杉並区の方南町駅近くにある大型ホール「普門館」が、老朽化による耐震性不足のために解体されることとなった。所有する仏教系団体「立正佼成会」が3月22日に発表した。
普門館(立正佼成会ウェブサイトより)。
「吹奏楽の聖地」だった大ホール
普門館は1970年に竣工。定員は4,702名。仏教系の宗教法人「立正佼成会」が所有する。
「普門」とは法華経の中に出てくる言葉で、すべての人に門を開くという意味だといい、宗教関連行事以外にも様々なコンサートなどに利用されてきた。
普門館ロビー、宇宙をモチーフとした照明。
(立正佼成会ウェブサイトより)
とくに、全日本吹奏楽コンクールは約40年間に亘って普門館で開催されており、「吹奏楽の聖地」として全国的に有名であった。
普門館大ホール(立正佼成会ウェブサイトより)。
しかし、東日本大震災後の耐震性調査では震度6以上で天井が崩落する恐れがあるとして、大ホールは2012年に使用を中止。現在、館内に教団関連施設などのみが入居している。
なお、全日本吹奏楽コンクールは2012年より名古屋国際会議場で開催されている。
「再建方針」示すも叶わず-深刻化する「ホール不足」
立正佼成会によると、現在閉館に向けて「ありがとう普門館」を実施中。
館内にある立正佼成会の施設も11月までに全て退去し、12月から解体工事が開始される予定だという。
普門館は一時は建替え方針が出されたものの、関連法規等に照らして当該地にホールを建築することは原則的に不可能であるとして解体後は緑地化されることになっており、普門館は48年の歴史に完全に幕を下ろすこととなる。
首都圏では、老朽化や耐震化、東京オリンピック対応などによる「イベント会場不足」が叫ばれているが、またしても長年に亘って親しまれた大型ホールが消滅することとなった。
外部リンク:「普門エリア整備工事」実施へ 12月から着工(立正佼成会・佼成新聞)
外部リンク:普門館大ホールの使用停止について(立正佼成会、2012年)
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