三崎ストアー、2022年11月30日までに全店閉店-かつての石川地場大手、クスリのアオキに事業譲渡

石川県金沢市のIRいしかわ鉄道森本駅前に本社を置く食品スーパー「三崎ストアー」が2022年11月30日までに全店閉店する。

かつての石川地場大手スーパー、全店閉店

三崎ストアーは1954年4月に金沢市の国鉄森本駅前で青果店として創業。2022年7月期の売上高は16億5000万円で経常損失は4500万円だった。
最盛期には金沢地盤の地場流通大手として、北陸地方の独立系ショッピングセンターを中心に10店舗ほど展開していたが、2010年4月にラミー店を閉店、同年8月にセリオ店を閉店、2016年5月にベルポート店を閉店、2020年9月にサンパーク店を閉店するなど店舗数が減少傾向にあった。(サンパーク店は2021年1月にクスリのアオキサンパーク辰口店生鮮部門として再出店)
三崎ストアは、2022年11月22日をもってパセオ店を閉店、11月26日をもって森本店を閉店、11月30日をもってモモサカ店を閉店し、食品スーパー事業を廃業する。

生鮮強化進めるクスリのアオキが事業譲受

三崎ストアは全店閉店に先駆け、2022年10月3日に大手ドラッグストア「クスリのアオキHD」と食品スーパー3店舗を対象とした事業譲渡契約を締結、同年12月1日付で事業譲渡を行う。

クスリのアオキ。

クスリのアオキHDは「食品スーパーの持つ新鮮な食材の品揃えとドラッグストアの持つヘルス&ビューティーや日用品の品揃え、また処方箋を取り扱う調剤薬局を組み合わせることで、地域のお客様にとってより一層ご愛顧いただける店舗を作ることができる」「今後、お互いの強みを生かした、さらにお買い物のしやすい店舗への改装計画を策定したうえ、当該改装計画の実施を進めていく予定」とコメントしており、三崎ストアー3店舗のうち一部はクスリのアオキ直営の生鮮取扱店舗に転換するとみられる。

一部店舗は閉鎖の可能性も

クスリのアオキHDは2020年6月のナルックス(本社:石川県金沢市)完全子会社化を皮切りに、同年10月にフクヤ(本社:京都府宮津市)を子会社化、2021年3月にホーマスキリンヤ・フードパワーセンターバリュー(本社:岩手県一関市)を吸収合併、同年5月にサンフラワーマリヤマ(本社:石川県能登市)を吸収合併、2021年6月にスーパーマルモ(本社:茨城県土浦市)のスーパー事業を譲受(ナルックス経由で譲受/旧法人は特別清算)、2022年3月に一二三屋(本社:福島県いわき市)を吸収合併するなど、経営不振に陥った地場食品スーパーを傘下に収め店舗網を急速に拡大している。
買収の結果、クスリのアオキの生鮮4品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)取扱店舗は2022年10月現在66店舗となったが、大型店を中心にクスリのアオキへの転換を行わず閉店となるケースも多く、三崎ストアー3店舗すべてがクスリのアオキとして営業を再開するかは未定となっている。

2021年9月閉店のフクヤ東舞鶴店。
2022年2月にクスリのアオキ東舞鶴店として再開した。

2022年11月30日までに閉店予定の三崎ストアーの店舗
  • 三崎ストアー森本店(石川県金沢市吉原町ホ210/旧マイモール店)
  • 三崎ストアーモモサカ店(石川県金沢市百坂町ニ25)
  • 三崎ストアーパセオ店(石川県金沢市湖陽1-1)
2022年10月3日までに閉店した三崎ストアーの店舗
  • 三崎ストアーセリオ店(石川県金沢市塚崎町ロ33-1)
  • 三崎ストアーベルポート店(石川県金沢市北塚町西480)
  • 三崎ストアーサンパーク店(石川県能美市辰口町505/食品スーパー)
  • 三崎ストアラミー店(富山県小矢部市芹川5298)
その他の店舗
  • 三崎ストアー本部(石川県金沢市弥勒町ロ71/ファミレ森本)
  • 三崎ストアーサンパーク店(石川県能美市辰口町505/クスリのアオキ サンパーク辰口店内)

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