ヤオコー川口SKIPシティ店、2024年10月18日開店-NHK川口ラジオ放送所跡地の商業核、渋谷区の放送センター建替計画を契機に

埼玉県川口市のSKIPシティC2街区に、首都圏地場大手食品スーパー系ショッピングセンター「ヤオコー川口SKIPシティ店」が2024年10月18日午前9時に開店した。

2003年度より段階的な整備進む川口のNHK再開発

SKIPシティは、1996年5月に埼玉県が策定した「さいたま新産業拠点整備計画(SKIPシティプロジェクト)」に基づき、2003年11月にA街区が先行開業(まちびらき)した。
SKIPシティは「Saitama Kawaguchi Intelligent Park」の略称を由来としたもので、NHK所有施設「NHK川口ラジオ放送所」跡地周辺一帯を活かした「埼玉県内中小企業の振興」「映像関連産業を核とした次世代産業の導入・集積」をコンセプトとした整備計画となっている。
SKIPシティ内では、NHKの映像資料アーカイブ施設「NHKアーカイブス」を核に、埼玉県の映像産業拠点施設「彩の国ビジュアルプラザ」や川口市の展示施設「川口市立科学館」といった公共施設の整備が順次進んでいるが、他街区の再開発は当初より凍結状態にあった。
その後、2016年8月にNHKが東京都渋谷区の「放送センター建替基本計画」を発表したため、川口市がNHKに対してB街区への恒久施設整備を要請。2019年3月に両者間で「SKIPシティにおける土地交換及び新たなNHK施設の整備に関する基本協定書」を締結し、2020年6月にB街区への「NHK川口施設(仮称)」(2026年度運用開始/地上4階建/敷地面積約22,000㎡/延床面積約30,000㎡)を核とする新施設の整備が決まった。

ヤオコー進出で日常生活にも便利な街に

ヤオコー川口SKIPシティ店は、2022年度に川口市がC街区で公募型プロポーザル「SKIPシティC2街区の賑わい創出に寄与する利活用事業」を実施、2023年5月に川口市とヤオコーが「SKIPシティC2街区利活用事業に関する基本協定」を締結、同年9月に両者間で「SKIPシティC2街区に係る事業用定期借地権設定契約(30年間)」を締結し出店に至ったもので、建物は地上2階建で敷地面積は11,105㎡、ヤオコー直営売場面積は2,352㎡、延床面積は7,079㎡。

ヤオコー川口SKIPシティ店。

ヤオコー川口SKIPシティ店では、ストアコンセプトに「『美味しさ』『安さ』『提案』で川口のお客様に地域一番の『わくわく』を伝えよう!」を掲げ、生鮮では鮮魚アドバイザーによる対面販売(週末中心)や汎用性の高いカットステーキの強化といった取組みを打ち出す。また、デリカではライブ感ある鉄板製造商品「炒めし」や店内手づくり冷惣菜「CREATIVE y’s DELI」、寿司惣菜「すし小町」を展開。グロッサリーにおいても直輸入ワインやナチュラルチーズなど提案型の売場づくりを進める。
このほか、地域社会との共創の取り組みとして、川口市を代表する産業のひとつでもある鋳物を入口サインに、埼玉県産木材をベンチに導入。災害対策用かまどベンチや防災トイレを備えるなど、SKIPシティの商業核としての連携強化を図る。

ヤオコー川口SKIPシティ店の入口サイン。

ヤオコー川口SKIPシティの街区内には、ドラッグストア「スギ薬局」や100円ショップ「ダイソー」に加え、松屋フーズの寿司業態「すし松」や「かわぐちSKIPシティ歯科・矯正歯科」といった専門店が2024年11月下旬から2025年春にかけて順次開店する予定となっている。
川口SKIPシティはA街区とD街区(B-SAT川口衛星管制センター)を除き、長年未活用街区が多数を占めていたが、NHKによる放送センター建替計画が契機となり連鎖的に開発が進展し、2026年度までに全面開業を果たすこととなる見込みだ。

ヤオコー川口SKIPシティ店

住所: 埼玉県川口市上青木4丁目13番78号 
営業時間:午前9時~午後9時45分

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