台湾・新竹市の台鐵新竹駅前にある百貨店「遠東そごう新竹店駅前館」(新竹駅前店)が2019年8月31日に閉店する。
遠東そごう新竹店駅前館。
新竹駅前のそごう、20年の歴史に幕
遠東そごう新竹店駅前館は「太平洋そごう新竹店」として新竹駅前にバス会社が建設した「新竹客運商業ビル」に1999年開業。太平洋そごうとしては日本資本による新規出店は最後であった。現在は他の遠東そごうと同様に日本のそごうと資本関係はなく、そごう・西武と提携するフランチャイズ店舗として運営されている。
同店は2017年に太平洋そごうが「遠東そごう」に商号変更したあとも全店で唯一、看板が「遠東そごう」に変更されていなかったため、今後が不安視されていたが、20年の契約満了を以ての閉店となった。
地元紙によると、近年の年商は約12億台湾ドル(約45億円)ほどであったという。
「郊外化」する新竹の商業
台湾では比較的中心市街地の百貨店が元気な都市が多いものの、新竹市内では2013年に新竹駅から2kmほどの場所にあったジャスコと松屋百貨店の跡に遠東そごうが「そごうビッグシティ」(遠東巨城)として営業面積約22万㎡の郊外型百貨店を出店。
それ以降、新竹駅に近い旧来の中心商業地では誠品書店、三越が相次ぎ閉店していた(誠品はビッグシティにも出店。駅前店の跡地には日藥本舗-ニチヤクホンポ-が出店)。
このほか、新竹駅から1kmほどの旧市街地には遠東百貨店(大遠百FE21)が立地する。
地元紙によると、遠東そごうビッグシティの2018年の年商は約116.5億台湾ドル(約430億円)、遠東百貨店・大遠百FE21新竹店の年商は約48億台湾ドルであった。
遠東ビッグシティ(遠東そごう)。撮影:地理人研究所
遠東グループは2018年にビッグシティを8,000㎡ほど増床したほか、2019年現在は新竹市に隣接する竹北市の中山高速道路竹北インターシェンジ近くに10階建ての郊外型ショッピングセンター「竹北新世紀ショッピングセンター」の建設を進めている。
遠東そごう新竹駅前店の閉店・ビッグシティ店への事実上の店舗統合は、新竹エリアの「商業の郊外化」を象徴する出来事となった。
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