九州大手の地場スーパー「マルキョウ」(福岡県大野城市)は、2016年10月を目途に「丸久」(山口県防府市)、「マルミヤストア」(大分県佐伯市)を傘下に持つ共同持株会社「リテールパートナーズ」と経営統合することを発表した。
マルキョウ雑餉隈本店(福岡市博多区)。
九州大手のスーパー、かつては安売りで知られていた
マルキョウは1964年に福岡市雑餉隈(ざっしょのくま)で創業。現在は福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県に88店舗を展開している(山口県は撤退済み)。福岡証券取引所に上場しており、近年の年商は800億円前後で推移。多くの店舗は食品スーパーだが、一部店舗では衣料品も取扱っている。
マルキョウは元々、福岡都市圏のスーパーにおける「プライスリーダー」であり、かつてはディスカウントスーパー的な存在として広く知られていた。また、1996年には佐賀県大手のスーパー「日祐」を合併するなど、経営規模を拡大していた。
しかし、近年は多くの店舗でスーパーセンターやディスカウントドラッグストアとの競合が激しくなり、特徴が見いだせずに売上も減少傾向にあった。
2013年には西鉄ストアとの提携を発表し、西鉄ストアの親会社である大手私鉄「西日本鉄道」がマルキョウの発行株式の10%を保有している。
小規模な総合スーパーも経営(朝倉市、杷木店)。
近年は、2014年に長年親しまれた福岡市中心部の「柳橋店」(柳橋連合市場内)を閉鎖するなど店舗整理を進めるとともに、2016年4月には新たに”こだわりの生鮮品”を中心とした「まろやかブランド」を導入するなどといった経営努力も行っていた。
リテールパートナーズ、年商2,300億円規模に
リテールパートナーズ(当初は「西日本リテールパートナーズ」)は、2015年7月に「丸久」(山口県防府市)、「マルミヤストア」(大分県佐伯市)が経営統合して生まれた共同持株会社。
傘下の丸久は2014年に「中央フード」(山口県岩国市)を、マルミヤストアは2016年に「オーケー新鮮市場」(大分市)を傘下に収めるなど、両社はM&Aを積極的に行っている。
リテールパートナーズの店舗(マルミヤストア、JR別府駅1階)。
マルキョウは「丸久」、「マルミヤストア」などと同様に、法人格はそのままにリテールパートナーズの傘下となり、今後も「マルキョウ」の屋号のまま営業するとみられる。
今回の買収に伴い、リテールパートナーズ傘下のスーパーマーケットは、九州7県と山口・島根・広島の10県に約260店舗、年商は約2,300億円規模(連結)となる見込みで、リテールパートナーズは全国有数の地方スーパーマーケットグループを形成することになる。
外部リンク:株式会社リテールパートナーズと株式会社マルキョウの株式交換による経営統合に向けた基本合意書締結に関するお知らせ(マルキョウ)
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外部リンク:新鮮市場
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