カテゴリー別アーカイブ: コラム

ジーンズメイト、店舗整理すすむ-路面店から商業ビル内にシフトへ

カジュアル衣料大手「ジーンズメイト」の店舗整理が進んでいる。
同社が運営するアウトレット専門店「ワケあり本舗」が2017年12月の草加マルイ店閉店をもって全店閉鎖となったほか路面店の閉鎖も進めており、ショッピングセンターやファッションビルを中心とした「商業ビル内シフト」を強めている。

営業当時のワケあり本舗(写真はカトレヤプラザ伊勢佐木店)。

ライザップ傘下で経営改革、ワケあり本舗は”全店閉鎖”

ジーンズメイトは1960年に西脇被服本店としてジーンズの街として知られる倉敷市児島で創業。1978年にジーンズメイト1号店を出店させた。その後、東京都心で24時間営業をおこなうなどして知名度を大きく上げた。
ワケあり本舗はカジュアル衣料大手「ジーンズメイト」のアウトレット新業態として、ミーナ町田(町田市)とPAT稲毛(千葉市)に1号店を2010年10月オープン。同社が得意とするカジュアル衣料に加え、生活雑貨や化粧品、靴など幅広い商品を低価格で販売することで、最盛期には三大都市圏と福岡県のファッションビル、ショッピングセンターに20店舗以上展開するなど、ジーンズメイトに次ぐ主力業態として成長しつつあった。

ワケあり本舗として最後まで営業していた草加マルイ店。
現在はジーンズメイト草加マルイ店となった。

ジーンズメイトは2017年2月にライザップグループの連結子会社となっており、それ以降は「ジーンズメイト」「OUTDOOR PRODUCTS」の2ブランドに経営資源を集中すべく、店舗のスクラップ&ビルドを実施。
ワケあり本舗やジーンズメイト路面店は縮小傾向にあった。そして、2017年末を以てワケあり本舗は全店閉鎖・業態消滅するに至っており、残存する店舗はジーンズメイトへと転換された。

路面店の多くを閉店-ハピンズと提携で女性向け拡充も

ジーンズメイトはかつて「24時間営業」の店舗が多かったことでも知られるが、ライザップ傘下となって以降、24時間営業廃止、不採算店を閉鎖するなどの経営改革をおこなっている。

路面店の閉鎖を進めるジーンズメイト。
写真の草加店は旧ワケあり本舗草加マルイ店に統合された。

これに並行して、ファッションビルやショッピングセンターなど商業ビル内の店舗に経営資源を集中させる取り組みもおこなっており、路面店のジーンスメイトの閉鎖を進めている。
また、最近はライザップグループとなった雑貨店「ハピンズ(旧・パスポート)」との協力関係を強めており、同社との提携により女性向け商品の拡充も図られている。
ライザップ傘下で不採算事業からの撤退を進めるジーンズメイト。かつての「路面店」「24時間営業」「ワケあり業態」という個性が失われていくなか、果たして「業績にコミット」することができるのであろうか。
なお、24時間営業については今年から都心部の一部店舗で再開されている。

外部リンク:ワケあり本舗 | アウトレット 欲しいモノにはワケがある(現在は更新休止中)
外部リンク:ワケあり本舗 草加マルイ店 正面入口で完全閉店カウントダウン特別セール開催中! | JEANS MATE
関連記事:アーバンリサーチストア渋谷店、12月11日閉店-都内1号店、15年の歴史に幕
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関連記事:ライザップ、ジーンズメイトを子会社化

ジョイフル、フレンドリーを2018年中に子会社化-経営難のフレンドリー、ジョイフルが創業時の「恩」返す

ファミリーレストラン大手の「ジョイフル」(大分市)は、同業の「フレンドリー」(大阪府大東市)を子会社化する。

一般的なフレンドリーの店舗。(大阪府守口市)

フレンドリー、売上は最盛期の半分以下となっていた

フレンドリーは1954年に寿司店として創業。1971年にファミリーレストランに参入した。
2007年には和食レストラン「さと」を展開する「サトレストランシステムズ」と経営統合予定であったが断念している。同社はフレンドリー創業者の弟が創立した企業で、ルーツは同じである。
現在はファミレス「フレンドリー」のほか、ジョイフルに近い業態の廉価ファミレス「ゴッツ」、居酒屋「マルヤス水軍」、うどん店「香の川製麺」などを展開する。
近年は主力業態であった「フレンドリー」が競合企業の増加で振るわず、5月12日に同社が発表した2018年3月期の決算は、最終損益が3700万円の黒字(前期は3億5600万円の赤字)であったものの、売上高は前期比8.1%減の72億円(最盛期の半分以下)となっている。

ジョイフル、約15億円を投じてフレンドリーを傘下に

ジョイフルは1968年に焼肉店として創業(現在のジョイフルの元である株式会社焼肉園は1976年に創業)。1979年にファミリーレストランに参入した。
現在はファミレス業界国内3位(1位:すかいらーく、2位:サイゼリヤ)の店舗数で、ファミレス「ジョイフル」、和食店「喜楽や」などを展開するほか、2018年には東京都心で展開する老舗レストラン「キッチンジロー」(千代田区)とも資本提携を結んでいる。

