日鉄住金物産傘下の遊心クリエイション(本社:大阪市西区南堀江)が運営する雑貨店「ASOKO(アソコ)」が2月1日、300円ショップの「3COINS」を運営するパル(本社:大阪市中央区北浜)に運営を移管した。
ミナミの「低価格おしゃれ雑貨戦争」の舞台だった
「ASOKO」は2013年3月、南堀江に1号店を出店。
「サプライズをたのしもう」をコンセプトに掲げており、従来の100円均一ショップとは異なり、最低価格21円から最高2万円台までの幅広い価格帯の商品も揃えるのが特徴で、フライングタイガーとともに「低価格おしゃれ雑貨戦争」として取り上げられた。また、当時はミナミへのH&M系列の姉妹アパレルブランド「MONKI」「WEEKDAY」の日本1号店進出も重なったことで、ブランド発信拠点としての「ミナミ」の地位を高める結果となった。
出店戦略で迷走
ASOKOを運営する遊心クリエイションは、主力ブランドであるアパレル事業「YEVS(イーヴス)」の多店舗展開を進めており、「イオン」、「三井ショッピングパーク」、「モラージュ」などショッピングセンターへの出店で店舗網を拡大、「ASOKO」も当初は3年間で50店舗の新規出店を目指しており、2013年9月27日に東京・原宿に路面店を進出して以降、梅田の「NU茶屋町」や神戸ハーバーランドの「Umie」などへ出店をしたが、2014年夏以降出店が停滞していた。
3COINSのノウハウは活かせるか
運営会社である遊心クリエイションの清算と運営店舗の全店閉鎖が一度は発表されたもの、ASOKOに関してはバルが事業を継承することで存続が実現した。
旗艦店「梅田NU茶屋町店」は今年1月31日をもって閉鎖したもの、当初発表されていた全店閉鎖には至らず、南堀江店、原宿店、神戸umie店の3店舗は2月1日付でパルに譲渡された。
パルも遊心と同様に大阪発祥の企業であり、元々は雑貨でなくアパレル(ジーンズショップ)から事業を発展させたという共通点がある。
「3COINS」の姉妹ブランドとなった「ASOKO」であるが、両ブランドとも「リーズナブルな雑貨商品」を提案しており、顧客の重複もみられる。
改めてブランドのコンセプトを明確にしたうえで同質化を避ける必要があろう。
系列アパレル「YEVS」はどうなる?
「YEVS」については2016年1月時点で全国33店舗が営業していたが、1月中に半数を超える店舗を閉鎖、2月1日時点では僅か14店舗のみの営業となっている。
1月末には「公式WEBストア」、「楽天市場」を閉鎖するなど清算に向けた準備がされているとみられる一方、「金沢エムザ店」、「グランフロント大阪店」、「イオンモール和歌山店」、「モラージュ佐賀店」 「イオンモール鹿児島店」の5店舗に関しては詳細な閉店時期は未定であり、大手ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」上での販売も継続していることから、一度は全店閉鎖が発表されたASOKOと同様に、他社への運営譲渡の可能性が残されている。
外部リンク:ASOKO
外部リンク:YU-SHIN CREATION CO.,LTD. | 株式会社遊心クリエイション
外部リンク:YEVS OFFICIAL WEB STORE | イーブスオフィシャルウェブストア
外部リンク:PAL CO.,LTD | 株式会社パル
外部リンク:3COINS | ¥300 SHOP