AEM(アエマ)、2025年4月15日一部開業-八戸の三春屋百貨店跡、フードコートなど出店

2022年4月に閉店した青森県八戸市の百貨店「三春屋(やまき三春屋)」跡に、インドアテーマパーク(フードコート)「AEM(あえま)」が2025年4月15日11時30分に一部開店した。

改装中だった頃の三春屋(アエマ)。

室町時代に起源を持つ三春屋、2022年に閉店していた

三春屋は、室町時代に創業した福島発祥の呉服店「三春屋呉服店」を前身にもつ衣料品店として1953年3月に法人化。1970年の八戸地場百貨店「丸美屋」買収を機に百貨店となった。同社は百貨店化を機に八戸本店の建替えや系列会社(ヤマニ三春屋)を通した岩手県内への出店など多角化に舵を切ったが、1985年には系列会社の再建支援により親密な関係となった大手スーパー「ダイエー」傘下となった。その後、三春屋は1995年にダイエーの完全子会社に、2005年にはダイエーグループ(のちイオングループ)の小売り企業による運営になった。
2019年11月には不動産・商業コンサルタント「やまき」がイオングループから買収するかたちで、完全子会社「やまき三春屋」による運営に移行した。

やまきが再生に携わったアクア木更津。
(旧木更津そごう・現スパークルシティ木更津)

三春屋の現店舗はダイエー傘下となった1985年11月に開業したもので、建物は地上5階・地下1階建、売場面積は約15,574㎡、延床面積は約25,140㎡。八戸市中心部最大の商業施設(さくら野百貨店八戸店は15,227㎡)で、同時期に開業したファッションビル「ヴィアノヴァ」(1985年9月開業)と1階部分で直結、一体的な商空間を形成していた。

「脱百貨店」めざしたが…新会社、突然閉店・改装に

三春屋は、やまきグループとなった直後の2020年2月から改装開始、同年5月21日にはやまきグループのLSSPによる会員制ラグジュアリーサロン・バーチャルショップ「三春屋Myサロン」を5階に開設する予定であった。
しかし、新型コロナ感染拡大を理由にサロン開設を含むリニューアルを一時凍結。2021年2月には中合出身の山川武氏が社長を退任し、やまき出身の土谷与志晴氏が社長に就任した。

「改装前の売りつくし」を掲げていた三春屋。

これにあわせ、三春屋は新たなコンセプトとして「デジタルハイブリッド百貨店」を掲げ、2021年3月に「近未来の百貨店に生まれ変わるための三春屋全館閉店セール」を開始。同年8月には百貨店フロアの低層集約と専門店の誘致に加えて直営食品売場の廃止と従業員の解雇を打ち出したが、同年9月にはリニューアル再延期(同年秋→2022年3月30日)と直営食品売場の一転存続、解雇の一部撤回(再雇用)を改めて打ち出すなど、朝令暮改といえる営業状況となった。
2022年に入ると、三春屋の縮小に先駆けさくら野百貨店八戸店に移転したテナントもあったため、1階2階4階5階フロアの約半分、3階フロアの全域が閉鎖状態にあるなど、営業フロア・取扱商品数ともに減少傾向にあった。

最終営業日の三春屋。(2022年撮影)

その後も工事に進展はなく、2022年3月4日には突然の完全閉店方針を発表、同年4月10日をもって歴史に幕を下ろした。
その後、やまきなどはインドアテーマパーク「AEM(あえま)」構想を打ち出したものの、テナントが集まらないなどとして開業は複数回に亘って延期されていた。

アエマ、三春屋の1階にフードコートを展開

AEM(あえま)は三春屋の1階を再活用。
ケバブ店、ドッグカフェ、たこ焼き(準備中含む)などといった飲食店が中心で、やまきグループによると11店舗が出店するとしている。また、不定期でステージイベントも実施され、観光客の来店も見込んでいるという。
4月15日現在はフードコート一部店舗のみしか営業しておらず、ウェブサイトでも店舗の内容などは発表されていない。
今後、営業店舗を増やしていきたい考えだとみられる。

AEM

青森県八戸市十三日町13番地
営業時間:店舗による

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