カインズ、東急ハンズを2022年3月31日付で買収・完全子会社化-ハンズ、新型コロナで経営悪化

ホームセンター大手の「カインズ」(埼玉県本庄市)は、「東急不動産ホールディングス」の完全子会社で、生活雑貨店を展開する「東急ハンズ」(東京都新宿区)を2022年3月31日付で完全子会社化することを発表した。
東急ハンズ池袋店(閉店済)。

東急不動産系の都市型雑貨店・ホームセンターのハンズ

東急ハンズは1976年設立。東急不動産が渋谷の社有地活用策の一環として創業した。
主力の生活雑貨店「東急ハンズ」63店舗のほか、小型店「ハンズビー」20店舗、地方百貨店などとの協業FC店「プラグスマーケット」3店舗を、日本全国・台湾・シンガポールに合わせて86店舗展開するほか、東急ハンズ楽天市場店などECの展開もおこなう。

スーパー「ベイシア」系郊外型ホームセンター・カインズ

カインズは1989年設立。スーパー「ベイシア」や作業着専門店「ワークマン」などが属する「ベイシアグループ」の一員で、日本全国にホームセンターを227店舗展開する。2021年2月期の売上高は4,734億円でホームセンター業界ではトップクラス。
カインズ福岡新宮店。

ハンズ、新型コロナで赤字転落していた

東急ハンズは都心に店舗を多数展開しているが、新型コロナウイルスの感染拡大で客足が減少。2021年3月期の売上高は前の期に比べて35%減少の631億円、71億円の最終赤字であった。
旗艦店の三宮店(神戸市中央区)池袋店(東京都豊島区)を閉店するなど業績改善に努めてきたが、東急不動産傘下では再構築が困難と判断、入札を実施しカインズを選定した。
東急ハンズ三宮店(閉店済)。

親会社の東急不動産ホールディングスが所有する東急ハンズの株式100%をカインズに譲渡する。譲渡は2022年3月31日(予定)に実行され、譲渡額は非公表。「東急ハンズ」の屋号は譲渡後もしばらくは維持されるという。

経営再編続く大手ホームセンター業界

近年ホームセンター業界では再編が続いており、2020年2月には「コーナン商事」(大阪市)が「ドイト」(さいたま市)を買収。2020年11月には「ホームセンタームサシ」を運営する「アークランドサカモト」(新潟県三条市)が「LIXILビバ」(さいたま市、現・ビバホーム)を買収したほか、2020年12月には「ニトリホールディングス」(東京都北区)が「島忠」(さいたま市)を買収した。

ビバホーム。

競争が激化するなか、郊外中心に店舗展開をしているカインズは都心中心に展開する東急ハンズの買収により幅広い立地での出店を可能にする狙いもあるとみられる。

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