北上市中心部にある「さくら野百貨店北上店」の1階食品売場が2018年1月3日に閉店し、跡地に「いわて生協」(岩手県滝沢市)の食品スーパーが出店する。
さくら野百貨店北上店。
直営食品売場を「生協」に-日常の来店促す狙いか
さくら野百貨店北上店はマイカル系の百貨店「ダックビブレ」(仙台市、旧・丸光百貨店、のちのエマルシェ)が運営する百貨店「北上ビブレ」として2000年3月に開店。マイカルの経営破綻を経て2002年に「さくら野百貨店北上店」となった。
現在は「さくら野百貨店」(青森市、旧・カネ長武田百貨店)が運営している。
現在の本店は青森市。
1月3日に閉店するのは、1階の直営食品売場のうち銘店売場などを除く2,370㎡。
北上市の郊外にはショッピングセンターが複数出店している一方で、さくら野百貨店北上店の周辺には大型スーパーが1つも出店しておらず、食品売場を百貨店形式からデイリーユース性の高いスーパーマーケットへと転換することで中心市街地の居住者への利便性を図るとともに、日常の来店客を増やしたい考えだと思われる。
いわて生協は現在北上市には出店しておらず、10年ぶりの再出店になるという。
「百貨店へのスーパーマーケット導入」全国で進む
百貨店の食品売場にデイリーユース性の高いスーパーマーケットを導入(スーパーマーケットに転換)する動きは全国で起きており、特に系列スーパーを持つそごう・西武、伊勢丹、近鉄、天満屋、トキハ、山形屋などは一部の店舗でそうした状況が見られる。
一方、系列スーパーを持たない百貨店では、これまで百貨店とライバル関係にあったともいえる系列外の他社スーパーを入居させる例も少なくない。
さくら野百貨店も(かつてはマイカル系であったものの)現在は系列にスーパーマーケットを持っておらず、また先述の通り北上市の中心部には大型スーパーマーケットがないため、今回の「いわて生協」導入に至ったのであろう。
さくら野百貨店は青森市、弘前市、八戸市、北上市に展開しており、その全てが地方都市に立地する。そのため他店舗においてもデイリーユース性の高い同業他社の食品スーパーを導入する可能性もあり、今後が注目される。
外部リンク:さくら野百貨店北上店
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