キッチンジロー外神田店。

ジョイフルはTOBを通じてフレンドリーを子会社化する。ジョイフルの投資額は約15億円で、買い付け価格は1株100円。フレンドリーの上場は維持される。
フレンドリーは経営難により2014年から政府系ファンド「地域経済活性化支援機構」(REVIC)の支援を受けていたものの、経営状態が好転したとはいえない状況が続いていた。

ジョイフル、フレンドリーへの「恩返し」

ジョイフルの創業者である穴見保雄は、1970年代に卸業者を通じてフレンドリー創業者であり業界の先輩であった重里善四郎と知り合い、指導を受けたという恩がある。
そのこともあってか、ジョイフルは現在までフレンドリーと直接競合するエリアにはあまり出店していない。
(堺市美原区の両社の店舗は比較的近いものの、フレンドリーは高級業態で出店)
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ジョイフルの店舗(仙台市)。

ジョイフルは、フレンドリーについて物流の効率化などを図り黒字化・経営再建させたい考えだといい、経営難となった創業時の恩人に対する「恩返し」をおこなうかたちとなった。

ニュースリリース:株式会社フレンドリー普通株式に対する公開買付けの開始に関するお知らせ(ジョイフル)
関連記事:ジョイフル、台湾初出店-5年間で100店舗目指す
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丸井、2018年夏に「証券事業」参入-特徴は「エポスカード払いでつみたてNISA」

ファッションビルや百貨店を運営する「丸井グループ」(中野区)は、新たに証券事業に参入することを発表した。
旗艦店の1つ「渋谷マルイ」。

クレジットカードで投信購入可能-日本初

証券事業への参入は5月10日に青井浩社長が記者会見で発表したもので、投資信託を専門に行う。参入は2018年夏ごろの予定。
最大の特徴は、丸井グループのクレジットカード「エポスカード」(旧・赤いカード)で購入することも可能だということ。購入する際は「分割払い」なども可能で、同社によると、クレジットカード払いで投資信託を購入できるのは日本初だという。
「つみたてNISA」(少額投資非課税制度)の対象商品を取り扱い、投資信託の最低購入額は3000円、もしくは5000円を検討。スマートフォンで気軽に申し込み・購入することも出来るようにするといい、丸井店内での商品説明などもおこなうことで、同社が主な顧客とする若者の購入を促す方針だ。
丸井は「10年後に100万人へサービスを提供する」としている。
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同社で最も規模の大きい店舗である「北千住マルイ」。

丸井、主な顧客の「若者・女性」に訴求

丸井は元々クレジットカード事業を収益の柱としてきた。
若者のアパレル離れが進む近年は、アニメやアイドルとのコラボを強化するなど、新たなカード会員獲得にも乗り出しており、同社によるとカード会員657万人(2018年3月末時点)のうち、約半数が20代から30代、約7割が女性だという。
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近年はアニメコラボにも注力、エポスとアニメの提携も。

現在、国内の金融商品購入者は高年齢の男性が多く、丸井は若者・女性をターゲットにすることで棲み分けを図りたい考えだ。
その一方で、カードで借金をしてつみたてNISAを購入した場合、丸井に分割払い手数料や運用手数料(信託報酬)を払ったのち最終的に顧客に残る利益は非常に少ないものとなることは想像に難くない。
しかし、それでも「ゼロ金利」の銀行に預貯金するよりはマシと考える若者も少なくないと考えられ、丸井の一連の動きはまさに「低金利時代」を象徴したものであるとも受け取れる。

外部リンク:丸井グループが“つみたて専門”の証券会社を設立します
関連記事:アイドルグループ「DEAR KISS」、渋谷マルイでコラボカフェを開催-「アイドルコラボ」も充実するマルイ
関連記事:丸井、2018年春から「テニプリ」と提携-「女性向けアニメコラボ」強化するエポスカード
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アイドルグループ「DEAR KISS」、渋谷マルイでコラボカフェを開催-「アイドルコラボ」も充実するマルイ

渋谷区のファッションビル「渋谷マルイ」(丸井渋谷店)でアイドルグループ「DEAR KISS」とのコラボカフェが4月22日まで開催されており、4月17日にはオリコンデイリーチャート1位を祝福したくす玉割りも行われるなど、多くのファンで賑わっている。

渋谷マルイ。

マルイ×アイドル-館内各所で「DEAR KISS」コラボ

DEAR KISSは主に九州でアイドル活動をしていたメンバーで結成されたアイドルグループで、現在のメンバーは四島早紀、山崎みいわ、ののこ、齋藤里佳子の4人。

DEAR KISS。
左からののこ、齋藤里佳子、四島早紀、山崎みいわ。

今回のコラボカフェは「DEAR KISS × 渋谷OIOI コラボカフェ&ショップ」と題したもので、4月17日の新曲「ため息の世界はいらない」のリリースと4月29日のワンマンライブ開催を記念したもの。
カフェは1階「神南キッチン」において4月1日から4月22日まで開設されている。(当初の予定より延長中)

