イオン東大阪、2021年3月31日閉店-旧・カルフール、大阪モノレール延伸・新駅建設で解体へ

大阪府東大阪市の近鉄けいはんな線荒本駅近くにあるイオングループ系ショッピングセンター「イオン東大阪」が2021年3月31日をもって閉店する。

東大阪新都心整備の商業核として開業したカルフール

イオン東大阪は、外資系スーパー「カルフール東大阪」として2003年10月24日午前9時に開業。建物は地上4階建、営業フロアは1~2階、敷地面積は約22,500㎡、専門店数は59店舗。カルフールとしては日本国内7店舗目、関西4店舗目、大阪府内3店舗目であった。
開業当初はカルフールの日本法人(カルフール・ジャパン)による運営であったが、2005年3月にイオンがカルフール日本法人の全株式を取得、2010年3月には両社グループ間による業務提携契約が満了したため、現在の施設名称・店舗名称に改称することとなった。その後、同年12月のイオングループ運営会社再編にあわせてイオンリテールによる運営となった。
イオン東大阪。

イオン東大阪が立地する東大阪市の荒本地区では、大阪府と東大阪市が主導する「東大阪新都心整備」の一環として、1986年10月に近鉄東大阪線荒本駅が開業。1996年5月には大阪府立中央図書館が開館、1999年に大阪府営東大阪春宮住宅(1,208戸)が竣工、2003年5月には東大阪市役所が隣接地に移転、行政主導による公共施設や大規模住宅の整備が推し進められてきた。

イオン東大阪のオートスロープ。

東大阪市役所の移転にあわせて2003年10月に開業したカルフールは、東大阪新都心(荒本地区)の商業核としての役割を担っており、地域におけるランドマークの1つとなっていた。

市内随一の専門店街擁するショッピングセンターだった

イオン東大阪の売場面積は20,000㎡。
イオンリテールの総合スーパー「イオン東大阪店(旧・カルフール東大阪ハイパーマルシェ)」を核に、ファッション「COMME CA ISM(コムサイズム)」「Honeys(ハニーズ)」「OUTLET-J(アウトレットJ)」、靴量販店「ABC-MART」、インテリア雑貨店「HAPiNS(ハピンズ)」、文具雑貨店「文具のコンパス」、100円ショップ「ザ・ダイソー」、ファストフード「マクドナルド」「KFC」「ペッパーランチ」、シアトルスタイルのカフェ「スターバックス」、イオングループ系の「未来屋書店 LE MIRAI」「モーリーファンタジー」「マジックミシン」「和ダイニング四六時中」など40の専門店(ショッピングモール)が入居するなど、カルフール時代から市内随一の大型スーパーと専門店街を擁するショッピングセンターとなっていた。

カルフール、府との定期借地契約満了後は“モノレール”に

イオン東大阪の閉店は、土地所有者である大阪府との定期借地契約満了(2002年~2022年)によるもの。建物はカルフール開業にあわせて建設されたため、築年数18年と決して古くはないが、現在の店舗建物は解体となる。
大阪府では2020年4月に大阪モノレール延伸事業が認可、門真市駅~(仮称)瓜生堂駅間では建設工事が進められている。延伸事業の一環として、イオン東大阪跡地では2029年を目処に「大阪モノレール(仮称)荒本駅」が開業する予定。交通の要衝として姿を変えることとなる。

大阪モノレール(伊丹市から撮影、軌道は豊中市)。

“カルフール”惜しむ客であふれる閉店セール

イオン東大阪では、カルフールからの店舗ブランド刷新を機に、直営売場の区画変更やオリジン弁当の導入をともなう大規模リニューアルを行った。
その一方、カルフール開業以来の名物であったローストチキンやピザを販売継続、オートスロープを従来どおり稼働していたこともあり、閉店セール開始後はカルフールを惜しむ客による限定商品の購入やオートスロープに流される大型カートの記念撮影がみられるようになった。

イオンを含む大半のテナントは移転・後継店出店せず

イオン東大阪の閉店決定後、直営総合スーパーや専門店の多くが後継店の出店や近隣への移転などを発表しておらず、2021年2月時点では代替となる商業施設の出店見通しも立っていない。
イオン東大阪の半径1km圏内にはライフ東大阪長田店(フレスポ長田)やライフ菱江店(菱江ショッピングプラザ)といった大型食品スーパーがあるが、これらの店舗は近畿自動車道/阪神高速13号東大阪線東大阪JCTそばという立地特性もあり、特に近隣住民の徒歩での買い物アクセスは決して良好といえるものではない。
イオン東大阪の閉店により、買い物の利便性は大きく低下することとなったため、大阪モノレール新駅開設に合わせた、地域の核となる複合商業施設の出店が期待される。

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