カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

北欧トーキョー、2022年2月28日までに全店閉店-小田急HOKUO首都圏撤退、一部はドンクに

小田急電鉄の完全子会社「北欧トーキョー」(本社:神奈川県厚木市)が首都圏で展開するベーカリー「HOKUO」全39店舗が、2022年2月28日までに閉店する。

HOKUO the Garden。(東京都新宿区)

北海道の老舗ベーカリーとの合弁だった北欧

北欧は1979年12月に北海道札幌市で創業。1980年代には合弁による地域子会社を相次ぎ設立するなど、全国各地に「HOKUO」ブランドを冠したベーカリーを展開した。
1990年1月には自社工場と博物館を併設した旗艦店「北欧館本店」を出店、バブル崩壊後も宅配事業の強化といった多角化路線を継続したが、道内経済の冷え込みや競争激化により経営破綻した。2021年12月現在、道内直営店を経営する「北欧STプラン」(札幌市内1店舗)や宅配ベーカリーを展開する「北欧SSプラン」(北海道・東北9事業所)などが残るが、いずれも資本関係の結びつきはない。

東北~北陸甲信越に幅広く展開した「マルシャン北欧」(本社:新潟県長岡市)の店舗。

北欧トーキョーは、1988年12月に北欧と小田急グループの合弁により創業。自社沿線の駅構内や商業施設に限らず、JR東日本や東京メトロ系の施設にも店舗を展開していた。
北海道の北欧との資本提携解消後、2010年5月にはグループの小売会社「小田急商事」(小田急OXなど運営)から「小田急電鉄」の子会社に移行。2014年9月の新本社(新神奈川工場)操業開始後は、カフェ新業態「HOKUO the Garden」の立ち上げや事業エリアの拡大といった積極投資をおこなっていた。
しかし、2019年度に40億円台だった売上はコロナ禍により20億円台に激減。「事業環境の変化もあり全店舗を閉店することになった」という。

10店のみ「DONQ」に-大半の店舗は閉店

小田急電鉄は、北欧の全店閉店発表に合わせて大手ベーカリー「ドンク(DONQ)」(本社:神戸市東灘区)と「業務提携に関する基本協定書」を締結。北欧トーキョーが首都圏で展開する「HOKUO」全39店のうち10店をドンクに譲渡する方針を2021年12月21日に発表した。小田急電鉄とドンクはこの業務提携締結により、飲食関連事業や商業施設内の店舗開発等における連携を図るとしており、これら10店は2022年春ごろ「DONQ」として営業を再開する見込みだ。
その一方、北欧トーキョーの本社工場や譲渡対象外となった29店舗の行く末については、1月時点では発表されていない。

北欧トーキョーの店頭にて12月23日に掲示された事業譲渡告知。

北欧トーキョーは、2021年12月23日に「諸般の事情により最終営業日が変更となる場合がある」と発表しており、ドンクへの譲渡対象店舗を含め、首都圏の「HOKUO」屋号の店舗は2月末まで徐々に姿を消すとみられる。

ドンクへの譲渡対象となった「HUKUO」
  • HOKUO OX経堂店
  • HOKUO 千歳船橋店
  • HOKUO 祖師ヶ谷大蔵店
  • HOKUO 新百合ヶ丘店
  • HOKUO 相模大野店
  • HOKUO 海老名店
  • HOKUO 本厚木ミロード店
  • HOKUO 伊勢原店
  • HOKUO 中央林間店
  • HOKUO 湘南台店

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ソフマップ、じゃんぱらを2021年12月に買収・子会社化-中古PC大手買収でリユース強化

ビックカメラ傘下の大手パソコン店「ソフマップ」(東京都千代田区)は、大手中古パソコン店「じゃんぱら」(東京都千代田区)の全株式を取得し、完全子会社化したことを2021年12月22日に発表した。

ソフマップ秋葉原パソコン総合館(店舗統合で閉店済み)。

ソフマップ、じゃんぱら買収で「リユース」強化

じゃんぱらは1997年にドスパラを運営するサードウェーブ傘下の企業として設立。かつてはドスパラとの複合店舗もあったが、現在はドスパラから独立していた。2021年時点では全国に50店舗と、自社サイトや楽天などにじゃんぱら公式オンラインショップを展開する。