カフェ、イベントでは「エポスカード」での特典も。

期間中は渋谷マルイのエントランスにメンバーの衣装が展示されるほか、ショーウィンドウや店内ポップなど、店内各所でDEAR KISSの姿を見ることができ、エポスカード所有者向けの抽選会も実施される。
渋谷マルイは近年「サブカルコラボ」を進めていることで知られ、8階のイベントスペースの一角でアイドルグループとのコラボショップが設置されることもあるが、今回のようにエントランス部分での展示を行うなど館内全体において1つのアイドルを大きくPRすることは珍しい。
カフェではメンバーをイメージしたドリンク、スイーツなどが提供されるほか、グッズの販売もおこなわれており、一部時間帯にはカフェ内にメンバーが登場、メンバーの姿を一目見ようと多くのファンが訪れている。

屋上で「オリコンデイリー1位」を祝福-新店とのコラボ企画も

4月17日はDEAR KISSの新曲「ため息の世界はいらない」のリリース日となり、屋上でインストアライブが開催された。

屋上で開催されたインストアライブ。

会場では新曲がグループ初のオリコンデイリーチェートで1位になったことを祝して”くす玉割り”もおこなわれた。
DEAR KISSは多くのメンバーが元々所属していたグループが解散するなど、様々な苦労を経験してきただけに、オリコン1位であることが告げられるとメンバーは抱き合って喜びを分かち合い、そしてLIPSと呼ばれるファンたちからは鳴り止まない拍手が届けられた。
また、17日のイベントは近く渋谷マルイ内に開店する新ショップとのコラボイベントにもなっており、同店で販売されるパジャマを着用してのチェキ撮影会もおこなわれた。

「サブカルコラボ」の渋谷丸井、アニメのみならずアイドルも

丸井は近年「サブカルコラボ」を進めており、特に渋谷マルイでは数々のアニメコラボをおこなって話題を集めていることは以前の記事において紹介した通りであるが、2015年11月に別館的存在である「渋谷モディ」に「HMV&BOOKS SHIBUYA」が開業して以降はアイドルグループとのコラボレーションイベントも増えている。

渋谷モディ。
HMVでインストアライブが開催されることも多いが、アイドル・アニメ関連の大型リリースイベントは丸井の屋上を活用することも。

渋谷マルイでインストアイベントが開催される際には、通常は閉鎖されている屋上が利用されることも多くあり、4月中には「エラバレシ」、「Jewel☆Neige」(じぇるの!)、「転校少女歌撃団」などが屋上特設ステージでのイベントを開催している。

近年は様々なアイドルの限定ショップが設置されることもあるが、8階での開催が多かった。
(以前8階に開設されていた「lyrical school」コラボ店)。

今回のDEAR KISSのイベントでは、単なる新曲リリースイベントのみならずエポスカートや新テナントとのコラボ活動も積極的におこなわれており、これまでのアニメコラボと同様、新たな顧客を獲得したいという丸井の思惑も垣間見える。
これまで渋谷マルイ1階「神南キッチン」はアニメやスイーツ店とのコラボイベントや期間限定カフェとして利用されることが多かったが、今後はこうしたアイドルやアーティストとのコラボカフェが増える可能性もあろう。

外部リンク:渋谷マルイ
外部リンク:DEAR KISS
関連記事:丸井、2018年春から「テニプリ」と提携-「女性向けアニメコラボ」強化するエポスカード
関連記事:渋谷マルイで「ご注文はOIOIですか??」開催-サブカル系コンテンツに注力する丸井
関連記事:渋谷モディ、2015年11月19日開店-目玉はHMV旗艦店

丸井、2018年春から「テニプリ」と提携-「女性向けアニメコラボ」強化するエポスカード

ファッションビルを展開する丸井(中野区)は、2018年春より漫画・アニメ「新テニスの王子様」(テニプリ)とコラボレーションすることを発表した。

マルイ×テニプリのキービジュアル(ニュースリリースより)。

「テニヌ」との提携は丸井初-提携カードも発行

これまでも数々の漫画やアニメとコラボしている丸井だが、テニプリとの提携は初めて。
テニプリと提携した特別デザイン(3種類)の丸井グループのクレジットカード「エポスカード」を発行するほか、3月からは「新宿マルイ アネックス」「京都マルイ」「博多マルイ」、そしてネット店舗「マルイウェブチャネル」で期間限定イベントショップを展開。
イベント用に描き下しイラストを使用したグッズの販売や、等身大スタンディフォトスポットの設置、エポスカード会員限定の抽選会など、さまざまな企画を予定しているという。

提携エポスカードを発行(ニュースリリースより)。

カードの申し込みは、マルイ・モディ店頭では3月20日(火)から、エポスカードのホームページからは、4月3日(火)からとなる。
コラボレーションイベントの日程は以下の通りだが、期間が延長されることやマルイ・モディ他店での展開も考えられる。

  • 新宿マルイアネックス:3月29日(木)~4月17日(火)
  • 京都マルイ:3月29日(木)~4月10日(火)  
  • 博多マルイ:4月6日(金)~4月22日(日)    
  • マルイウェブチャネル :3月29日(木)~6月30日(土)

