カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

ライフ初芝店、2021年1月18日閉店-47年の歴史に一旦幕、現地での建替え再出店めざす

大阪府堺市東区の南海高野線初芝駅前にある総合スーパー「ライフ初芝店」が、2021年1月18日午後6時をもって閉店した。

初芝駅前のシンボル的存在だった「ライフ初芝店」

ライフ初芝店は1973年10月に開店。建物は地上4階建、売場面積は4,431㎡。
初芝店は開店以来長らく、ライフ直営フロアを核にベーカリーや婦人服店、呉服店、宝飾品店、玩具店、カメラ店、ペットショップなど地元資本の専門店が出店するショッピングセンター形態の店舗であったが、2000年代に大半の専門店が撤退。2020年12月の閉店発表時点では、食料品に加えて、生活用品、化粧品、婦人服、紳士服、子供用品、服飾雑貨、ペット用品、書籍売場に至るまで全フロアが直営となっていた。

ライフ初芝店。

現地での建替え再出店検討、工事期間中は近隣に仮店舗も

ライフ初芝店は、堺市東区内有数の規模を誇る大型店であったが、築47年が経過するなど老朽化が顕著なため、現地での建替えが決定。工事期間中の代替店舗(仮店舗)として食品スーパー「ライフ初芝東店」を2021年1月23日に開店することとなった。
新・初芝店の開店時期や店舗規模は、現時点において未定となっているが、地域のシンボル的存在であった旧店舗の顧客を満足させられるような規模、品揃えが期待される。

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イオン東大阪、2021年3月31日閉店-旧・カルフール、大阪モノレール延伸・新駅建設で解体へ

大阪府東大阪市の近鉄けいはんな線荒本駅近くにあるイオングループ系ショッピングセンター「イオン東大阪」が2021年3月31日をもって閉店する。

東大阪新都心整備の商業核として開業したカルフール

イオン東大阪は、外資系スーパー「カルフール東大阪」として2003年10月24日午前9時に開業。建物は地上4階建、営業フロアは1~2階、敷地面積は約22,500㎡、専門店数は59店舗。カルフールとしては日本国内7店舗目、関西4店舗目、大阪府内3店舗目であった。
開業当初はカルフールの日本法人(カルフール・ジャパン)による運営であったが、2005年3月にイオンがカルフール日本法人の全株式を取得、2010年3月には両社グループ間による業務提携契約が満了したため、現在の施設名称・店舗名称に改称することとなった。その後、同年12月のイオングループ運営会社再編にあわせてイオンリテールによる運営となった。
イオン東大阪。

イオン東大阪が立地する東大阪市の荒本地区では、大阪府と東大阪市が主導する「東大阪新都心整備」の一環として、1986年10月に近鉄東大阪線荒本駅が開業。1996年5月には大阪府立中央図書館が開館、1999年に大阪府営東大阪春宮住宅(1,208戸)が竣工、2003年5月には東大阪市役所が隣接地に移転、行政主導による公共施設や大規模住宅の整備が推し進められてきた。

イオン東大阪のオートスロープ。

東大阪市役所の移転にあわせて2003年10月に開業したカルフールは、東大阪新都心(荒本地区)の商業核としての役割を担っており、地域におけるランドマークの1つとなっていた。

市内随一の専門店街擁するショッピングセンターだった

イオン東大阪の売場面積は20,000㎡。
イオンリテールの総合スーパー「イオン東大阪店(旧・カルフール東大阪ハイパーマルシェ)」を核に、ファッション「COMME CA ISM(コムサイズム)」「Honeys(ハニーズ)」「OUTLET-J(アウトレットJ)」、靴量販店「ABC-MART」、インテリア雑貨店「HAPiNS(ハピンズ)」、文具雑貨店「文具のコンパス」、100円ショップ「ザ・ダイソー」、ファストフード「マクドナルド」「KFC」「ペッパーランチ」、シアトルスタイルのカフェ「スターバックス」、イオングループ系の「未来屋書店 LE MIRAI」「モーリーファンタジー」「マジックミシン」「和ダイニング四六時中」など40の専門店(ショッピングモール)が入居するなど、カルフール時代から市内随一の大型スーパーと専門店街を擁するショッピングセンターとなっていた。

カルフール、府との定期借地契約満了後は“モノレール”に

イオン東大阪の閉店は、土地所有者である大阪府との定期借地契約満了(2002年~2022年)によるもの。建物はカルフール開業にあわせて建設されたため、築年数18年と決して古くはないが、現在の店舗建物は解体となる。
大阪府では2020年4月に大阪モノレール延伸事業が認可、門真市駅~(仮称)瓜生堂駅間では建設工事が進められている。延伸事業の一環として、イオン東大阪跡地では2029年を目処に「大阪モノレール(仮称)荒本駅」が開業する予定。交通の要衝として姿を変えることとなる。