じゃんぱら D-Style秋葉原店。

ソフマップも近年は成長分野である中古品販売事業を拡大しており、今回のじゃんぱら買収に際しては「両社のシナジーを最大限に活かし、リユース市場でのシェア拡大とリユース事業による利益増などを実現する」としている。

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カインズ、東急ハンズを2022年3月31日付で買収・完全子会社化-ハンズ、新型コロナで経営悪化

ホームセンター大手の「カインズ」(埼玉県本庄市)は、「東急不動産ホールディングス」の完全子会社で、生活雑貨店を展開する「東急ハンズ」(東京都新宿区)を2022年3月31日付で完全子会社化することを発表した。
東急ハンズ池袋店(閉店済)。

東急不動産系の都市型雑貨店・ホームセンターのハンズ

東急ハンズは1976年設立。東急不動産が渋谷の社有地活用策の一環として創業した。
主力の生活雑貨店「東急ハンズ」63店舗のほか、小型店「ハンズビー」20店舗、地方百貨店などとの協業FC店「プラグスマーケット」3店舗を、日本全国・台湾・シンガポールに合わせて86店舗展開するほか、東急ハンズ楽天市場店などECの展開もおこなう。

スーパー「ベイシア」系郊外型ホームセンター・カインズ

カインズは1989年設立。スーパー「ベイシア」や作業着専門店「ワークマン」などが属する「ベイシアグループ」の一員で、日本全国にホームセンターを227店舗展開する。2021年2月期の売上高は4,734億円でホームセンター業界ではトップクラス。
カインズ福岡新宮店。

ハンズ、新型コロナで赤字転落していた

東急ハンズは都心に店舗を多数展開しているが、新型コロナウイルスの感染拡大で客足が減少。2021年3月期の売上高は前の期に比べて35%減少の631億円、71億円の最終赤字であった。
旗艦店の三宮店(神戸市中央区)池袋店(東京都豊島区)を閉店するなど業績改善に努めてきたが、東急不動産傘下では再構築が困難と判断、入札を実施しカインズを選定した。
東急ハンズ三宮店(閉店済)。

親会社の東急不動産ホールディングスが所有する東急ハンズの株式100%をカインズに譲渡する。譲渡は2022年3月31日(予定)に実行され、譲渡額は非公表。「東急ハンズ」の屋号は譲渡後もしばらくは維持されるという。

経営再編続く大手ホームセンター業界

近年ホームセンター業界では再編が続いており、2020年2月には「コーナン商事」(大阪市)が「ドイト」(さいたま市)を買収。2020年11月には「ホームセンタームサシ」を運営する「アークランドサカモト」(新潟県三条市)が「LIXILビバ」(さいたま市、現・ビバホーム)を買収したほか、2020年12月には「ニトリホールディングス」(東京都北区)が「島忠」(さいたま市)を買収した。

ビバホーム。

競争が激化するなか、郊外中心に店舗展開をしているカインズは都心中心に展開する東急ハンズの買収により幅広い立地での出店を可能にする狙いもあるとみられる。

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イスミ本店、2021年12月10日営業再開-人吉豪雨で被災、建替え・縮小に

熊本県人吉市の九日町通り商店街にある地場大手スーパー・イスミの本店「イスミ本店」が、2021年12月10日に新店舗となって営業を再開した。

イスミ本店・新店舗(公式サイトより)。

イスミ本店、食品スーパーとなって再開

旧イスミ本店は1977年7月開店、その後に増築。地上3階・地下1階の総合スーパーで店舗面積は3,162㎡であったが、近年は老朽化が進行しており、耐震性不足が発覚。将来が危ぶまれる状況であった。
そうしたなか、2020年7月の人吉豪雨により店舗が浸水。2020年11月よりプレハブで仮営業をおこなうこととなり、建物の建て替えに着手していた。
新たな店舗は食品スーパーで、売場は1階のみ・店舗面積は約900㎡。店内には産直コーナー「ふれあい市」も設けられている。