「サブカルコラボ」で人気の丸井、アパレル中心から「多様化」

丸井は1931年に創業。1960年には日本初のクレジットカード(エポスカードの前身)を発行したことでも知られる。
かつては「赤いカード」の名で長年に亘ってクレジットカード事業を百貨店業とともに収益の柱としてきた丸井だが、百貨店事業は郊外店との競争に加えて消費者志向の変化で利益率が低下。一方、クレジットカード事業は利益率が高いものの、カード業界も多くのカードが乱立するなか競争は激しさを増している。
そこで丸井が取り組んでいるのが「サブカルコラボ」だ。
とくに近年は「ラブライブ!」「カールズ&パンツァー」「ご注文はうさぎですか?」など数々の人気アニメとコラボすることで話題を呼んでおり、そうした取り組みは新たな顧客の獲得に繋がっている。売場でも、アパレル比率を低下させるとともに、サブカル系ショップや書店・CD店の導入も進めており、今や丸井といえば「アニメコラボ」や「アイドルイベント」を連想する人も少なくない。
gochiusa1「ごちうさ」コラボは多くの客を集め、会期延長となった。
シャロちゃんが一番かわいい(個人的見解)。

丸井各店では、3月中も「メルヘンメドヘン」(渋谷マルイ)、「文豪ストレイドッグス」(マルイシティ横浜)、「学園ベビーシッターズ」(京都マルイ)、「エロマンガ先生」(博多マルイ)などとのコラボイベントを開催する予定となっている。

「エポスカード提携アニメ」は「オトメイト」など女性向け中心

コラボする漫画やアニメ、ゲームは男性向け・女性向けを問わない丸井だが、一方で「エポスカード」との提携は女性向けアニメが中心だ。
丸井グループでは、現在テニプリ以外に「オトメイト」「銀魂」などのコラボカードも発行中。アパレル比率が下がったといえども、丸井の本業である小売業は「女性向け」が主であり、カードを持ったついでにショッピングでも丸井を訪れて欲しいという思いが見て取れる。

外部リンク:「新テニスの王子様エポスカード」の発行をスタートマルイ店舗でのイベントも開催
外部リンク:マルイノアニメ
関連記事:渋谷マルイで「ご注文はOIOIですか??」開催-サブカル系コンテンツに注力する丸井

関連記事:丸井錦糸町店に有料の休憩スペース「コインスペース」、2月28日開設
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新・徳山駅ビル「蔦屋図書館」、2018年2月3日開業-「駐車場1時間無料」で活性化に期待

山口県周南市の玄関である「JR徳山駅」の新たなビルが2018年2月3日にグランドオープンする。

新たな徳山駅ビル(完成予想図、周南市HPより)。

かつての駅ビル「トークス」を建て替え

旧・徳山駅ビル(徳山民衆駅)は1969年に開業。第三セクターの商業ビル「トークス」となっており、多くの店舗が入居していたが周辺商店街の衰退などに伴い2000年に閉店。その後は一部が公共施設として使われたのち、2015年3月に全館閉館、解体されていた。
解体に先立ち、JR徳山駅の駅舎は2014年9月より橋上化されている。

旧・JR徳山駅ビル(トークス)。

中核施設「蔦屋図書館」-既存の市立図書館も存続・差別化

新たな駅ビルの延床面積は5,256㎡。
徳山駅前賑わい交流施設」と称し、核店舗として、1階から3階まで「周南市立徳山駅前図書館」が入居。運営者はTSUTAYAを運営するCCC(カルチャー・コンビニエンス・クラブ)で、いわゆる「蔦屋図書館」となる。図書館エリアの面積は2,374㎡で蔵書数は約6万冊。
なお、既存の周南市立図書館各館は営業を継続するため、蔦屋図書館はそれらとは差別化を図った内容となっており、従来の市立図書館貸し出しカードなども継続して使用することができる(新たにTカードの機能を付けることも可能)。
そのため、同じ「蔦屋図書館」であっても市立図書館の本館を蔦屋図書館化した武雄市などと比較すると図書館としての「位置づけ」は大きく異なるものとなっている。

「スタバ」も徳山初出店-駐車場は1時間無料!

駅ビルには蔦屋図書館以外にもテナントとして「蔦屋書店」(1階~2階)、「スターバックスコーヒー」(1階)が出店するほか、2階にはインフォメーションカウンター、展望デッキ、自由通路(一部は供用済み)が設置される。
スタバは周南市初出店となる。

2階イメージ、展望デッキが設置される(完成予想図、周南市HPより)。

また、大型の立体駐車場(125台・24時間営業)も併設される。駐車料金は最初の1時間無料、次の1時間200円、以降30分毎に100円と、これまでの商店街駐車場と比較して格安だ。
駐輪場(みなみ銀座入口)は無料となる。

フロア構成(周南市HPより)。

開館を記念し、2月3日には開館記念式典が開かれるほか、2月18日には防府市育ちのシンガーソングライター・山崎まさよしさんのミニライブ・トークショーが開催される。

印象づけられる駅前の「主役交代」-無料駐車場にも期待

JR徳山駅前は周辺に多くの大型店が立地し、山陽新幹線開通後は山口県内で最も賑わう商店街の1つとなっていたが、ダイエートポス、サティ、近鉄松下百貨店など周辺の大型店は郊外店との競争に加えて高額な駐車料金が倦厭され(割引サービスは最低3000円購入から)、2013年までに全て姿を消していた。
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近鉄松下百貨店跡地。
1月現在は周南市役所(建替中)の仮庁舎となっている。