大阪モノレール(伊丹市から撮影、軌道は豊中市)。

“カルフール”惜しむ客であふれる閉店セール

イオン東大阪では、カルフールからの店舗ブランド刷新を機に、直営売場の区画変更やオリジン弁当の導入をともなう大規模リニューアルを行った。
その一方、カルフール開業以来の名物であったローストチキンやピザを販売継続、オートスロープを従来どおり稼働していたこともあり、閉店セール開始後はカルフールを惜しむ客による限定商品の購入やオートスロープに流される大型カートの記念撮影がみられるようになった。

イオンを含む大半のテナントは移転・後継店出店せず

イオン東大阪の閉店決定後、直営総合スーパーや専門店の多くが後継店の出店や近隣への移転などを発表しておらず、2021年2月時点では代替となる商業施設の出店見通しも立っていない。
イオン東大阪の半径1km圏内にはライフ東大阪長田店(フレスポ長田)やライフ菱江店(菱江ショッピングプラザ)といった大型食品スーパーがあるが、これらの店舗は近畿自動車道/阪神高速13号東大阪線東大阪JCTそばという立地特性もあり、特に近隣住民の徒歩での買い物アクセスは決して良好といえるものではない。
イオン東大阪の閉店により、買い物の利便性は大きく低下することとなったため、大阪モノレール新駅開設に合わせた、地域の核となる複合商業施設の出店が期待される。

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スタジオコースト、2021年1月13日から「USEN STUDIO COAST」に-新木場駅前、USENグループのライブホール

東京都江東区の新木場駅前にある大型イベントホール(ライブホール)「STUDIO COAST(スタジオコースト)」が、2021年1月13日に「USEN STUDIO COAST」に名称を変更した。

USEN STUDIO COAST。

USENグループのスタジオコースト、名称にも「USEN」

スタジオコーストは2002年12月に開業。最大収容人数は約2,400人、年間観客動員数は約45万人。
USENグループ企業の「マザーエンターテイメント」が管理・運営をおこなっている。
運営会社のマザーエンターテイメントが主催するクラブイベント「ageHa」、多くのアイドルが出演する「アイドル甲子園」など様々な大型イベントが定期的に開催されるほか、ゲーム「アイドルマスター ミリオンライブ!/シアターデイズ」などに登場する「765プロ ライブシアター」のモデルにもなっている。

ネーミングライツを取得したUSEN-NEXT HDは「新たにUSENという冠をつけることで、これまで以上に本施設の魅力を向上させるとともに、より一層、音楽業界の活性化を目指してまいります」としている。

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イトーヨーカドー小山店、2021年2月23日閉店-栃木県のヨーカドー、宇都宮店のみに

栃木県小山市のJR小山駅東口にあるショッピングセンター(総合スーパー)「イトーヨーカドー小山店」が、2021年2月23日に閉店する。

イトーヨーカドー小山店(公式サイトより)。

築41年の老舗だったイトーヨーカドー

イトーヨーカドー小山店は国鉄小山駅の鉄道用地跡に1980年1月開業。小山駅東口は1969年に設置されたものであり、出店当時は新幹線開通に向けての開発途上であった。建物は田名網本社が所有する。
店舗面積は11,985㎡で、テナントとしてキャンドゥ、和真メガネ、ポッポなどが出店する。同店の閉店により、栃木県のイトーヨーカドーは宇都宮店のみとなる。
(なお、小山市内にはヨークベニマルが複数出店している)

跡地の活用方法は未定

イトーヨーカドー小山店は築41年が経過し、老朽化が進んでいるため解体される可能性も高いと思われる。駅前一等地だけにその行方が注目されるが、今後の活用方法については2021年1月時点は発表されていない。
イトーヨーカドー小山店では、1月13日より閉店セールが開催されている。

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イトーヨーカドー伊勢崎店、2021年2月21日閉店-ヨーカドー、群馬県から完全撤退