店内イメージ(公式サイトより)。

規模は縮小されたものの、イスミが中心商店街の核店舗として再出店を果たしたことは地域の復興の大きな支えとなるであろう。

イスミ本店

住所:熊本県人吉市九日町87
営業時間:9:00~19:00

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エスティローダー、日本国内のデザイナーフレグランス展開を2021年8月31日終了ー化粧品ブランド「アラミス」など日本撤退、新型コロナで

化粧品大手「エスティローダーカンパニーズ」(本社:米国ニューヨーク州)の日本法人である「ELCジャパン」(本社:東京都千代田区)は、同社の男性化粧品ブランド「アラミス(aramis)」を始めとするデザイナーフレグランス事業部管轄ブランドの日本における商品展開を2021年8月31日で終了した。

アラミスの店舗。(既に閉店済み。)

「アラミス」の他にもブランドフレグランスも撤退へ

今回展開を終了したブランドは、男性化粧品ブランドの「アラミス(aramis)」と、フレグランスブランドの「トミーヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」「エルメネジルド ゼニア(ERMENEGILDO ZEGNA)」「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ダナキャラン(DONNA KARAN)」「DKNY」の合計6ブランド。

総合男性化粧品ブランドとして有名な「アラミス」

今回終了しらブランドのうち男性化粧品ブランドとして抜群の指名度を持つアラミスは、1964年に世界で初めての総合男性化粧品ブランドとしてアメリカで誕生。

アラミス・ラボシリーズの商品(公式ショップより)。

とくに、ブランド名の起源となった成功する男の香水という別名を持つ「アラミスクラシック(aramis  classic)」や、最新のテクノロジーを取り入れ男性の肌・皮膚を徹底研究して作り上げた総合男性化粧品ブランド「ラボシリーズ(LAB SERIES)」などの商品で知られている。
日本国内では、百貨店のほか、ドラッグストア、ロフトや東急ハンズといった大型雑貨店など幅広いチャネルで展開していた。

店頭に掲示された告知文。

海外でも2023年までに撤退決定、新型コロナが影響か

今回の店舗網縮小の理由について、東京都内の百貨店関係者の話によると「新型コロナの影響によるエスティローダー社の事業見直しの一環によるもの」とのこと。
なお「ラボシリーズ(LAB SERIES)」については、今後も継続展開の方針を示しているが、こちらもオンラインストアと一部の百貨店を除き、2021年8月までに大幅に店舗網を縮小している。
(オンラインのラボシリーズ公式ショップは営業を継続している)
また、同社のデザイナーフレグランス事業部管轄のブランドは、海外市場においても2023年までに撤退・移管することが既に発表しており、好調なラグジュアリーフレグランス事業に注力するものとみられる。
コロナ禍の生活様式の変化のなかでも、男性のジェンダー観の変化により盛況を呈する男性化粧品市場だが、その中でもアラミスは草分け的な存在として高い知名度を誇っていた。
しかし、今回のアラミスの日本撤退は男性化粧品市場のトレンドが「男らしさを引き立てるため」から「清潔感を保つため」への変化を象徴するような出来事にも見える。
ラボシリーズも10月に全面リニューアルを実施しており、今後の同社の戦略に注目が集まる。

現在「ラボシリーズ」を展開している実店舗
(2021年11月時点)
  • 伊勢丹新宿店メンズ館 1階(東京都)
  • 阪急メンズ東京 1階(東京都)
  • 阪急メンズ大阪 B1階(大阪府)

    阪急メンズ東京。

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西友深沢店、2021年12月19日閉店ー西友最後の「ホームセンター」、2022年春食品スーパーとして再開店へ

東京都世田谷区の目黒通り沿い、産業能率大学自由が丘キャンパス向かいにあるホームセンター(DIY専門店)「西友深沢店」が2021年12月19日に閉店、改装工事を経て2022年春に食品スーパーとして再開店する。
西友深沢店。

西友のホームセンター業態「DAIK」として開店した

西友深沢店はマンションの1階に入居。店舗面積は1,829㎡。一般的な西友とは異なり深沢店はホームセンター業態となっており、園芸用品・DIY用品・住居用品などを扱っている。

