流通大手「トライアルHD」(福岡市東区)は、不動産大手「東急不動産」(東京都渋谷区)から東急不動産系ゴルフ場運営会社2社を2024年2月1日を目処に買収する方針を2023年8月21日に発表した。
リゾート事業見直し進める東急不と拡大進めるトライアル
東急不動産は1975年11月の「札幌東急ゴルフクラブ」「大分東急ゴルフコース(現大分東急ゴルフクラブ)」開業を機にゴルフ場事業に参入。長野蓼科を始めとする複合リゾート施設の開発により事業規模の拡大を進めた。
同社は2000年代以降も同業ゴルフ場の買収や運営受託を続けていたが、コロナ禍を背景に2022年7月には香港系複合企業「復星集団」「イデラキャピタルマネジメント」にスキーリゾート施設を売却、2023年2月~3月には三井不動産系の同業「リソル」にゴルフ場4施設を売却するなど、事業の再構築を進めている。
一方、トライアルHDは2011年8月の「トライアル長者原温泉郷」(大分県玖珠郡九重町)を皮切りに、自治体所有の研修施設(スコーレ宮若)を取得し「宮若温泉郷」(福岡県宮若市)を開業、西日本新聞グループから子会社のゴルフ場(若宮ゴルフクラブ)を取得し「SUNGOLF&RESORT」(福岡県宮若市)を開業するなど、リゾート事業の強化を持続的に打ち出している。
トライアルはリゾート事業の多角化を進めている。
東急不グループ最古のゴルフ場売却で九州から事業撤退
トライアルHDが東急不動産から取得する施設は、1975年11月開業の「大分東急ゴルフクラブ」(大分市/運営会社:TGR大分)と1976年7月開業の「阿蘇東急ゴルフクラブ」(熊本県阿蘇郡南阿蘇村/運営会社:TGR阿蘇)の2施設。
東急不動産は同社ゴルフ場事業の発祥を大分東急ゴルフクラブと位置づけるなど、50年近い歴史をもつ同施設を重要視していたが、トライアルHDへの売却により、東急不動産のゴルフ場事業は九州から姿を消すこととなる。
トライアルHDの既存リゾート施設同様、
ゴルフ場でも「おいしい食事」が提供されることとなりそうだ。
トライアルHDは、グループの主力事業である「スーパーセンター」と同様に、リゾート事業の全国展開とゴルフ場事業の本格展開をめざしており「リゾート事業においても「おいしい食事」を中心とした運営を行うことでお客様に満足いただける施設を作り上げる」とコメントしている。
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