蔦屋書店の開店を前に、1月31日を以て徳山駅前に本店がある地場大手書店「鳳鳴館」が100年以上の歴史に幕を下ろし一般書店としては廃業(教科書販売などのみ継続)することを決めており、駅ビルの開業は駅前の「主役交代」を印象付けるものとなった。
その一方で、空きビルのリノベーションなど活性化事業の進展、近鉄松下百貨店などに入居していたテナントの出店などにより、中心商店街のうち食品スーパーや100円ショップのある「銀南街」では近年空き店舗が減少傾向にあるという。

銀南街。

新・駅ビルの誕生は新たな集客施設となるのみならず、これまでの商店街衰退の大きな要因の1つであった「駐車料金の高さ」を払拭することになるため、地元商店街は活性化への期待を寄せる。
駅ビルの開業に合わせて、街づくり会社「まちあい徳山」は情報サイト「トクヤマップ」での情報発信をおこなうとともに、イベントの拡充、商店街駐車場サービスの充実などをおこなっていく予定だ。

徳山駅ビル

住所:〒745 -0034 周南市御幸通2丁目28番2
営業時間:
市立駅前図書館(蔦屋図書館) 9:30~22:00
蔦屋書店 9:30~22:00
スターバックスコーヒー 9:30~22:00

外部リンク:徳山駅前賑わい交流施設(周南市)
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グループ統合決めた「マルショク・サンリブグループ」-その将来像は

9月1日での経営統合を発表した九州流通の雄「マルショク・サンリブグループ」の中核企業「サンリブ」と「マルショク」。
サンリブ社への取材により、統合の背景と、マルショク・サンリブグループの将来像が明らかになってきた。
追記:閉店店舗などを一部追加更新しました。

サンリブの本店である「サンリブシティ小倉」(北九州市)。

九州流通の雄「マルショク・サンリブグループ」

 「マルショク」は1947年に別府市で創業。1950年に別府市と下関市でスーパーマーケットの展開を開始し、各地に「広島丸食」「宮崎丸食」などのグループ会社を設けるかたちで営業エリアを拡大した。「株式会社サンリブ」は、1955年に設立された「北九州丸食」、1951年に設立された「下関丸食」などを起源とする。
その後、各社は経営統合をすすめ、1998年に「サンリブ」と「マルショク」に集約された。現在、グループ店舗数は九州各地から広島県まで約160店、年商は2,081億3,500万円(2017年2月期)。2017年には創業70周年を迎えた。 

かつて本店であったマルショク流川通り店(別府市)。
総合スーパーであったが2016年に建替えられた。

合併は単独で生き抜くための「経営基盤の強化」

今回マルショク・サンリブグループがグループ再編に至った一番の理由は、流通企業同士のM&Aが進むなかで「地場スーパーマーケットとして競争に勝ち抜いていくためには両社の財務・人材等の経営資源を一本化し、経営基盤の強化を図ることが何より重要であると考えたため」だとしている。
とくに、マルショク社では熊本地震で熊本市のショッピングセンター・総合スーパー3店舗が倒壊したほか、熊本県内や別府市内の多くの店舗が被災。熊本地区では売り上げを大きく減らしていたと考えられ、経営への影響が心配されていた。

熊本地震で倒壊したマルショクサンリブ健軍(熊本市)。
大幅に規模を縮小、8月3日に「マルショク健軍店」として営業再開した。

M&Aなどおこなわず-あくまでも「単独で生き残る」

グループの経営統合を図る一方で、サンリブ社は都商研の取材に対して「(九州他社ではM&Aによる経営規模の拡大を図る動きがあるが)そのような他者を合併することによる経営規模の拡大は考えていない」と答えている。マルショク・サンリブグループはあくまでも「単独で戦う」としており、近いうちに経営規模や営業エリアなどが大きく変わることはないと思われる。 

九州ではスーパー同士の大型経営統合の動きが進む。
マルキョウ・マルミヤ・丸久・新鮮市場・中央フードなどは、丸久・マルミヤが取材する「リテールパートナーズ」傘下に経営統合されている。
(マルキョウの本店である雑餉隈店、福岡市)

閉鎖は10店前後か―閉鎖店舗の主な要因は「老朽化」

今後、サンリブエリアではマルショク天籟寺店(北九州市戸畑区、GMS、建替え方針)、サンリブ瀬高(みやま市、GMS)、マルショク焼山店(呉市)など5店舗、マルショクエリアではサンリブ日田(日田市、GMS)、サンリブ四日市(宇佐市、GMS)、マルショク西大分店(大分市、SM)マルショク羽田店(大分市、SM)など数店舗の閉店をおこなう予定だ。一方で、 これらの閉店は合併に伴う店舗整理ではないという。
このうち、サンリブ日田などはかねてより耐震性の不足が指摘されており、今回閉店が判明している店舗の多くが昭和時代に建築された老朽店舗であることから、各店舗が閉店に至った主たる理由は「老朽化、もしくはそれに伴う耐震性不足」であると考えられる。