西友深沢店のフロアガイド。

西友深沢店は元々「DAIK深沢店」として1981年12月10日に開店。「DAIK」は「西友ストアー」(現・西友)が1980年より展開していた都市型ホームセンター業態で、深沢店は「浜田山店」(東京都杉並区)に次ぐDAIKの2号店であった。
深沢店の開店時には当時同じグループであった西武百貨店の力を生かし、「シアーズ・ローバック」(アメリカ)のタオルや「ヘンケルス」(ドイツ)の包丁、「リバティ百貨店」(イギリス)のテーブルクロスなど西武百貨店が提携していた海外ブランドの商品が多く並べられたほか、1匹50万円の熱帯魚やマルチーズ、ペルシャ猫などを扱う高級ペットコーナーも存在した。
西友深沢店」と改称されたのちも引き続きホームセンター業態として運営されていた。

西友のホームセンター業態、消滅へ

西友は1980年から都市型ホームセンター業態「DAIK」として浜田山店、深沢店など3店を出店したが、以降は出店を中止。1998年から「LIVIN光が丘」(練馬区)や「LIVIN錦糸町」(墨田区)「西友荻窪店」(杉並区)「西友吉祥寺店」(武蔵野市)など西友が運営する大型店・総合スーパーの住居用品売場を改装する形で出店を再開したが、近年は店舗が縮小していた。
西友広報部によると「DIY商品を扱う店舗は深沢店のみ」といい、今回の深沢店の閉店で西友のホームセンター事業は幕を閉じることとなる。西友深沢店の閉店のお知らせ。

2022年春に「食品スーパー転換」へ

西友深沢店は2021年12月19日18時をもって閉店し、取扱商品を食料品に変更、食品スーパーに改装・業態転換され2022年春に再開店する予定。深沢店の立地する世田谷区深沢地区は高級住宅地として知られており、西友深沢店の隣には高級スーパーの「紀ノ国屋」が出店している。
西友が食品スーパーとして再開店したのち、付近の住民に支持される品揃えができるか注目される。

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関西スーパー、2021年12月15日にH2O(阪急阪神グループ)入り-最高裁、オーケーによる統合差止を棄却

関西地方の地場大手スーパー「関西スーパーマーケット」(兵庫県伊丹市)は、2021年12月14日の最高裁判所によるオーケーの経営統合(株式交換)差し止めの仮処分に係る許可抗告を棄却する旨の決定を受けて、12月15日に「エイチ・ツー・オーリテイリング」(H2O・阪急阪神グループ)入りした。

2021年12月15日に更新されたH2Oグループのウェブサイト。

関西スーパー、結局「阪急阪神」の軍門に

「関西スーパー」と「エイチ・ツー・オーリテイリング」(阪急阪神)グループとの経営統合計画は、関西スーパーが2021年10月29日に開催した臨時株主総会において賛成割合66.68%(統合に必要な賛成割合は議決権の3分の2以上)という僅差で承認された一方、関西スーパーの買収をめざしていた首都圏の大手スーパー「オーケー」は「票の集計に問題があった」として、経営統合(株式交換)の差し止めを求める仮処分を申し立てていた。

1審の神戸地裁は11月22日に統合の差し止めを命じたものの、2審の大阪高裁では12月7日に統合を認める決定を出していた。

オーケーストア。

12月14日の最高裁の決定により、2審の大阪高裁による統合を認める判断が確定した。
そのため、関西スーパーは株式交換によって12月15日に「エイチ・ツー・オーリテイリング」傘下のスーパー「イズミヤ」、「阪急オアシス」と株式交換を実施。同日に「エイチ・ツー・オーリテイリング」を果たした。

関西スーパー。

統合日となった12月15日には、早くもH2Oのウェブサイトに「関西スーパー」のバナーが登場している。

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ららステーション上海蓮花路、2021年12月20日開業-ららぽーと初の海外駅ビル、10月開業のららぽーと上海金橋と上海2店体制に

中華人民共和国・上海市閔行区の梅龍鎮地下鉄1号線蓮花路駅ビルに、三井不動産の海外初となるららぽーとブランドの駅ビル「三井ショッピングパーク ららステーション上海蓮花路」が、2021年12月20日に開業する。

