長崎県長崎市の穴吹興産(あなぶきグループ)系食品スーパー「ママのセンター城山店」が、新業態「ジョイフルサン ジェイズガーデンマルシェ城山店」として2023年8月5日に新装開店した。
長崎の老舗食品スーパーだったママセン
ママのセンターは1921年に米麦販売店として創業。1963年3月に米麦販売を主体とする食品スーパー「辻本商店」として法人化した。
辻本商店は1976年の市場型食品スーパー「本原ママのセンター」開店を皮切りに多店舗化を図り、2005年4月には地場食品スーパー「ファミリーマートスエヨシ」を買収。2013年2月には「ママのセンター(旧ファミリーマートスエヨシ)」を主軸とするグループ再編を実施し、既存店(旧スエヨシ系)の屋号変更や業態転換(ママバリュー・フレッシュママセン)を含むリニューアルを相次ぎ打ち出した。
その後、2019年10月に不動産大手「穴吹興産」への事業譲渡と穴吹興産完全子会社の地場食品スーパー「ジョイフルサンアルファ」への分割承継により、ジョイフルサンとの一体的な事業展開を打ち出すこととなった。
城山のママセン、ジョイフルサンの新業態に
ジェイズガーデンマルシェ城山店は1987年に「辻本商店ママのセンター城山店」として開店。ママのセンター城山店は2019年10月の穴吹興産傘下入りにともないジョイフルサンアルファ運営店舗となったが、ジョイフルサンとママのセンター(旧辻本商店系)の店舗はいずれも至近距離(200m圏内)にあり、2021年5月に閉店した本原店と同様に城山店でも自社競合が生じていた。こうした背景もあり、城山店では2023年7月9日から「オーガニック食品など食の安全を志向する店舗」へのリニューアルを目的に一時閉店していた。
ママのセンター城山店のリニューアル告知。
ジェイズガーデンマルシェ城山店は、コンセプトに「自然の恵みを活かした食品や健康にこだわった食品を安心して選んでいただけるお店」を掲げ、地産地消や有機農法にこだわった食品・グロサリーなど2,000種類以上を展開。惣菜に関しても代替肉(大豆ミート)を用いた弁当を始め、高価格帯中心のラインナップとすることで、至近距離のジョイフルサン城栄店や店舗看板に「ジェイズガーデンマルシェ」を冠するジョイフルサン新大工町ファンスクエア店とも一線を画す新業態となった。
J’s GARDEN Marche城山店。
ジョイフルサンは穴吹興産(あなぶきグループ)傘下となって以来、長崎玉屋の建て替え再開発ビル(新大工町地区第一種市街地再開発事業/新大工町ファンスクエア)への新規出店や老朽店舗の建替リニューアル、無人販売事業の拡大など攻めの戦略を採っており、城山店の有機食品・地産地消食品が既存店に広がりをみせる可能性もあるだろう。
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