山梨県甲府市の中心部・紅梅通りにある再開発ビル「ココリ」(正式名:紅梅地区再開発ビル)の核店舗である「イオン甲府ココリ店」が2020年11月末に閉店する。
ココリ甲府。
再開発ビルの期待の星だったイオン、4年で閉店
ココリは、2010年8月に開店。総事業費約107億円のうち半分を甲府市と山梨県、国がそれぞれ補助金として負担して2010年8月に開業した再開発ビルで、高層階は(タワーマンションライオンズマンション)、中層階は専門学校、下層階は商業施設で構成される。
開店当初のココリは地元の宝石産業をアピールするために「アウトレットジュエリーモール」が核となっており、不振を極めた。そのため、2011年12月には2階を「アニメイト」などが出店する「ホビータウン甲府」に改装することで活性化を図ったが、ホビータウンの来客がビル全体の集客不振を解消するには至らず、ジュエリーモールを核店舗に決めた行政の責任が問われる事態となっていた。
ホビータウン甲府。
そこで「イオンモール」が「イオンモール甲府昭和」の増床に合わせて2014年末にココリのプロパティマネジメント契約を締結。「毎日うれしいがココに」をキャッチフレーズに、2016年までにイオンリテールの運営する食品スーパー「イオン」(2016年7月開店)を核に、酒売場「イオンリカー」、「未来屋書店」といったイオン系テナントや、「築地銀だこ」、「サンマルクカフェ」といった飲食店が誘致され、普段使いしやすい商業施設として生まれ変わったことで以前と比較して多くの地元住民の利用が見られるようになった。
イオンモール甲府。
一方で、近年は2019年8月にイオン系の未来屋書店が、2020年3月に300円ショップが閉店するなど、テナントの撤退が相次いでおり、エントランスである1階にも非物販テナントであるマンションギャラリーや就労継続支援A型事業所が出店するようになっていた。
イオンリテールは撤退の理由を店舗が狭すぎることを挙げている。イオンの店舗面積は僅か871㎡のみしかなく、イオンリテールの店舗としては狭かった。イオンの閉店に併せてイオンリカーも撤退するという。
後継テナントは6月時点では発表されておらず、ココリのテナント撤退に拍車がかかる恐れもある。
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