8月末に閉店するマルショクサンリブ日田。老朽化が著しかった。
JR日田駅前に立地し、跡地に出店を検討する大型店もあるという

全面改装は最低18店舗―マルショクエリアの旗艦店中心 

今回の合併にともない、店舗の改装も進められる。
売場の全面改装はマルショクエリアの旗艦店・総合スーパーを中心に、マルショク東中津店(中津市・旧スーパーなかの→アパンダ、SM、7月末改装済み)、マルショク関の江店(別府市、GMS、9月改装)、マルショク餅ヶ浜店(別府市・旧寿屋、GMS、8月末改装)、マルショク判田店(大分市、GMS、9月改装)、マルショク加納店(宮崎市清武町、SM・NSC、6~7月改装済み)など、少なくとも18店舗以上で実施されるという。とくにマルショク社の店舗は老朽化が進行しているものが多く、消費者にとっては嬉しい知らせである。
このうち、加納店は7月に改装が終わっており、売場を全面刷新するとともに100円ショップなどを新たに導入。また、8月改装予定の餅ヶ浜店では新たに別棟が建設され、ジョイフル系列の和食店「喜楽や」が出店する。

隣接して別棟の建設が進む餅ヶ浜店。8月中旬から店舗も改装される。
近隣にマックスバリュが出店、劣勢となっていたが巻き返しを図る。

マルショクエリアでは大型の空き床がある店舗が多く、サンリブ中津、マルショク亀川店などワンフロア全てが空き床という店舗もあるが、こうした場所への新規テナント導入も期待される。
また、サンリブでは2015年より大手ファーストフード店「ファーストキッチン」のFC展開をおこなっているが、同店のマルショクエリア(現在は未出店地域)への新規出店もあるであろう。
サンリブエリアにおいても、サンリブ府中(府中町)、サンリブ木屋瀬(北九州市八幡西区)、サンリブ古賀(古賀市)などで売場の全面改装をおこなう予定だ。

マルショク餅ヶ浜店(改装後)。

 今後の新規出店は「NSC中心」-店舗の建て替えも

また、サンリブでは今後、老朽店舗の建て替えとともに新規出店も進めるという。
今後の新規出店については、サンリブエリアを中心に最低3店舗以上を計画しているといい、今後の新店はNSC(近隣型の中規模ショッピングセンター)が中心になるという。近年、サンリブでは5,000㎡前後の中規模ショッピングセンターの出店を進めており、今後の同社の新店舗もそうしたものになると考えられる。
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NSC業態での出店が続くサンリブ。
2016年4月に開店したサンリブきふね(北九州市)にはTSUTAYA、マツキヨなども出店する。

一方、マルショク社では、現在熊本地震で倒壊した3店舗の再建が行われている。この再建は「熊本県中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業」に基づく「グループ補助金」を活用して行われているもので、すでにマルショク子飼店(旧サンリブ子飼)が5月に営業を再開済み。
8月3日にはマルショク健軍店(旧サンリブ健軍)が、9月~10月ごろにはサンリブしみず(旧サンリブ清水)が開店する予定だ。
これらはいずれも以前の店舗より大きく規模を縮小しており、特に大型ショッピングセンターであったサンリブ清水の平屋化を残念に思う住民は多いという。こうした店舗規模の大幅な縮小は、今後のマルショクの方向性を示すかたちとなった。

旧サンリブ清水。平屋化され、2017年秋に営業再開予定だ。

食品部門、子会社運営に―「地域の品揃え」を維持

このほか、今回の合併を前にマルショク子会社であった「大分総菜」を「サークルフーズ」と改称し、マルショクエリアの生鮮品・惣菜を中心とした食品売場の大部分の運営を移管することを発表している。

「サークルフーズ」への移管告知。

マルショクエリアでは、直営の生鮮品(とくに鮮魚)の質の良さには定評があった。生鮮を引き続き現地子会社の運営とすることは、地元商品の品揃えの確保・品質の維持を図りつつ店舗全体や総合スーパー部分のリニューアルを効率的に進めることに寄与すると考えられ、マルショクエリアの生鮮売場の利用客にとってみても喜ばしいことであろう。

鮮度に定評があるマルショク直営の鮮魚売場。

また、サンリブでも今後生鮮食品売場の子会社移管を計画しているといい、各店舗は「建物管理をおこない、衣料品などを販売するサンリブ」+「食品を販売する地域子会社」により運営されることになると考えられる。
さらに、サンリブ社の多くの店舗やマルショク社の一部店舗で好評となっている「成城石井」PBなどこだわりの商品の導入もさらに進むものと思われる。

長年に亘って九州地場最大級の流通グループとして君臨し続けてきたマルショク・サンリブグループ。
創業70周年を迎え、小売店間の競争が激化するなか、すでに改装により集客力を高めた店舗も出て来ており、グループ再編によって経営基盤の強化を図る同社の今後に期待が高まる。