三井ショッピングパーク ららステーション上海蓮花路。

上海の地下鉄駅ビルに「ららぽーと」出店

「ららステーション上海蓮花路」は地上5階建て、店舗面積は約16,500㎡。地下鉄を運営する上海申通地鉄が建設した駅ビルを三井不動産グループが賃借・運営する形式で、ビル内には1階にバスターミナル、2階に駅改札が設けられている。
1階の核店舗はドイツ系スーパー「ADLI」で、フードホール「station bazaar」とガンダムコラボのローソンも設けられる。
このほか「niko and…」「SEIKO」「合点寿司」など約90店舗に加え、シェアオフィス「DISTRII」も開設される。

10月にはららぽーと上海金橋も開業-ガンダムも設置

上海市内では、「三井ショッピングパーク ららぽーと上海金橋」(上海市浦東新区)も2021年4月28日に1期、10月20日に全面開業している。
こちらは約146,000㎡ (うち商業部分が約129,000㎡、オフィス部分が約17,000㎡)で、「ユニクロ」「ニトリ」「JINS」「SEIKO」「大戸屋」など約180店舗に加え、LDHグループの総合エンタテインメントスクール「EXPG ENTERTAINMENT」も進出。店舗前にはガンダム像も設置されている。

三井ショッピングパーク ららぽーと上海金橋。

三井ショッピングパークららぽーとは、マレーシア・クアラルンプールや台湾・台北市南港区、台中市、高雄市にも進出を発表しており、今後も東アジア戦略が進むものとみられる。

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西友烏山店、2022年1月31日閉店ーマイマートから55年の歴史に一旦幕、2023年秋の再出店めざす

東京都世田谷区の京王線千歳烏山駅近くにある食品スーパー「西友烏山店」が2022年1月31日に閉店し、建物を建て替えしたのち、2023年秋の再開店をめざす。西友烏山店。

「西友」の前身の1つ、「マイマート」として開店した

西友烏山店は地上2階建て、売場面積は981.3㎡。1階では主に生鮮食品と総菜を、2階では加工食品や日用品などを扱っている。店内のフロアガイド。

西友烏山店は元々「マイマート烏山店」として1967年4月に開店。「マイマート」は伊藤忠商事と西武百貨店が出資して1963年に設立した会社で、食品スーパーを13店舗展開していた。マイマートと同じく西武百貨店の子会社で西武線沿線を中心にスーパーを展開していた「西友ストアー」(現・西友)と地盤が被らぬよう、マイマートは中央線より南の地区を地盤としていた。
当初は地盤を住み分けていた両社であったが、西友ストアーが西武線沿線の出店を一段落すると本来マイマートの地盤であった京王線沿線にも出店するようになった。
1967年4月には今回建て替えとなる「マイマート烏山店」と「西友ストアー仙川店」(調布市)が同時に開店、1969年10月には「西友ストアー国領店」(調布市)が開店した。京王線での西友ストアーの知名度が高まったことで、「西友ストアー」と「マイマート」の2つの看板での店舗展開が見直されることになった。
マイマートは1969年に西友ストアーに経営権を譲り、事実上合併した。以後も店名を「マイマート」のまま西友ストアーが運営していたが、両者は1973年に正式に合併した。

解体後に新たな建物を建設、2023年秋に再開店めざす

以後、「西友ストアー」「西友」として運営されていた烏山店であったが、開店から約55年が経過し老朽化が進んでいた。
西友烏山店は2021年1月31日18時をもって閉店、現在の建物を解体する。その後、跡地に新たな建物が建設される予定で、2023年秋に再開店する。建て替え後もスーパーマーケットとして運営される。
なお、引継ぎ店舗は「西友調布店」(東京都調布市)となる。閉店のお知らせ。

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東武百貨店船橋店、2021年12月11日リニューアル開業-生鮮・グロサリー売場「FUNABASHIいちばんち市場」開設

千葉県船橋市のJR・東武鉄道船橋駅に直結する百貨店「東武百貨店船橋店」で進められていた全館リニューアル工事が2021年12月11日に完了し、目玉の1つである地下1階の生鮮食品・グロサリー売場が「FUNABASHIいちばんち市場」として同日にリニューアルオープンした。

