業→「RIC」に改称:約20店)
福岡県(3店舗)
- エブリワン高良内(久留米市):当面転換せず、店内製造弁当・パンは継続→11月閉店
- エブリワン吉井(うきは市):RICに転換予定、店内製造弁当・パンは継続(年内閉店予定なし)
- ココストア唐原(福岡市/店内厨房あり):RICに転換予定、店内製造弁当は継続→11月閉店
佐賀県(3店舗)
- エブリワン宿町(鳥栖市):8月27日RICに転換済、店内製造弁当・パンは継続→11月閉店
- エブリワン小城高校(小城市):RICに転換、店内製造弁当・パンは継続(年内閉店予定なし)
- エブリワン白石(白石町):10月目処にRIC転換、店内製造弁当・パンは継続→11月閉店
長崎県(1店舗)
- エブリワン諫早福田町(諫早市):RICに転換、店内製造弁当・パンは継続(年内閉店予定なし)
熊本県(1店舗)
- エブリワン多良木(球磨郡多良木町):RICに転換、店内製造弁当・パンは継続→11月閉店
大分県(6店舗)
- エブリワン大空団地(大分市):RICに転換、店内厨房存続(年内閉店予定なし)
- エブリワン高城(大分市):RICに転換予定、店内厨房存続→11月閉店
- エブリワン下徳丸(大分市):RICに転換済、店内厨房存続(年内閉店予定なし)
- エブリワン荘園(別府市):RICに転換、店内厨房存続、ATM撤去(年内閉店予定なし)
- エブリワン南立石(別府市):RICに転換、店内厨房存続→11月閉店
- エブリワン日出(日出町):9月1日RICに転換、店内厨房存続→11月閉店
宮崎県(1店舗)
- エブリワン富高(日向市):RICに転換、店内厨房存続→11月閉店
鹿児島県(5店舗)
- エブリワン上伊集院駅前(鹿児島市):RICに転換、店内厨房存続→11月閉店
- エブリワン坂ノ上(鹿児島市):RICに転換→11月閉店
- エブリワン垂水(垂水市):RICに転換、店内厨房存続→11月閉店
- エブリワン指宿西方(指宿市):RIC転換、店内厨房存続→11月閉店
- エブリワン西伊敷(鹿児島市):RIC転換、店内厨房存続→11月閉店
8月中に閉店、ファミリーマートに転換するエブリワン店舗
熊本県(7店舗)
- ハローエブリワン浜線バイパス店(熊本市):26日閉店、店内厨房は不明
- エブリワン二本木(熊本市):26日閉店、店内厨房廃止
- エブリワン銭塘(熊本市):28日閉店、店内厨房廃止
- エブリワン松橋久具(宇城市):29日閉店、店内厨房不明
- エブリワン美里(美里町):29日閉店、店内厨房不明
- エブリワン野原(荒尾市):28日閉店、店内厨房廃止
- エブリワン三角(宇城市):26日閉店
鹿児島県(1店舗)
- エブリワン阿久根港町(阿久根市):店内厨房廃止
各店舗への聞き取り調査などによる。 一覧以外に、現在営業中の九州内のココストアの多くがミツウロコに譲渡され、改称される見込み。
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外部リンク:株式会社ミツウロコプロビジョンズ
外部リンク:ココストアリテールについて|株式会社ミツウロコプロビジョンズ
外部リンク:株式会社ココストアリテールと株式会社ファミリーマートの吸収分割契約締結に関するお知らせ