追記:マルショクエリア、多くの店舗で営業時間変更

マルショクエリア(大分、熊本、宮崎など)の多くの店舗では、10月より営業時間が変更されている。
とくに、24時まで営業であった店舗は殆どが営業時間の短縮をおこなっているため、店舗に行く際には注意が必要だ。

マルショクエリアでは多くの店舗で営業時間が変更された。

サンリブ・マルショクの閉鎖店(統合以降)
サンリブ
  • サンリブシーモール
  • マルショク焼山
  • サンリブ瀬高
  • マルショク白銀
  • マルショク金田
マルショク
  • マルショク寒田
  • マルショク羽田
  • マルショク春木
  • マルショク亀川
  • マルショク鶴見
  • マルショク戸次
  • マルショク高田
  • マルショク西大分
  • マルショク春日
  • マルショク羽屋
  • サンリブ日田
  • サンリブ四日市
  • マルショク横手

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JR九州トランドール、商業施設シフト進む-2017年夏にも戸畑、赤間などから撤退

JR九州グループのベーカリーチェーン「トランドール」は、7月から8月にかけて赤間駅、海老津駅、戸畑駅から相次ぎ撤退することを決めた。

閉店するトランドール赤間駅店。

「駅構内」半減-今後は商業施設内店舗へシフトか

トランドールはJR九州とタカキベーカリーの合弁企業として1992年4月に創業。7月25日現在、駅構内向け業態「トランドール」、商業施設向け業態「グレンドール」、「ランジュドール」、デニッシュ専門店「デニッシュバー」などを九州・山口に37店舗展開(8月末には36店舗予定)している。
近年は鹿児島本線の黒崎駅、福工大前(筑前新宮)駅、二日市駅、久留米駅、大牟田駅などから相次ぎ撤退するとともに、イオン、イズミ(ゆめタウン)などに「グレンドール」業態の新規出店を進めていた。

ランジュドール。

トランドールは赤間駅からは7月12日に、海老津駅からは8月7日に、戸畑駅からは8月9日に撤退。福岡県内の鹿児島本線において営業を継続するのは、西小倉、八幡、千早、吉塚、博多、南福岡の各駅のみとなる。
トランドールでは7月27日にはイオン乙金ショッピングセンター(福岡県大野城市)にグレンドールを出店しており、今後もショッピングセンターへのシフトが進むであろう。

表:トランドール店舗数の推移(2007年、2017年8月末)
   2007年(最盛期)  2017年8月末
 駅構内・駅ビル店舗  33店舗  18店舗
 駅以外の店舗  18店舗  18店舗

外部リンク:トランドール|トップページ
外部リンク:閉店のお知らせ | トランドール公式ブログ
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店舗撤退で公共化進む山形・七日町、AZも公共化検討へ-再開発に期待かける七日町(2)

前回の記事はこちら:山形セブンプラザ、再開発で解体へ-再開発に期待かける山形市七日町(1)

山形市最大の繁華街である七日町商店街の複合商業施設「AZ七日町」の商業フロアの大部分が、公共施設化の検討に入った。
七日町商店街では、すでに複合商業施設「ナナビーンズ」も商業フロアを公共施設やオフィスに転用しており、地盤沈下が深刻な状況となっている。
P1050043藤崎のサテライト店が1階に入居するアズ七日町。

山形市七日町は、JR山形駅から北西に1kmほどの距離にある山形県最大の繁華街である。
七日町には、前回の記事で再開発を報じた「セブンプラザ」に加え、山形県最大の百貨店である「大沼本店」や、複合商業施設「アズ七日町」、「ナナビーンズ」、「イイナス」などといった大型店が点在しているが、近年は深刻な地盤沈下に陥っており、商業施設の公共化転用が起きている。
P1050052
閉館予定のセブンプラザ。

店舗撤退で公共施設化が進む七日町、AZも公共施設化か

AZ七日町」は山形市と地元地権者が共同で整備した複合商業施設として1987年に開業。正式名称は「七日町再開発ビル」。
売場面積は3,685㎡で、1~3階はショッピングフロア、4~8階は山形市中央公民館となっている。
P1050040宮脇書店が撤退し1階以外の完全公共化も議論されている。

現在、AZ七日町の1階には藤崎百貨店(仙台市)のサテライト店舗や無印良品といった専門店が入居。しかし、2015年11月に2階と3階の大部分を占めていた宮脇書店が撤退すると、ショッピングフロアは深刻な空洞化に陥った。
1987年の開業当初は32店舗あった専門店も6店舗にまで減少しており、新規テナントが入居する見込みも立っていない。このため、2016年1月、アズを管理する株式会社七日町再開発ビルは山形市に対し、1階以外のショッピングフロアに公共テナントの入居を申し入れるなど、商業施設としての存在価値が危ぶまれている。P1050074山形松坂屋跡に開業したナナビーンズ。

一方で、ナナビーンズは閉店した山形松坂屋跡に2002年に開業。8階建てで、店舗面積は4,464㎡。
ビルの運営は民間業者だが、商業テナントや飲食店、ホテル、公共テナントを複合する商業施設であった。
2015年には「建物を2分割する」という日本初の工法での耐震化を実施した。
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切断されたナナビーンズ(ストリートビューより)。

しかし、かつては1~3階を占めていたショッピングフロアは、現在は1階のみの営業となっているうえに、1階にはかつて食品売場が入居していたものの、2010年に撤退して以後は小規模な雑貨店が入居するにとどまるなど、商業施設としての面影はほとんどなくなっている。P1050089ナナビーンズのショッピングフロアは1階のみに。

中心部の道路拡幅で逆に不便に…?