東武百貨店船橋店。

船橋市唯一の地域密着型百貨店

東武百貨店船橋店は1977年10月7 日に開業。東武野田線(アーバンパークライン)船橋駅ビルも兼ねる建物は地下2階、地上8階建てで、売場面積は35,876㎡。
地域・沿線のお客さまの『マイストア』になりたい」をコンセプトに、2018年2月の西武船橋店の閉店以降は、船橋市唯一の地域密着型百貨店として営業している。

18年ぶり改装、「いちばんち市場」の由来は魚市場

改装の目玉は地下1階食品売場に「FUNABASHIいちばんち市場」を開設したこと。2003年以来、18年ぶりの改装となった。
「FUNABASHIいちばんち市場」の由来は、かつて船橋駅前にあった民営魚市場と、市街地にあった11の民営青果市場が生鮮食品の流通の拠点となっていたことを踏まえ、現在船橋駅前に店舗を構える同店が、かつての市場のように地域・沿線に暮らす人々の毎日の食卓を豊かに彩る場であり続けたいという思いから名付けたもの。また、売場の位置である「1番地」から「いちば(市場)」や「ちば(千葉)」、「いちばん(ナンバーワン)」などの語呂あわせで「いちばんち」と平仮名で表記したという。

「いちばんち市場」のサイン。

「地域密着」「ワンストップ」「ストレスフリー」掲げる

FUNABASHIいちばんち市場は「地域密着」「ワンストップ」「ストレスフリー」という3つのキーワードを掲げており、コンセプトは「高品質な商品を楽しく買い物できる場所」。

フロア構成。

まず「地域密着」の面では、千葉県や船橋市にゆかりのある商品が強化された。例として、グロサリー専門店「北野エース」では、食品メーカー「セゾンファクトリー」の船橋にんじんドレッシングや、海苔専門店「森傳」の海苔、煎餅専門店「森山清次兵衛」の煎餅などを展開。他にも千葉県関連商品には「We  LOVE千葉」のポップを貼るなど、県産品アピールを前面に出している。

船橋にんじんドレッシング。

他にも、青果専門店「船橋丸あ商店」では、地元船橋産の小松菜やほうれん草、かぶを強化展開し、精肉専門店「スギモト」では、恋する豚研究所の豚肉を展開するなど、生鮮・グロサリー共に充実した品揃えになっている。

船橋産のほうれん草と小松菜。

また、店舗内装には船橋市在住のイラストレーター小倉正巳氏のグラフィックを採用。1階1番地側の階段には同氏のグラフィックによるフォトスポットも登場し、売場に温かい印象を与えていた。

階段に設置されたフォトスポット。

ワンストップ」の面では、今までの青果・精肉・鮮魚・グロサリーに加え、新たに惣菜専門店「いい菜&ゼストプラス」が出店。さらに「北野エース」による酒コーナーの新設、全国銘菓選の移設により、1ヶ所で食料品全般をまとめて購入できる非常に利便性の高い売場が誕生した。

北野エース。

さらに、鮮魚・精肉売場では店舗の入れ替えも実施。鮮度の高い魚介類を全国から取りそろえた鮮魚専門店「魚力」と、千葉県初出店の精肉専門店「スギモト」が12月9日に先行オープン。同店は同社の店舗では関東最大級のスケールで登場した。

お肉の専門店スギモト。

ストレスフリー」の面では、以前は6台だったレジを10台に増強。更に、メイン通路を2400mmから2700mmに拡張し、より多くの顧客が利用しやすい売場に生まれ変わった。
この他にも、スーパーメイトの抗菌・抗ウイルス加工のカートとカゴを百貨店で初導入し、耐久性・防汚性の高いセラミックタイルを採用することにより、より清潔で安心・安全に買い物できる売場にもなっている。

多くの買い物客でごった返した開業初日

グランドオープン初日となった12月11日は、休日ということもあり、10時の開店と同時に老若男女問わず幅広い客が訪れ、歩行が困難になるくらいの混雑ぶりとなった。
とくに鮮魚専門店「魚力」は開店2,3時間後も周辺がごった返した状態が続くほどの人気であった。更に惣菜・菓子などの売場も協賛セールを行っており、こちらも人気を博していた。

