名古屋三越オリエンタルビル屋上広場ゲームコーナー、2025年12月18日閉店-国指定登録有形文化財の観覧車擁する老舗屋上遊園地、約70年の歴史に幕

愛知県名古屋市栄の三越伊勢丹系百貨店「名古屋栄三越」にある老舗アミューズメント施設「名古屋三越オリエンタルビル屋上広場ゲームコーナー」が2025年12月18日をもって閉店する。

屋上広場ゲームコーナー閉店のお知らせ。

「名古屋栄三越」創業母体となった「オリエンタルビル」

オリエンタルビルは1952年9月に百貨店ビル建設を目的とした不動産会社として設立。1954年2月に地場老舗呉服店と合弁で百貨店事業会社「オリエンタル中村百貨店」を設立し新創業した。
オリエンタル中村百貨店は、1969年までに現施設(地上8階地下2階建/当時の名称は栄共同ビル)への段階的な増床リニューアルと大手百貨店「三越」との業務提携を実施、1980年10月に百貨店事業会社を「名古屋三越百貨店」に改称したが、創業母体であるオリエンタルビルは地場資本の不動産会社及び名古屋三越の大家として引続き存続することとなった。
オリエンタルビルは1998年10月に名古屋老舗紡績系不動産会社「都築紡績」(2003年11月会社更生法申請/紡績部門は現KBツヅキが承継)より隣接地を取得し、同年11月に百貨店南館ビル建設を目的とした「栄三丁目6番街区市街地再開発組合」を設立。2005年3月開業の三越系専門店館「ラシック」地権者にもなっている。

名古屋栄三越(オリエンタルビル)とラシック。

登録有形文化財の観覧車擁するデパオク、70年の歴史に幕

オリエンタルビル屋上広場ゲームコーナーは1954年5月のオリエンタル中村(現名古屋栄三越)創業にあわせて開業。1956年10月の増床リニューアル(地上7階建)にあわせて同年12月より「観覧車」(2005年7月運転終了/2007年3月国指定登録有形文化財指定)を中心とした現施設として新装開業した。1980年10月の名古屋栄三越への転換後はオリエンタル中村時代のシンボルのひとつであった「カンガルー像」も移設された。

日本最古の観覧車。

同区画はオリエンタルビル管理のもと地元ゲームセンター運営会社が運営していたが、2025年12月4日までに各種筐体を撤去したうえで閉店する方針を発表。計画延期を経て同年12月18日をもって約70年の歴史に幕をおろすこととなった。
オリエンタルビルは2023年7月に名古屋栄三越を核とする高層複合商業施設への建替再開発計画を凍結しており、ゲームコーナー閉店後も登録有形文化財指定を受けた観覧車は当面維持されることとなる。

名古屋三越オリエンタルビル屋上広場ゲームコーナー。

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