ベスト電器、台湾から撤退-2017年末で、残る海外店舗は3ヶ国に

大手家電量販店「ベスト電器」と台湾の電子メーカー「憶聲電子」は、台湾でベスト電器を運営する「倍適得電器(ベスト電器)」を清算・解散させることを決め、2017年12月29日までにすべての店舗が閉店となった。
(台灣的日系3C家電通路「倍適得電器」、2017年12月29日結束營業。)

台湾進出29年-近年も出店を続けていたが

ベスト電器は1985年にシンガポールに出店し、海外初進出。 台湾には1989年に進出した。
台湾の現地法人は2009年に台湾の「憶聲電子」(アクショングループ)の資本を導入し、2010年には台湾資本の「真光家電」を買収するなど経営規模を拡大。ここ数年は百貨店やアウトレットモールへの出店をおこなうなど台湾大手の家電量販店として高い知名度があったが、老舗だけに古く狭い店舗も多く、近年は徐々に店舗数を減らしつつあった。

ベスト電器台南旗艦店(憶聲電子ウェブサイトより)。

台湾の地元紙・中央通訊社、経済日報などによると、清算は12月25日に開かれた臨時の董事会で正式決定したもの。近年はEC市場の隆盛で経営が厳しくなっていたという。最終的に営業を継続していた17店舗は、12月29日までに閉鎖となった。

台湾のベスト電器(提供:地理人研究所)。

残る海外店舗は3ヶ国に

かつて全国殆どの都道府県と東南アジアから中東にかけた幅広い地域に店舗展開していたベスト電器であったが、2012年のヤマダ電機傘下入り以降は本州・四国店舗のテックランド化や不採算店舗の整理を推し進めるなどヤマダ主導の経営再建策が採られている。

ベスト電器本店(福岡市)。

海外からは台湾に加えて香港、クウェートなどからもすでに撤退しており、2018年現在のおもな店舗網(FC地区含む)は北海道、岡山県、山口県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県、宮崎県、沖縄県と、シンガポール、インドネシア、マレーシアに縮小することとなった。
(公式サイト基準、この他の東南アジア地域にも一部FC店舗が存続している可能性あり)

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