JR福井駅前「三角地帯」、全面再開発へ-電車通り「トランジットモール化」も検討

JR福井駅西口の中央大通りと駅前電車通りに囲まれた「三角地帯」の再開発計画案がまとまった。

福井駅西口の通称・三角地帯(左)。

福井駅西口、北陸新幹線開通を前に大規模再開発へ

素案は不動産大手「森ビル」(東京都港区)の子会社がまとめたもの。
当初、再開発は三角地帯の一部(ユアーズホテルフクイ周辺)のみで行われる計画であったが、地権者でつくる「中央1丁目4東地区まちづくり協議会」などは、より大規模な再開発をおこなうために2016年10月に再開発検討地域を三角地帯全体へと広げていた。

三角地帯図(GoogleMapより作成)。

現在の三角地帯には「ユアーズホテルフクイ」、「勝木書店本店」などの大型施設があるものの、老朽化した建物が多いほか、2016年にはミスタードーナツが撤退するなど空洞化が進行している。
また、3月24日には福井市を商圏とする北陸最大級のイオンモール「イオンモール新小松」が石川県小松市に開業。福井駅前を取り巻く商環境は大きな転換点を迎えている。

三角地帯には老朽化した建物が多い。
中央の白いビルが再開発の核施設となるユアーズホテル。

ホテル、マンション、コンベンション施設を軸
-「ヒゲ線」エリアのトランジットモール化も検討へ

計画では、中核施設として「ユアーズホテルフクイ」の建替えを軸とする。ホテルは高層部を使い、中層部はオフィスフロアとし、その一部は起業家らを集める「インキュベーションオフィス」とする。このインキュベーションオフィスについては、北陸大手のドラッグストア「ゲンキー」(福井県坂井市)も運営に協力する姿勢を見せている。
また、ホテルに隣接して別棟で、500人規模のホールを備えたコンベンション施設を建設する。さらに、その隣接地には高層マンション棟を建設し、まちなか居住を進めるという。また、3棟ともに下層階は商業施設となり、現在商店街に立地している商店などを出店させる計画だ。
これらの三角地帯の再開発事業について、再開発協議会は2022年の北陸新幹線福井駅開業までにすべてを完成させたいとしている。
また、再開発後は、福井鉄道の駅前支線(ヒゲ線)が走る駅前電車通りを公共交通と歩行者のみが通行できるトランジットモール化し、車道を中央大通りに集約することも検討されている。

駅前電車通りのトランジットモール化も検討される。
右側が再開発される三角地帯。

その一方で、地元紙・福井新聞によると、こうした大規模な再開発には一部の地権者が慎重な姿勢を見せており、計画の詳細が決まるまでにはまだ時間がかかりそうな状況だ。

再開発すすむ福井駅前

福井駅前では2022年の北陸新幹線開業を控えた再開発が各地で進んでおり、2014年には飲食街、商業施設、図書館などを備えた再開発ビル「アオッサ」が、2016年にはタワーマンションと公共施設、商業施設を備えた再開発ビル「ハピリン」が開業したほか、同年には福井鉄道駅前支線(ヒゲ線)が駅ロータリーまで延伸、福井鉄道とえちぜん鉄道の相互直通運転も開始されるなど、公共交通網の整備も進んでいる。

2014年に完成した再開発ビル「AOSSA」。
2022年の北陸新幹線延伸を前に開発が進む。

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