さくら野百貨店、北上店を2023年8月に分社化ー建物管理者の子会社化で実質「三セク百貨店」に

青森県と岩手県で百貨店を展開する「さくら野百貨店」(青森市)は「さくら野百貨店北上店」(岩手県北上市)を2023年8月に分社化し、新会社が北上店を経営すると発表した。
新会社の全株式を北上店が入居する「ツインモールプラザ」を管理・運営する第三セクター「北上都心開発」(岩手県北上市)が2023年8月末に買収、子会社化して運営される。

さくら野百貨店北上店・ツインモールプラザ。

さくら野百貨店北上店、開店時は北上ビブレだった

さくら野百貨店北上店はマイカル系の百貨店「ダックビブレ」(仙台市、旧・丸光百貨店、のちのエマルシェ)が運営する百貨店「北上ビブレ」として2000年3月に開店。マイカルの経営破綻を経て2002年に「さくら野百貨店北上店」となった。
現在は「さくら野百貨店」(青森市、旧・カネ長武田百貨店)が運営。2018年には食品売場の一部を「いわて生協」の店舗へと転換している。

さくら野本店。

分社化後も営業継続、雇用も維持

さくら野百貨店は2023年8月に北上店の経営を切り離し、新たに設立する「いわて北上リテールマネジメント」(岩手県北上市)に承継させる。北上店が入居する「ツインモールプラザ」を運営する第三セクター企業「北上都心開発」(筆頭株主は北上市17.5%出資、以下は清水建設6%、小清呉服店5.8%など)が2023年8月末にいわて北上RM社の全株式を買収し、子会社化する。さくら野百貨店といわて北上RM社は商標等ライセンス契約を締結し、2023年9月以降は「ツインモールプラザさくら野百貨店北上店」(仮称)として営業を継続するという。
分社化以降も、品揃えや物産展等のイベントで協力体制を継続するとしている。分社化後も雇用は維持される。

さくら野百貨店北上店。

実質的には「第三セクター百貨店」化

分社化にはコロナ禍や電気料金の高騰など、経営環境の厳しさが背景にあるという。
実質的に「第三セクター企業の運営の百貨店」となり、専門店街との一体運営によって一層の地域密着型百貨店として安定した運営をおこなうことをめざす。

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