人でごった返す売場。

上層階も「地域密着型」へリニューアルが進む

東武百貨店船橋店では、地階以外においても2020年より全館でフロア刷新を進めており、新規オープンしたテナント、リニューアルしたテナントが多数存在している。
ここでは主な改装・リニューアル内容、新規出店店舗などを紹介する。

7階

全国の名店のラーメンが月替わりで食べられる飲食店「諸国ラーメン紀行」が2021年3月にオープン。

6階

書籍「旭屋書店」が5階から移設し、文具売場も新設し2020年11月20日にリニューアルオープン。
これに合わせ、紳士雑貨売場やイージーオーダースーツ売場、アウトドアウェア「エーグル」も2020年9月にリニューアルオープン。更に、旅行用品の「エース」も地階より移設した。

旭屋書店。


紳士雑貨売場。

5階

ファストファッションの「ユニクロ」が2021年3月12日、大型靴店「ABCマート」が2021年4月24日、子供写真館「スタジオマリオ」が2021年7月16日にそれぞれオープンした。
これに合わせ、子供服「メゾピアノ」「メゾピアノJr」「ポンポネットJr」「クレードスコープ」「センスオブワンダー」、茶道具売場、印章「平安堂」、和雑貨「鳩居堂」、メガネ「JINS」も2020年秋にリニューアルオープンした。

イトーヨーカドーより移転したユニクロ。

4階

婦人服・生活雑貨「ローラアシュレイ」が2021年2月13日にオープン。タオル・パジャマ「ファビュラスタイル」が2020年9月17日にオープン。
他にも、地下1階から介護用品の「カインドウェア」、パジャマの「荒川」「ワコールらくらくパートナー」、婦人服の「生き活き倶楽部」が2021年7月に移設。
また、婦人服の「クレッシェント」「詩仙堂」「デシグアル」「銀座花菱」「KBファー」や、ゴルフウェアの「アダバッド」「ピッコーネ」もリニューアルオープンしている。

ローラアシュレイ。

1階

化粧品「アヴェダ」が2021年2月26日にオープン。
他にも、2021年6月24日に化粧品「ファンケル」、ハンドバッグ「マザーハウス」が2021年7月29日に、婦人靴売場や「銀座ヨシノヤ」が2021年春にリニューアルオープン。
また、免税カウンターお買い上げ品一時預かり所遺失物拾得承り所が2021年春に地下1階から移設されている。

売場が2倍になったマザーハウス。

地下1階

ドラッグストア「マツモトキヨシ」が2021年5月30日に、洋菓子の「ベルプラージュ」が2020年9月にそれぞれオープンした。
この他にも、海苔・茶・佃煮売場やカタログギフト売場も2021年春にリニューアルオープンしている。

マツモトキヨシ。

全館の「地域密着」強化で生き残りを図る

東武百貨店船橋店では、今回のリニューアルに先駆けて2017年のビックカメラを導入。それ以来、生活に必要なものがワンストップで購入できる場所をコンセプトにフロア刷新を続けてきた。
今回の改装では、同店の強みの一つである食品部門がさらに強化され、日常的な利便性が大いに向上した。
新型コロナの影響や競合店との競争の中で、今後どれだけ地域・沿線住民の支持を得られる店舗を作ることができるかが同店の生き残るキーワードになるであろう。

「FUNABASHIいちばんち市場」テナント概要
  • 木更津 厚生水産(塩干・魚惣菜)
  • 魚力(鮮魚)
  • 船橋 丸あ商店(青果)
  • 九州屋(青果)
  • 北野エース(グロサリー)
  • 人形町今半(精肉)
  • お肉の専門店スギモト(精肉)
  • いい菜&ゼストプラス(惣菜)
  • 全国銘菓選
東武百貨店船橋店 FUNABASHIいちばんち市場

住所:千葉県船橋市本町7-1-1 地下1階
営業時間:10時~20時(FUNABASHIいちばんち市場)
※営業時間は各階・売場で異なる。

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