シダックス、カラオケ事業から撤退-カラオケ館に譲渡へ

カラオケ・給食事業大手の「シダックス」(渋谷区)が、長年に亘って主力事業としていたカラオケ事業から撤退し、同業大手の「カラオケ館」を運営する「B&V」(新宿区)にカラオケ子会社の株式の大部分を譲渡することを5月30日に発表した。

「レストランカラオケ」として人気、競合で赤字に

シダックスは1959年に創業、給食事業を発展させるかたちで1993年にカラオケ事業に本格参入、「レストランカラオケ」として全国に展開し人気を集めた。
しかし、近年は「パセラ」などの新たなレストランカラオケチェーンの台頭、また、比較的廉価な持ち込み可能業態である「まねきねこ」「ジャンカラ」などをはじめとした競合大手事業者との競争により業績が悪化、赤字となっていた。2016年には全店舗の約3割を閉店させたほか、旗艦店でありカラオケ店とシダックス本社、イベントホールなどが入居する「シダックスビレッジクラブ」(渋谷区)を閉鎖、その後売却していた。同館跡には現在ニトリが入居している。

営業当時のシダックス本社ビル。現在はニトリ(渋谷区)。

また、シダックスの閉鎖店舗の多くには「まねきねこ」などの競合他社が出店しており、他社にとっては事業拡大の「追い風」となっていた。

カラオケシダックス、「カラオケ館」運営企業に譲渡

シダックスはカラオケ大手「カラオケ館」などを運営するB&V(新宿区)と業務資本提携を締結、6月7日までにカラオケ事業を運営する子会社「シダックス・コミュニティー」の持ち株81%を売却し、同子会社に対する97億円分の債権も譲渡。カラオケ事業からは撤退する。
また、今回の提携により、シダックスがカラオケ館運営店舗への食材供給などをおこなうことも発表している。
今後、シダックスの残存店舗はカラオケ館の傘下の運営となり、長年親しまれた「レストランカラオケ・シダックス」の名称は将来的に消える可能性が高い。

ニュースリリース:資本業務提携締結に伴う 資本業務提携締結に伴う 提携締結に伴う債権譲渡に関するお知らせ
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