中堅コンビニ「コミュニティ・ストア」を展開する食品商社「国分グループ本社」傘下の「国分グローサーズチェーン」(東京都中央区)は、全事業を撤退することを2021年5月14日に発表した。
コミュニティ・ストアは2021年11月末までに消滅するとみられる。
コミュニティ・ストア八丁通りいたばし店(武蔵野市)。
「コミュニティストア」親会社は江戸時代創業の商社
コミュニティ・ストアの親会社である国分グループ本社の前身は伊勢商人により1712年に醸造業「大國屋」として創業。明治時代に食品総合商社となり、1915年に「國分商店」と改名した。
「国分グローサーズチェーン」は1978年に国分子会社として創業。中堅コンビニ「コミュニティ・ストア」の経営、加盟店の経営指導、店舗設備機器、商品陳列器具の売買・ 賃貸などを主軸とするボランタリーチェーンの本部であった。
2021年現在の展開地域は東名阪の大都市圏を中心としており、学校内・事業所内店舗(一部は店舗一覧未掲載)なども少なくない。また、ローソンと提携する中堅コンビニエンスストア「スリーエフ」の直営店舗「gooz」(全3店舗)とも提携関係にある。
かつては北海道(一部は「K-nes」に)や九州(一部は「ベスト・マート」に)、四国等にも店舗があった。また、北関東中心に展開する「モンペリ」もかつては「コミュニティ・ストア」に加盟していた。
新型コロナなどにより業績悪化-会社清算へ
国分グループ本社によると、国分グローサーズチェーンは新型コロナウイルスの感染拡大などにより急速に経営環境が悪化。業績の回復が困難であるとして、会社清算を決めたとしている。
国分グローサーズチェーンは、今後は2021年11月末をもってすべての営業活動を終了、2022年4月末で会社清算の結了を予定している。
これに先駆けて、2011年から国分グローサーズチェーンと業務提携し生鮮コンビニ業態「京王ストアエクスプレス with コミュニティ・ストア」を出店していた京王グループは、グループ内の小型店をセブンイレブンに転換することを4月に発表している。
京王ストアエクスプレスwithコミュニティ・ストア1号店。
(東京都調布市/つつじヶ丘駅店)。
個人経営など多くのコミュスト店舗、引継先など未定
現在ボランタリーチェーンに加盟し「コミュニティ・ストア」として運営されている店舗の新たなFC契約先などは、運営する各企業や個人商店の判断にゆだねられるものと思われる。
そのため、当面のあいだ「コミュニティ・ストア」の看板のまま自主営業を継続する店舗や、京王グループのように企業・地域ごとに大手コンビニに加盟する店舗が現れる可能性もあろう。