群馬県伊勢崎市にあるショッピングセンター(総合スーパー)「イトーヨーカドー伊勢崎店」が、2021年2月21日に閉店する。

イトーヨーカドー伊勢崎店(公式サイトより)。

イトーヨーカドー群馬県最後の店舗だった

イトーヨーカドー伊勢崎店は関東整染の工場跡に建設された「伊勢崎佐波ショッピングセンター」に1995年3月開業。関東整染は現在繊維大手「ソトー」に合併しており、建物は同社子会社が所有する。
店舗面積は11,802㎡で、テナントとしてキャンドゥ、サンテオレ、JTBなどが出店する。イトーヨーカドーはかつて群馬県各地に出店していたが、同店の閉店により完全撤退となる。
(なお、群馬県にはヨークベニマルも出店していない)

跡地の活用方法は未定

伊勢崎佐波ショッピングセンターの建物は築26年と比較的新しいため再活用されるとみられるが、競合が激しい地区であるためか、今後の活用方法については2021年1月時点は発表されていない。
イトーヨーカドー伊勢崎店では、1月13日より閉店セールが開催されている。

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ドン・キホーテ稲毛長沼店、2021年1月11日閉店-同居するパチンコ店・ピーアーク長沼も閉店

千葉県千葉市稲毛区の国道16号線(東京環状道路)沿いにある
パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)系ディスカウントストア「ドン・キホーテ稲毛長沼店」が2021年1月11日をもって閉店した。

ドン・キホーテ稲毛長沼店。

パチンコ店「ピーアーク」との共同出店だった

ドン・キホーテ稲毛長沼店は2006年10月に開店。建物は地上2階建、営業フロアは1階、店舗面積は987.3㎡。ドンキとしては千葉県内12店舗目であった。
稲毛長沼店では食品や日用雑貨品といった生活必需品に加え、ドンキが強みとする海外ブランド品や健康器具など趣味嗜好品を拡充。首都圏地盤のパチンコ店「ピーアーク」との共同店舗として、アミューズメント性を前面に打ち出した売場を展開していた。

商業激戦区の稲毛長沼、ドンキ跡地は未定

ドン・キホーテ稲毛長沼店の近隣では、2019年6月に「ワンズモール」が新たな核店舗としてロピアを導入、2020年7月には「トライアル長沼店」が同社関東初となるスマートストアに転換するなどリニューアルが相次いでいた。
ドンキ稲毛長沼店は、こうした近隣施設と主要顧客層や取扱商品で差別化を図っていたが、同社千葉県内店舗としてはドンキ君津店(ピカソから転換)、ピカソ南行徳駅前店に匹敵する著しく狭小な売場面積しかなく、ロードサイド型店舗としての競争力に課題があった。
同店の共同出店相手であったピーアーク長沼店はドンキに先駆けて2020年12月20日をもって営業終了。ドンキ閉店後、建物は空き店舗となる。
2021年1月現在、跡地への新たなテナントの出店は未定となっている。

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スターバックスコーヒー、2021年1月6日から全国で交通系電子マネー導入

日本国内最大手のカフェチェーン「スターバックス コーヒー ジャパン」(東京都品川区)は、2021年1月6日に国内のスターバックスコーヒー店舗で交通系電子マネーを導入した。

スターバックスの店舗(高輪ゲートウェイ駅)。

スタバ、交通系電子マネー導入

今回導入された交通系の電子マネー(ICカードなど)は「Kitaca」、「Suica」、「PASMO」、「TOICA」、「manaca(マナカ)」、「ICOCA」、「SUGOCA」、「nimoca」、「はやかけん」の9種類(「PiTaPa」は除く)。利用可能店舗は国内約1600店のうちほぼ全店舗になるとみられる。
スターバックスは「店舗での決済がさらに簡単で便利になり、また接触機会を低減したいニーズが高まる中、安心してお支払いいただける手段として選択肢が広がる」としている。

6月30日まで導入記念キャンペーン実施

スタバでは交通系電子マネーの導入にあわせて、1月13日から6月30日まで「あなたの一杯を、キャッシュレスで。スターバックス×交通系電子マネーキャンペーン」が実施される。
期間中、交通系電子マネーを使って「ドリップ コーヒー」または「カフェ ミスト」を購入すると、2杯目を割引価格で購入できる特別なレシートをプレゼント。レシートを同日の営業終了までに店舗に持っていくと、2杯目の「ドリップ コーヒー」を通常150円(税抜)のところ100円で、または「カフェ ミスト」を通常200円のところ150円で購入できる。

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JR折尾駅新駅舎、2021年1月2日開業-大正時代の旧駅舎外観を復元、改札口は1ヶ所に

