変わる「天神のショッパーズ」(1)-旧ダイエー、複合オフィス「天神ショッパーズ」として2019年リニューアル

福岡県福岡市の中心・天神で長年親しまれてきた「ダイエーショッパーズ福岡」。
現在「イオンショッパーズ福岡」「ノース天神」などとなっているこの建物が、近い将来大きく変わろうとしている。

旧・ダイエーショッパーズ福岡。

間も無く開業50年を迎えるショッパーズ福岡

ダイエーショッパーズ福岡」は1971年6月に開業。1973年4月に隣接する松屋百貨店部分を建替えるかたちで「マツヤレディス」「ショッパーズ専門店街」として増床した。

ダイエーショッパーズ福岡店。

その後、2005年10月までの32年間、建物は「ダイエーショッパーズ福岡」「ショッパーズ専門店街」「マツヤレディス」の3館体制となっていたが、松屋の経営破綻により2005年10月からはマツヤレディスが「ユニクロ」運営の「ミーナ天神」に、2011年にダイエーがショッパーズ専門店街の運営をやめ、2012年6月に大東建託創業者の資産管理会社「ダイショウ」運営の「ノース天神」となった。
また、ダイエーショッパーズ福岡は、2015年9月にイオン九州に経営譲渡され「イオンショッパーズ福岡」となった。
建物は地上8階、地下2階建てで、3館を合計した売場面積は42,326㎡となっている。

現在のすがた。手前から「ミーナ」「ノース」「イオン」の3館。

ダイエーは九州に球団を持っていたほか、地場大手スーパー「ユニード」を買収したこともあり、福岡県を大きな地盤の1つとしていた。そのため、ダイエー時代は日本を代表する大型スーパーとして知られており、一時は国内スーパー売上首位の座を獲得。メディアに登場する機会も多くあった。

イオンショッパーズ福岡、上層階をオフィスに転換

総合スーパー「イオンショッパーズ福岡店」の売場面積は22,188㎡、延床面積は約33,570㎡。
2018年現在、かつてダイエーグループだった婦人服店「ロベリア」、クレープ専門店「ディッパーダン」、未来屋書店が運営する「アシーネ」、100円ショップ「ダイソー」、大型ホビー専門店「ボークス福岡ショールーム」、カードゲーム専門店「トイコレクター」などの19のテナントが出店する。(ATM含む)

イオンショッパーズ福岡。

今回のリニューアルは、福岡市の大規模都市再開発プロジェクト「天神ビッグバン」の“受け皿”として「イオン九州」と「福岡地所」により進められるもの。
低層階(地下1階~地上4階)は2019年春からイオン九州による「天神ショッパーズ福岡」とし、3階までを主にイオンの売場に、4階を専門店街とする。
また、高層階(5~8階)は福岡地所によるオフィスフロアとして2019年夏から2024年まで運営する計画。オフィスフロアの延床面積は約11,629㎡。

天神ショッパーズ福岡のフロア構成と新ロゴ。

上層階に入居する専門店街は今後は閉店もしくは移転することとなる。
このうち100円ショップ「ダイソー」については商業床に再出店するものとみられる。

天神ビッグバンに向けての「オフィス移転先」に

天神エリアでは福岡市が「天神ビッグバン」と称して高さ制限や容積率の規制緩和規制緩和による民間再開発促進事業を推進しており、福岡地所による「天神ビジネスセンター開発プロジェクト」、西日本鉄道による「福ビル街区建替プロジェクト」、積水ハウスによる大名小学校跡地再開発(ザ・リッツ・カールトンなどが進出)の大型再開発が相次ぎ進行している。
そのため、各ビルの建替え期間中のオフィス不足が懸念されていた。

今回、ショッパーズ福岡の高層階がオフィスに転用されることで、オフィス不足の解消やさらなる再開発の促進が期待される。
なお、ショッパーズ福岡自体も築50年近いため、2024年以降の建替・再開発が検討されているという。

続きの記事はこちら:変わる「天神のショッパーズ」(2)-「ミーナ」「ノース」、福岡スタンダード石油に売却・将来的には再開発検討へ

外部リンク:イオンショッパーズ福岡店公式ホームページ
外部リンク:新たな空間で天神ビッグバンを推進 イオンショッパーズ福岡店、オフィス・商業の複合施設へ
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