ジョイフルサン住吉本店、2016年6月12日閉店-穴吹興産グループ入り、経営再建へ

長崎市北部の長崎電鉄住吉電停そば・JR西浦上駅前にある大型総合スーパー「ジョイフルサン住吉本店」が2016年6月12日に閉店した。
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ジョイフルサン住吉店。

長崎を代表する地場スーパー、再建計画で本店閉鎖

ジョイフルサン住吉本店」の店舗は地上2階、地下1階建てで、売場面積は約4,000㎡。テナントとしてザ・ダイソー、マクドナルドなどが出店している。
ジョイフルサン住吉本店は、アサヒストアとして1960年に長崎電鉄住吉電停前の中園銀座商店街内に開店。その後、1974年にジョイフルサンの前身「アサヒストア」とダイエーの共同出店による「アサヒショッパーズ住吉店」となり、同社の社名変更やダイエーとの提携解除により現在の店舗名となった。
浜んまち商店街の総合スーパー「東美」と並び長崎市を代表する地場スーパーだったが、近年は県外資本の流入や店舗の老朽化もあり、売上は減少傾向だった。また、建物が非常に老朽化しており、耐震性が無いことも閉店の大きな理由だという。

2016年2月、経営再建と突然の穴吹興産グループ入り

経営悪化が深刻化するなかで、ジョイフルサンは2016年2月26日に穴吹興産グループ「あなぶき興産九州」(旧・東峰住宅、福岡市)の傘下に入ることになり、事業再生計画が発表された。
穴吹興産グループは、2007年に九州地場の有力マンションディベロッパーであった東峰住宅を買収、2010年には高齢者向け賃貸住宅事業にも参入するなど、事業の多角化を進めている最中であった。

不動産事業とスーパー事業のシナジー効果で再建を目指す

あなぶき興産九州による事業再生計画では、穴吹興産の不動産・プロパティマネジメント事業と、ジョイフルサンのスーパー事業のシナジー効果を掲げている。
今後は、穴吹興産グループが開発を手掛ける分譲マンションにジョイフルサンが出店することや、閉鎖店舗の跡地を穴吹興産が手掛けるマンションとして活用されることも想定される。

ジョイフルサン道の尾店、清水町店も閉鎖

ジョイフルサンは経営再建に伴い、4月16日にはジョイフルサン清水町店を、5月15日にはジョイフルサン道の尾店を閉鎖するなど、事業再建に向けたリストラを進めている。長崎新聞の報道によると、清水店、道の尾店の跡地にはマンションの建設が検討されているという。なお、道の尾店の高層階には本社が入居していたが、本社は長崎市滑石に移転する。
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ジョイフルサン道の尾店。本社機能がある。

5月10日にはあなぶき興産九州も親会社である穴吹興産(高松市)への吸収が決定しており、今後は穴吹興産の直轄事業として、ジョイフルサンを展開していく見込みとなっている。

空洞化が懸念される中園銀座・住吉商店街

ジョイフルサン本店の近隣には、複合商業施設「イオンチトセピア店」(旧ダイエーチトセピア)や、地場百貨店・佐世保玉屋グループの食品スーパー「マルタマ住吉店」などが営業しているが、ジョイフルサンが出店するサンモール中園銀座商店街・住吉商店街内には他にスーパーマーケットが出店しておらず、テナントのマクドナルド、ダイソーも撤退することから、商店街の空洞化が懸念される。
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サンモール中園銀座商店街。奥にジョイフルサン本店が立地。

外部リンク:ジョイフルサン

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