イズミヤ ハーバーランド店、7月15日閉店-核店舗失うハーバーランド

神戸ハーバーランドの大型ショッピングセンター「Umie」の核テナントであった総合スーパー「イズミヤハーバーランド店」が、7月15日午後6時をもって閉店した。
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神戸ハーバーランドUmie。

ハーバーランド唯一の総合スーパーだった

イズミヤハーバーランド店は、2006年11月にショッピングセンター「Ha・Re」(現Umie 北館)の核店舗として、Ha・Reグランドオープン(2007年3月)に先行して開店。売場面積は約10,000㎡で、Ha・Re開業後はハーバーランド地区で唯一の総合スーパーであった。
しかし、2014年にイズミヤが阪急阪神百貨店を運営する「H2Oリテイリング」の傘下になると、収益が見込めないとして閉店されることになった。
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 イズミヤハーバーランド店のエントランス。

大型商業施設の撤退相次ぐハーバーランドの24年

ハーバーランドには、1992年に現在のUmieの前身となるスーパー「ダイエーハーバーランドシティ/Kou’s」、専門店街「モザイク」、百貨店「神戸阪急」がそれぞれ隣接する形で開店。「横浜みなとみらい21」とともに日本のウォーターフロント開発ブームの象徴的事例として注目を集めた。
しかし、同時期に隣接地に進出した百貨店「神戸西武」(現神戸ハーバーセンター)は開業から僅か2年で撤退、大阪ガス・高島屋系の専門店ビル「オーガスタプラザ」(現プロメナ神戸)も閉鎖に追い込まれるなど、早々に地盤沈下に陥った。

1995年の阪神淡路大震災時にはハーバーランド地区は被害が少なかったために一時的に集客力が向上、同年にはアミューズメント施設を核とした新館「モザイクガーデン」(現・アンパンマンこどもミュージアム)も開業したものの、三宮や元町が復興したことに加えて、同時期の大店法の規制緩和に伴い郊外型ショッピングセンターの新設も増え、客足は再び減少。2005年11月30日にはダイエーも撤退した。
一方、ダイエーの撤退後は、ダイエー跡とモザイク、モザイクガーデンを合わせて、三菱倉庫の関連会社が管理・運営する複合商業施設「Ha・Re」としてリニューアルが行われた。
2006年11月22日にはイズミヤが先行開業し、翌2007年3月30日にHa・Reがグランドオープン。ハーバーランドは新たな船出を迎えたかに思えた。
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「Umie」館内。写真の左側がイズミヤ。

しかし、2012年3月には「神戸阪急」が撤退。その煽りを受けて、ハーバーランドの商業3施設を管理していたH2O(阪急阪神)も同地区からの撤退を表明。
2013年からは新たに「イオンモール」が商業3施設の運営主体となり、名称は3施設を合わせて「Umie」に統一されていた。

ユニクロ、ZARAなどUmieの殆どの専門店は営業継続

今回のイズミヤ撤退によって、ハーバーランドは核店舗を失うことになる。
なお、イズミヤの撤退後もUmie内のユニクロ、ZARA、H&Mを始めとする多くの専門店やアンパンマンこどもミュージアムなどは営業を継続する。

イオンモールは市場前にも来夏出店-自社競合避けられず 

現在Umieを運営しているイオンモールは、イズミヤ閉店と同日に「イオンモール神戸南」を着工している。
イオンモール神戸南はハーバーランドから僅か1kmほど南に離れた徒歩圏の中央市場駅前に出店、2017年6月までに開業する予定となっている。
aeonmall_kobeminami_pr_160715_2イオンモール神戸南。(イオンモールHPより)

イズミヤ閉店により、ハーバーランドに立地するスーパーは神戸ハーバーセンター内(旧西武百貨店跡地)の「業務スーパー」のみとなってしまい、ハーバーランド地区は商業機能空洞化の危機に瀕している。

Umieの「当事者」でありながら、自社競合は避けられない中央市場駅前への出店を推し進めるイオンモール。
神戸ウォーターフロントにおける商業事情をコントロールしていると言っても過言ではない同社が、これからどのような判断を下していくのか、注目が集まる。

外部リンク:神戸ハーバーランドUmie
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