ベスト電器福岡本店、2026年2月15日午後8時閉店-天神での70年の歴史に幕、閉店式典やタイムカプセル展示も

福岡県福岡市中央区の西鉄天神大牟田線福岡(天神)駅近くにあるヤマダデンキ系家電量販店「ベスト電器福岡本店」「ツクモ福岡店」が2026年2月15日午後8時をもって天神での営業に幕を下ろした。

閉店当日のベスト電器福岡本店。

ベスト電器、バーゲンセンターとして天神で創業

ベスト電器福岡本店は1953年9月設立の倉庫運営会社「九州機材倉庫」が業態転換するかたちで、1956年1月に家電量販店「バーゲンセンター」として現在地で創業した。
創業当初のバーゲンセンターは10坪程度の小型店舗であったが、1968年に大手家電メーカーからの商品供給を背景に現商号「ベスト電器」に変更、地上6階地下1階建で白物/黒物家電から化粧品/美容雑貨、同社が強みとする家具インテリア雑貨や住宅設備一式まで幅広く取扱う都市型家電量販店に転身を図った。

バブル期に建替再開発、ビブレ隣接地に仮店舗

ベスト電器福岡本店は1971年まで増床工事を継続し、地上9階地下1階建で売場面積6,942㎡という九州有数の規模を誇る店舗となった。
一方、度重なる増床工事による店舗構造の複雑化やバブル景気による消費者志向の多様化を背景に、1980年代後半に老舗蕎麦店「みすゞ庵」とともに建替再開発を行う方針を決定。地場大手不動産「ソロンコーポレーション」所有の複合商業施設「MMTマルチマート天神(後の天神ビブレ2/ジュンク堂書店福岡店)」跡に仮店舗として移転することとなった。

ベスト電器福岡本店仮店舗だった「MMTビル」。
(MMTビルは20年6月閉店/現天神ビジネスセンター2期計画棟)。

1994年に「マルチ生活メディア館」に

ベスト電器福岡本店の現在の建物「ベスト電器みすゞ庵共同ビル」は1994年10月に竣工、地上11階建地下2階建で営業フロアは地上10階~地下1階、売場面積7,953㎡。
ベスト電器福岡本店は1994年11月の移転新装開店当初、コンセプトに「マルチ生活メディア館」を掲げ、PC専門業態「COMPUTOWNふくおか」と音楽ソフト業態「LIMB」を含む11フロアを直営展開するなど、家電量販店最大手の旗艦店として九州全域から買物客を呼び込んだ。また、11階12階の多目的情報発信施設「天神ベストホール」に関しても、2011年4月デビューの福岡地場アイドルグループ「LinQ」が活動拠点を置くなど、地域有数のライブ会場として賑わいをみせるようになった。

ベスト電器福岡本店の1階にある「みすゞ庵」。

一方、ベスト電器福岡本店の営業フロアは、2012年12月のヤマダ電機によるベスト電器子会社化や同業他社との競争激化、地階のドラッグストア転換もあり段階的に縮小していくこととなった。2016年12月には高層階にアニメイト系漫画/同人専門店「メロンブックス」や同社系中古買取販売店「らしんばん」を導入、2021年12月にはベストホールを「ベスト電器天神eホール」として全面刷新したが、2025年10月にアニメイト系専門店が近隣移転、同年11月にeホールが閉館、同年12月にみすゞ庵が廃業したため、2026年2月の閉店時点では営業フロアが1階~6階のみとなっていた。

メロンブックス福岡天神店。

閉店にあわせてタイムカプセル開封

ベスト電器福岡本店では2026年1月より「店頭処分品売りつくしセール」を開始。2月には現店舗竣工時に埋めた「タイムカプセル」を開封し、ベスト電器開店当初のチラシや社内報、制服、ベスト電器創業者である北田光男による作品集などを展示した。

ベスト電器「平成6年の竣工時に埋めたタイムカプセル」。


ベスト電器「平成6年の竣工時に埋めたタイムカプセル」。

閉店式典開催、天神での70年の歴史に幕

ベスト電器福岡本店では閉店当日2月15日午後8時、石岡諭志店長をはじめ副店長や白物/黒物売場担当者、ツクモ福岡店長が参加する式典を開催した。

ベスト電器福岡本店石岡諭志店長。

石岡諭志店長は「引続きベスト電器各店舗はもちろん、ヤマダデンキグループとして各地域にお店はございますので店舗へのご愛顧は引続きお願いしたい」「千代にありますアウトレット博多店を新本店としてオープンする予定」とコメントし、午後8時10分にシャッターをおろした。

ベスト電器福岡本店、午後8時10分にシャッターをおろした。

ベスト電器福岡本店とツクモ福岡店は、福岡市中心部から最も近い博多区千代の旧本社ビル「ベスト電器アウトレット博多店」(ゆめタウン博多隣接地)に移転するため、福岡本店移転新装開店時に放映していた「移転・移転・移転」という名物CMが再び見られることになるかも知れない。

大成建設主導で建替再開発めざす

ベスト電器福岡本店の閉店は、ゼネコン「大成建設」への売却にともなうもので、大成建設主導によりホテルやオフィスを核とする複合施設として建替再開発が検討段階にある。
ベスト電器福岡本店周辺一帯は、福岡市による民間再開発促進/規制緩和プロジェクト「天神ビッグバン」の対象街区となっているが、天神ビッグバンの認定期間となる竣工期限(当初予定は2024年12月末/感染症対策理由に2026年12月末に延長)を満たすことは現時点で厳しい状況となっている。

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