福岡県北九州市八幡西区にあるJR折尾駅木造駅舎外観を復元した新駅舎が2021年1月2日に開業し、合わせて複数あった改札口が1ヶ所に集約された。

日本最古の立体交差だった折尾駅

折尾駅は1891年に開業。1895年に鹿児島本線(当時は九州鉄道)と筑豊本線(当時は筑豊鉄道)が立体交差する現在のかたちとなり、「日本最古の立体交差駅」としても知られていた。
2000年代まで1916年に東口に建設された大型の洋風木造駅舎や一部のホーム上屋など多くの駅設備が戦前に設置された当時のままで、地域のシンボル的存在として永年に亘って親しまれてきた。
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かつての折尾駅(模型)。

しかし、線路で市街地が分断されているうえに改札外乗り換えがあるなど複雑な構造でバリアフリー化が進んでいなかったほか、2000年の西鉄北九州線の廃線、さらに駅周辺地区の空き店舗増加もあり、2005年に北九州市の折尾地区総合整備事業に基づいた再整備計画を発表。旧駅舎は2012年に解体された。
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再整備着工のころの東口。このあと木造駅舎は解体された。


東口にあった西鉄北九州線の折尾電停。2000年廃止。

2012年には高架化事業の着工がおこなわれ、2017年から順次開業。2022年度中に連続立体交差事業のすべてが完成する予定となっている。
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高架化完成時の概略図(北九州市ウェブサイトより)。

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2017年に完成した鹿児島本線の高架新ホーム。
エレベータも新設された。

旧北口の新駅舎完成、旧駅の部材活用-改札も集約

新たに建てられた駅舎は旧・北口に位置する。
外観は旧駅舎が完成した1916年当時を再現したもの。外装は復元されたものの、木造ではなく鉄骨造りとなり、2階部分には入ることができない。
また、3ヶ所あった改札口は高架下の1ヶ所に集約されている。 

北口に完成したJR折尾駅の復元駅舎。


1ヶ所に集約された改札口。

新駅舎の装飾金具や待合室にあった化粧柱2本とベンチなどには旧駅舎の部材の一部を再活用。
さらに、構内にはかつての立体交差の線路跡の案内とレールの展示もなされているほか、うどん店「東筑軒」も復活する。

構内の線はレールがあった位置。
中央部の四角内にはレールが展示されている。

なお、新駅舎の供用開始に合わせて、鹿児島本線の線路付け替え・ホーム移動も行われているため、乗車の際は注意が必要だ。

折尾駅位置図(北九州市ウェブサイトより)。

駅周辺では連続立体交差事業の工事が続いており、2022年度中の全面完成を目指すが、南口広場の完成は2024年度を予定するなど、駅周辺地域の整備事業はその後も続くことになる。
連続立体交差事業の全面完成時には4面7線の新ホームが全て同一フロアに並び、立体交差時代と比べて乗り換えが非常に便利なものとなる。
(新駅撮影:はるか)

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KOHYO奈良新大宮店、2021年1月10日閉店-奈良そごう跡「ミナーラ」の核店舗・光洋、新たなスーパーを導入へ

奈良県奈良市の長屋王屋敷跡地にある「奈良そごう」「イトーヨーカドー奈良店」跡に2018年4月に開業した複合商業施設「MINARA」(ミ・ナーラ)の核店舗であるスーパーマーケット「光洋(KOHYO)奈良新大宮店」が、2021年1月10日に閉店する。

ミ・ナーラ。

何をやっても続かない「長屋王屋敷跡」、光洋も閉店

ミ・ナーラの建物は当初、郊外型百貨店「奈良そごう」として1989年10月2日に開業。長屋王(684~729年)の邸宅跡地への出店であった。
奈良そごうはそごうの民事再生法申請に伴い2000年12月31日に閉店。その後、2年半の空き店舗を経て開業した「イトーヨーカドー奈良店」も経営不振のため、2017年9月10日をもって閉店していた。

イトーヨーカドー時代。

2018年4月に開業したミ・ナーラの売場面積は34,000㎡で、建物は三井物産系の「投資法人みらい」が保有する。
1月に撤退するイオン系のスーパーマーケット「光洋」(KOHYO)はミ・ナーラ開業に合わせて1階の核店舗として開店。売場面積は1,668㎡。

ミナーラ1階・光洋。

光洋の店内では道の駅を意識した青果売場や対面販売の強化、部門間の壁を低くした柔軟なフロア構成、同社初となる厚さ0.8mmのローストビーフの販売など、同社にとっては「挑戦的な店舗づくり」(関係者談)が特徴だったという。しかし、僅か3年弱での閉店となってしまった。
なお、光洋は2020年3月に「ダイエー」の傘下となっている。

