大手複合書店の「TSUTAYA」は、「旭屋書店」「東京旭屋書店」を2019年4月1日に子会社化した。
西日本地盤の大手書店として知られていたが
旭屋書店は1946年に産経新聞の初代社長である早嶋喜一氏により大阪市北区梅田で創業。
創業当初より、産経新聞との協力により日本初の文化教室「東京婦人会館」を前身に持つ「産経学園」を設立、旭屋書店との複合業態「旭屋カルチャースクエア」を共同展開するなど、産経新聞との関係が深かった。
かつては西日本地盤の大手書店として、最盛期となる2000年代中盤には国内外40店舗ほどを展開していたが、2013年には米国から全面撤退、2018年までに首都圏・関西圏を除く地方都市から全面撤退するなど店舗網の縮小が続いている。
旭屋書店梅田地下街店。
同社の旗艦店であった「旭屋書店梅田本店」も建替えを理由に2011年12月をもって閉店、のちに2015年春を目処とする再出店計画を白紙化するなど厳しい経営状況であったとされる。
なお、本店最大の特徴であった「鉄道コーナー」は旭屋書店なんばCITY店に移設、本店時代と同様に鉄道専門書、鉄道雑貨の販売や鉄道部品即売会の開催が継続的に行われている。
急速に結び付きを強めた「TSUTAYA」傘下に
旭屋書店は2015年にカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が主導する「Tポイント」を導入して以来、TSUTAYAのFCとして「TSUTAYA BOOK NETWORK」に加盟、文化教室「産経学園」をCCCに売却(その後文化教室業界最大手「カルチャー」に再売却)するなど、TSUTAYAとの関係を急速に強めていた。
旭屋書店の店舗網は2019年現在、国内13店舗海外1店舗と最盛期の半分以下となったが、店舗の大半が集客性の高い百貨店、駅ビル、大規模ショッピングセンターに立地しており、既存店の改装も進めていることから、資本力を持つTSUTAYA傘下となることで店舗整理に歯止めがかかることが期待される。
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