七日町では、大型店のショッピングフロアが空洞化し、公共テナントの入居に頼らざるを得なくなっている状態である。
さらに、七日町の顔ともいうべき山形県最大の百貨店である「大沼」(1700年創業)も、老朽化が進んでいるうえに、売場面積が僅か11,952㎡と、県都の百貨店としての品揃えが難しい規模で、仙台の百貨店との競争に勝つことが難しい状態となっている。
また、大沼は2013年より直営の立体駐車場や、七日町商店街駐車場など一部の提携駐車場が中心市街地の道路拡幅工事のために閉鎖されており、現在は車での来店が不便な状況となっている。そして、核店舗の集客力減・駐車場の不便さは、七日町の客足にも大きな影響を与えている。
中心部へ来街しやすくするはずの道路拡幅が、結果的に中心部から足を遠ざける結果となり、またこれを機に(道路用地に取られた、道路が広くなり徒歩回遊性が減ったなどの理由で)郊外移転する個人商店もあるなど、結果的に自動車優先政策が車も遠ざけ裏目に出る結果となり、一筋縄ではいかない状況だ。
P1050047-
大沼百貨店も老朽化が進む。正念場の七日町。

セブンプラザ再開発に期待かける七日町

地盤沈下の著しい山形最大の繁華街。それだけに、セブンプラザ跡の再開発にかける期待は非常に大きいであろう。
今回、再開発が行われるセブンプラザ以外の店舗も多くは老朽化しており、再開発や道路拡張の進捗状況によっては街の姿が大きく変わることも予想され、目まぐるしく動く七日町の各店舗の状況から目が離せない。

関連記事:山形セブンプラザ、再開発で解体へ-再開発に期待かける山形市七日町(1)
外部リンク:セブンプラザ
外部リンク:アズ七日町
外部リンク:NANA BEANS(ナナビーンズ)
外部リンク:大沼

山形セブンプラザ、再開発で解体へ-再開発に期待かける七日町(1)

山形市七日町の複合商業施設「セブンプラザ」が、再開発のため解体される見通しであることがわかった。P1050052セブンプラザ。1階にはセブンイレブンが出店。

旧・丸久百貨店、築60年で老朽化

セブンプラザの建物は1956年に完成。当初は地元百貨店の「丸久」が入居していたが、松坂屋と丸久が業務提携を開始すると、丸久は1973年には移転し「丸久松坂屋」として営業を開始。丸久松坂屋は1980年に山形松坂屋に改称したのち2000年まで営業を続けた。丸久松坂屋跡は現在複合施設の「ナナビーンズ」となっている。
一方で、丸久の移転後に空きビルとなっていた建物は1974年から商業施設「セブンプラザ」として営業を開始した。
セブンプラザは5階建てで、売場面積は4,497㎡。築60年が経過し、近年は老朽化が著しかった。
P1050063
昭和レトロの雰囲気漂う4階。

東北初のファッションビルだった

東北初の本格的ファッションビルとも言われていたセブンプラザには、当初は女性向けファッションテナントが数多く入居しており、七日町商店街の中心となる商業施設であった。
しかし、再開発ビル「AZ」の開業、ニチイ山形店のビブレ転換(2000年閉店)、丸久松坂屋跡やダイエーのテナントビル化などによる中心市街地同士での客の奪い合い、そして郊外へのイオンモール(山形南、天童)の出店、仙台への消費人口の流出などが重なり、テナントの撤退が相次ぎ、「ファッションビル」としての存在感は薄れていった。
2015年にはセブンプラザの運営会社が破産し、破産後は別企業がビルを管理していた。

セブンプラザ、跡地は高層マンションに-下層階は商業施設

2014年よりセブンプラザを所有するフージャースコーポレーション(東京都)は地方の再開発事業を手掛けており、地盤沈下にあえぐ七日町商店街活性化のための再開発計画を模索していた。
地権者との協議がなされた結果、セブンプラザと、それに隣接するビルを解体、下層階に商業施設が入る高層マンションを2020年までに建設することとなった。P1050072
七日町御殿堰。
歴史的景観復活のため2010年に整備された商業施設。

現時点でセブンプラザの閉店・解体時期は未定だが、再開発マンションの施設像として隣接する商業施設「七日町御殿堰」との一体化が掲げており、歴史的な景観が特徴の七日町商店街の雰囲気に調和した施設の建設が期待される。

次の記事はこちら:店舗撤退で公共化進む山形・七日町、AZも公共化検討へ-再開発に期待かける七日町(2)

外部リンク:セブンプラザ
外部リンク:アズ七日町
外部リンク:NANA BEANS(ナナビーンズ)
外部リンク:大沼