ミナーラ、伊藤忠系の運営に-新たなスーパーなど導入

ミ・ナーラは2020年9月末にプロパティパネジメント企業が「やまきプロパティ」(東京都港区)から「伊藤忠アーバンコミュニティ」(東京都中央区)に変更されたばかり。
建物を保有する「投資法人みらい」は空き床への新たな核店舗の導入を計画しているとしており、2021年中に1階に東日本に本社を置くスーパーマーケットの出店(スーパーの企業名は明かされていないものの、新規出店企業の「西日本エリアにおける拠点拡大に向けた重要プロジェクトの位置づけ」であるとしている)やフードコートの拡大、観光テーマパーク「奈良祭都」のリニューアルなどが計画・検討されているという。

観光テーマパーク「奈良祭都」。
リニューアルが検討される。

外部リンク:ミ・ナーラ
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DONDONDONKI西門店、2021年1月19日開店-台湾初のドンキ、松竹台湾劇場跡地「阿曼TIT」の韓国E-LAND旗艦店跡に

台湾台北市萬華区の西門駅近くに、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)のディスカウントストア「DONDONDONKI 西門店」が2021年1月19日午前10時(台湾時間)に開店する。

DONDONDONKI西門店。

中文摘要:日本零售連鎖店「驚安の殿堂 唐吉軻德」臺灣首店「DONDONDONKI西門店」將於110年1月19日正式開幕。 

台湾随一の歓楽街にあった旧松竹跡地を刷新した再開発

阿曼TIT(AMAN TIT)は、松竹・台湾劇場を前身にもつ映画館「中國戲院」(1935年開館・2001年閉館)の跡地一帯で進められた再開発の一環として、阿曼開発(AMAN/GrandamanProperties)を中心に2009年に着工、2012年に竣工。建物は地上27階地下6階建で、低層階(1~5階)は商業フロア、高層階は高級マンションとなっている。

阿曼TIT(AMAN TIT)。

阿曼TITが立地する西門町一帯は、戦前より台湾随一の映画街として知られており、2021年現在も台湾有数の繁華街・歓楽街として若者向けのファッションビルや路面店、シネマコンプレックスが集積している。

“日系”から“韓国系”へ転換するも1年半ほぼ閉鎖状態だった

阿曼TITの低層階は2012年12月の開業当初、ファッションビル「neo WEST」として、台湾ソニー(台湾索尼)の旗艦店「SONY Store西門直営店」や時計店「SEIKO」といったブランドショップや「麻布茶房」「とんかつ新宿さぼてん(勝博殿)」「カプリチョーザ(卡布里喬莎)」といった飲食チェーン、徐若瑄(ビビアン・スー)の弟が手掛ける巫女装束を着た店員による接客や大量の鳥居を特徴とした豚骨ラーメン店「千本拉麺」や日本拠点のホラープランナーグループ(幽霊ゾンビ)が手掛けた「東京恐怖学園」といった日系・日式テナントが数多く出店していた。
しかし、neoWESTは運営会社の変更や有力ブランドの撤退が重なったため、わずか2年後となる2015年に閉店。2016年2月には韓国大手アパレル「E-LAND(イーランド)」の台湾旗艦店として、日本への進出実績もあるブランド「SPAO」「MIXXO」を中心とする韓国系ファッションビルに転換した。しかし、E-LANDの台湾撤退にあわせて2019年に閉店。阿曼TITの低層階は一部路面店を除き閉鎖状態となっていた。

台湾初のドンキ、日本産リンゴや豊洲直送鮮魚など拡充

DONDONDONKI 西門店は、阿曼TIT低層階のE-LAND直営フロア(1~3階)跡に出店するもので、売場面積は1,615㎡。PPIHグループの現地法人「台湾パン・パシフィック・リテールマネジメント」が運営するもので、台湾初出店となる。
西門店の営業時間は24時間。生鮮4品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)に加え、酒、化粧品、雑貨品、スポーツ用品、玩具・バラエティ、ペット用品など幅広く展開する総合スーパー業態となる。
台湾で人気の高い生鮮食品の品揃えと店内訴求の強化」を打ち出し、青果部門では日本産品のリンゴ、鮮魚部門ではDONDONDONKI初の試みとして生きたままの貝類や、大トロ、豊洲直送の魚介類を導入。店内調理の惣菜や握りたてのお寿司など豊富に取扱い、中食需要に対応しするとしている。

DONDONDONKI 西門店

住所:台湾 台北市萬華区西寧南路123(西門町/旧・末廣町)
(1-3F, No.123, Xining South Road, Wanhua District, Taipei City, Taiwan)
営業時間:24時間営業

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